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2009年1月 3日 (土)

ボランティアを大学の必須授業に

 近所の池でゆりかもめにパン屑をやり、午前中遊んだ
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 毎日新聞客員編集委員・早瀬圭一の「記者の目」欄(12/19)から、要約と《私見》
 (前略)79年2月22日の同欄の記事、母上を老人ホームに託した体験をまとめ、「老人ホームじゃなぜ悪い」に書いた。当時としては、随分過激なタイトルだったが、賛否は3000通を超える反響となった。
 以後、彼の新聞記者としてのテーマは「人は終末をどう迎え、一生をどう完結するか」に絞られるという。

その後大学教員となり、「老人福祉論」「地域福祉論」、大学院で「死生観特論」「在宅ホスピス論」を学生や院生と論じ合い、勉強している。昨年4月から金沢で創立123年を迎えたミッション系の北陸学院が4年制大学を新設、こちらに移った。

前任校(東洋英和女学院大学)では、「老人福祉論」の受講生は、必須科目である福祉学科の学生よりも選択科目の他学科・他学部の学生の方が多かったという。なぜなら、自分たちの祖父母が何らかの形で介護が必要な時期を迎えており、孫である彼女たちも「老人福祉」に関心を持たざるを得なくなったからだ。

人間はいずれ死ぬ。死が免れ難い以上、そこに至る老齢も避けて通れない。人は生きている以上、誰もが老人になり、やがて介護を必要とする。

いま、高齢者施設の人手不足は深刻だ。東京では施設の半分が閉鎖状態のところもある。仕事がきつく、給料が安く、現場で働く人たちの将来への希望も見えない。そんなこともあって大学の福祉学科は人気に翳りををみせている。前任校もそうだが、社会福祉のルーツ校・日本女子大でも縮小を検討している。

本当は逆ではないのか。いまこそ国は福祉現場の安定した将来を考え、大学は指導的立場に立つ人材の育成に力を入れるべきではないか。

《少子高齢化を叫ぶが、ますます深刻化してきた高齢社会への対策は具体的にはまだまだ進められてはいない。学生たちも、大学は卒業しても就職は多くのものには楽な一般事務職が一番人気だ。やがて結婚をしても夫ともども親を捨て、老い行く親たちは他人任せとなる。それも海外から国籍の異なる人たちに任せて終わりだ。現実は海外労働力に頼る。これがせいぜいのところ国が打っている対策だ。早瀬がいう、東洋英和女学院の学生のように、問題意識を持つ女性もいるようだが、日本女子大のように社会福祉、老人福祉にかかわる人材育成を放棄するような施策を打とうとする大学もある。》

福祉学科の学生たちは社旗福祉士の国家試験を目指す。専門科目を履修し、180時間の実習をする。早瀬は学生たちに、実習に行く前の1年の夏休みにヘルパー2級程度の資格を取るよう勧めている(一定の講義のほか、3級8時間、2級30時間、1級84時間の実習が前提)。そうすれば、実際に実習に行った時、戸惑わずにすむからだという。

北陸学院では、さらに一歩進めて福祉学科以外の学生にも何らかのボランティアに行くよう求めている。いずれ義務づけるべきだと考えている。アルバイトに明け暮れているとまでは言わないが、学生には時間がたっぷりある。大学生には何らかのボランティアを必須授業として課すべきだと思う。大学生だけではなく、時間にゆとりのある団塊の世代の定年退職者にも、積極的に高齢施設で介護の現場に接してほしい。出来れば資格も取ってほしいと早瀬は述べる。

高齢者はますます増える。65歳以上の老齢人口は、1950年に総人口の5%だった。05年に2567万人(20%)、2055年には、3646万人(41%)に達すると推定される。一方で30代の独身率は40%に近づいている。「老老介護」とともに、独身者が自分の親をみる「シングル介護」も増加している。いずれにしても、祖父母か、親か、自分の介護が必要になる。

30年前とは老人ホームへの偏見は減ったが、入所は厳しくなる一方だ。首都圏や近畿圏など大都会の施設だと待機者200人、300人はざらである。高齢者を取り巻く環境はむしろ厳しくなっている。誰もが介護の手ほどきは受けておかねばならない現状にある。

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