小中校への携帯持ち込み禁止通知
20日に「『学校に携帯』禁止指針」を取り上げて隔靴掻痒を、続いて23日に「労而無功」で、効果のない携帯使用法の指導を書いた。どちらもターゲットを見誤っているからだ。教育しなければならない相手は、子どもではなく、その子どもに携帯を持たせている親、保護者であることに目を瞑っているからだ。そして、親や保護者自身に携帯への危険性の自覚がなく、その親への教育ができないのなら、子どもには全く不要の携帯など持たせるべきではないのだ。
毎日新聞(1/31)から、 《 》内は私見
文部科学省は30日、子どもの携帯電話について、小中学校への持ち込みを原則禁止すべきだとする指針を都道府県教育委員会などに通知した。
《高校についても同様禁止すべきだと思うが、文科省は遠慮勝ちに次のような表現にとどめている。》
高校については
▽授業中の使用禁止
▽校内での使用禁止 などの例を示し、
持ち込み禁止も考えられる、とした。
各教委や学校に、指針に沿った指導を求めるとともに、保護者らに積極的に働きかけ、学校外でのルール作りを促すことも求めた。
文科省はまた、昨年12月1日現在で全国の公立校の状況を調査。小学校(2万1800校)の94・2%、中学校(1万45校)の98・9%で持ち込みを原則禁止していた。
〈各学校が定めているルール(単位 %)〉
小学校 中学校 高校
持ち込み原則禁止 94・2 98・9 19・9
校内使用禁止 0・9 0・2 17・9
授業中使用禁止 0・05 0・1 56・7
校内で一時預かり 0・5 0・4 0・8
得に定めず 3・7 0・4 0・9
その他 0・8 0・1 3・8
(4捨5入の関係で小中学校は合計が100%にならない)
《どういうことだ。文科省がやろうとしていることは、何の役にも立たないことが分かっている同じことをやろうとしているに過ぎない。ほとんどの小中学校ですでに実施していることが把握できたにも拘わらず、何の効果もなく問題が広がり続けていることの繰り返しだ。文科省が通達を出すだけで、歯止めがかかるとでも思っているのだろうか。持ち込み禁止では歯止めが効かないところに来ていると考えないのだろうか。》
会見した塩谷立文科相は「本当に持ってきていないのか、実態を調べる必要がある」とした上で、「家庭や地域の取り組みも重要。個人的には小中学生に持たせなくていいと思うが、親はなぜ持たせるのか、意味があるのかをもう一度考えてほしい」と訴えた。
通知は「携帯電話は学校における教育活動に直接必要ない」と明記。ただし、小中学校で緊急連絡手段としての持ち込みを保護者が校長に申請した場合、登校後に学校で預かることなどを条件に認められるとした。
《それは問題になる懸念がある。学校側が、生徒から預かった携帯を、何らかの理由(危機管理等)で覗き見をする可能性がないとは言えないからだ。また、貴重品預かりの厳重保管をした場合、緊急の呼び出し音を聞き取れることも必要だ。》
さらに、学校や教委が情報モラル教育を充実させることや、保護者に携帯電話の危険性やフィルタリング機能などを説明する機会を設けるよう求めた。また文科省は、携帯電話の留意点などをリーフレット225万部を作成。近く全国の小6と保護者に配布する。
《訴求力は極めて小さい。説明書をこまごまと読むことを求める方に無理がある。普通携帯に限らず電化製品などを購入すれば注意事項はだらだらと羅列してあるだろう。所謂「取説」というやつだ。殆どの人はこれは読まない。それでも普通に使用することに殆ど不便はない。その結果だ、抜本的な対策が遅れているあいだに、子どもたちへの被害は広まる一方だ。》
〈4月から有害サイト規制法が施行される。〉
子どもの携帯電話を巡っては、有害サイトに接続できないフィルタリングサービスなどの対策も進んでるようだが、4月には携帯亜電話会社に対し、18歳未満の利用者全員へフィルタリングサービスの提供を義務づける有害サイト規制法が施行される。しかし、警視庁によると、08年に児童買春などの被害に遭った130人のうち、中高生に人気の自己紹介サイト(プロフ)などの一般サイトがきっかけだったケースが82人に上った。プロフの多くはフィルタリングの対象外。対象となる出合い系サイトがきっかけなのは48人で、対策の外側で被害が多い。
全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長は「携帯は包丁と同じで使い方次第で凶器にもなる。情報モラル教育が重要だ」と訴える。
東京都町田市の市立和光中は、一昨年から1年生の総合学習で専門家の講演を聞いたり、有害性について生徒に討論させたりしている。全校の所持率は8〜9割。遠方から通う生徒も多く、携帯の持ち込みは許可している。佐藤英次教諭は「だめと抑えつけても意味がない。有害性について自分達で考える環境づくりが大切だ」と話す。
昨年、1年の生徒が別の生徒に匿名で中傷メールを送る事態が起きた時、1年生全員に感想を書かせ、全員に配った。批判の意見が並んだ。メールを送った生徒は教師に名乗り出て、相手の生徒に謝罪したという。教諭は「取り組みが浸透してきている」と手ごたえを感じているという。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こうべいさんこんにちは。
私がこの携帯電話の問題で最も腹立たしいのがドコモを初めとする携帯電話会社と、出会い系などのサイトを運営、管理をするプロバイダー、ネット接続会社、関係官庁です。
これだけ子供の携帯電話などでのイジメ、売買春があり、振込詐欺、ネットを通して殺人の依頼まで進んでいるのに、対策の多くは利用者に被害に遭わないよう呼び掛ける位です。
中学校に携帯やパソコンでのネットの使い方などの講習にドコモの社員が来て説明するようじゃダメでしょうね。
実際に携帯持ち込み禁止としている学校でも、規則を破った子の携帯を学校側が預かったりすれば、その時間分を支払え!なんていいうどうしょうもないバカ親が居る事も事実で、現場の教師も大変だと思います。
売上を伸ばすためにはキッズケータイなんて子供にまで購買意欲を誘う企業にはうんざりです。
投稿: BEM | 2009年2月 1日 (日) 23時09分