宇宙のトイレ“こぼれ話” - 2 -
昨年8月に5500億円もかけて壊れたトイレ修理に出掛けた宇宙飛行士の話を書いた。「宇宙のトイレこぼれ話」これまでには女性を含め、大勢の宇宙飛行士が飛んで行った。一日で行き来できるところではない。私には、盛り沢山の研究項目よりも、例の出物腫れ物の方に大いに関心があったことも書いた。最初の飛行から何年経過しただろうか。それまで排泄に関する報道は全くされていなかったが、壊れて初めてメディアも取り上げた。その結果が5500億円の大修理だった。
今回毎日新聞が、わざわざ欄を設けて宇宙のトイレにスペースを割いた。(2/6)から、《 》内は私見。
若田光一宇宙飛行士(45)が今月から約3カ月半、滞在する予定の国際宇宙ステーション(ISS)は無重力のため、思うように身体を動かせず、何気ない動作にも苦労する。その一つがトイレだ。
浮き上がらないよう身体をベルトで固定し、排泄物が機内を漂わないよう空気と一緒に吸引、回収する。吸引口は直径10センチほどしかなく、宇宙飛行士はお尻の位置を合わせ便座に座る訓練を繰り返すという。
スペースシャトルで3回の宇宙飛行を経験した米国のマイク・ミュレイン氏は著書の中で「この訓練は宇宙飛行士という職業の魅力を大いに減じていた」と評している。ISSのトイレはカーテンで仕切られているだけで、音や臭いも気になるという。
《今までに女性飛行士も何人も飛んだ。さぞかし辛かっただろう。もちろん浴室もないのだろう。これまでは、無重力で浮かれて遊んでいるようなスナップの映像ばかり地球に送っていたが、これからは、もう少し違う映像を送るように気をつけるが良い。》
そうした悩みの解決に乗り出したのが、清水建設(東京都港区)を中心とした日本の産学連携チームだ。昨年末、宇宙で快適に使える「未来のスーパートイレ」開発を目指し、研究会を作った。
同社は80年代後半のバブル期、ゼネコンの新しい活躍の場として、極地や地下と共に宇宙をターゲットに研究を始めた。宇宙ホテルや月面基地構想を発表し、宇宙での生活を考えてきた。
研究会の代表を務める同社技術研究所インキュベートセンターの吉田哲二・副センター長(59)は「排泄は人間の尊厳にもかかわる大事な問題。介護の現場などにも応用できるはずだ」と話す。
《尊厳を言うなら、次には、着の身着のままというわけにもいくまい。若田の100日間、着替えも必要になる、洗濯も入浴も必要だろう。水はどうする。》
飛行士が常時着用し、吸引や洗浄、排泄物の乾燥処理を全自動でするタイプなど、いくつかのアイデアが出ているという。吉田氏は「温水洗浄便座を生んだ日本ならではの発想で、宇宙でも癒しを提供したい」と意気込んでいるという。
《なんだ、まだまだ先の話のようだ。誰でもちょっとした旅に出る時には、最低限、着替えぐらいは用意するし、食べれば用もたす。まして地球を離れて遠い宇宙の彼方に出掛けるのに碌な準備もなく飛び出すとは。今になって騒ぐ、文字通り「泥棒見て縄」そのものだ。宇宙の研究より先に準備しなければならない課題の方が大きかったのではないか》。
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