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2009年2月 4日 (水)

14病院受入れ拒否

「受入れ拒否」、相変わらずメディアは断わった病院を悪者に仕立てたタイトルで見出しを書く。これだけ問題になっている医師不足、ベッド不足、過重労働、専門医不在など、受け入れられない要因を知りながらだ。

毎日新聞(2/4)から、要約と 《 》内は私見。
 兵庫県伊丹市で1月20日夜、交通事故で重傷を負った男性(69)が、県内や大阪府内の14病院に受入れを断わられ、事故の約3時間後に出血性ショックで死亡していたことが4日、明らかになった。

市消防本部などによると、1月20日午後10時15分ごろ、伊丹市内の県道を横断していた駐輪場誘導員の男性の自転車に、市内の自営業の男性(29)が乗るバイクが衝突した。自営業男性の方が怪我が重いとみられていた。

救急車は2台出動。自営業男性が、1人なら受入れ可能とされた同県西宮市の大学病院に搬送された。誘導員の男性を担当した救急隊は、約1時間のあいだ14病院に受入れを求めたが、「ベッドが満床」「専門医がいない」「他の患者を措置中で対応できない」といった理由で断わられた。男性は同11時半ごろ、民間病院に収容されたが、21日午前1時10分ごろ、死亡した。搬送の遅れと死亡との因果関係ははっきりしないという。

《メディアは医療現場の抜本的な改革、改善を叫ぶ。非を論(あげつら)うことは簡単だ。そこに建設的な意見が含まれていればだが、現実の声は非難の域を脱していないものにしか聞こえない。今回の場合、医師が受入れを承知していたらどうだろうか。順序として措置中の患者の終了を待たねばならない。ベッドが空いた、専門医でない医師が措置するなど、どれでもいい。

《結果によってはメディアの格好の餌食になるだけだろう。「瀕死の患者を待たせ病院が見殺し」「専門外の医師の対応で患者死亡」などと。

《現在の医療現場は受入れが嫌で断わっているのではないだろう。それに、専門外の医師が断わるのは当然のことだ。良心から受入れたとしても、当初から助からない患者ても、専門外の医師が対応した結果の死亡は、間違いなく訴訟問題に発展する。病院側が受入れたくても受け入れられない実情が間違いなく存在しているのだ。医師を増やせの掛け声は上がっているが、知識、技術レベルを維持したままで、直接現場で患者に当たれるまでにはそう簡単にほいほいと増えるものではない。現状でベッドを増やしても、医師がいない、肝心の病院は減り続けている。現在の医師不足、医療制度のままでは、5年、10年いや当分の間、この悲しい現実は続くものと覚悟しなければならないだろう》。

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