ヒアルロン酸、しわ取りの自己注射はダメ
毎日新聞(1/11)から、 《 》内は私見
《ただのエチケットか美容か、或いはアンチエージングか自己満足か知らないが、飽くことのない女の造作いじりが続く。眉、瞼、眉毛からつけ爪、耳に穴をあけるなど、自分でできるごくごく初歩のものから、形成外科を伴う歯並び、顎、隆鼻、豊胸などの変形加工まで、女の満足を知らぬ追求は凄まじい》。
《昔から例えられる笑うと目立つ目の下の‘カラスの足跡’。シミ程度のものなら便利な化粧品もあるのだろうが、目立ってくると、誰でも気にし始める。それが、口の両脇の深い皺になると、嫌う女は多い。男性でも、高須クリニックの高須院長は何年か前、自らの口の両脇の皺を渡航して皮下注射で整形している。彼は商売上、自分の顔を実験台にしたものだった》。
インターネットで購入したヒアルロン酸を、自分で顔などに注射する行為が広がっているという。10日、東京都内で開かれた日本美容外科学会で、日本医科大の百束比古(ひゃくそくひこ)教授(形成外科)らが自己注射による後遺症例を報告し、「素人は絶対にやめるべきだ」と呼びかけた。
ヒアルロン酸は間接や真皮に含まれ、化粧品の保湿成分として使われる。美容クリニックなどでは、皺の下に注射して目立たなくさせる美容法が提供されてる。効果を持続させるには約半年毎の注射が必要だ。
神奈川県内の女性(36)は04年春ごろ、美容クリニックでこの注射を受け、口の両脇の皺に注入して約8万円払った。その後、費用がかさむため、ネットの掲示板で話題になっていた自己注射に興味を持った。
クリニックで使用していたものと同じメーカーのヒアルロン酸を、香港の輸入代行業者を通して1個約2万円で2個購入した。備え付けの注射器を使い、掲示板の体験談などをもとに07年12月、自分の頬や目の下に注射した。
「失敗しても半年で元に戻る」と考えていたが、2、3カ月後、注射した部分の一部が膨らみ、しこりになった。クリニックでヒアルロン酸を分解する注射を打ったがしこりはなくならず、皮下に引きつれが起きる「遺物肉芽腫症」と診断された。完全に元に戻すことは難しく、女性は「すごく後悔している」と話す。
香港の業者は「日本からは月に100件ほど注文があり、殆どは個人だと思う。医師の処方箋に基づいて使うという前提で販売しているので、自己注射に関する質問には、医師に相談するよう勧めている」と話す。
《自分が鏡の中の自分を気にするほど他人は他人のことは気にしていない。大したことでもないことなのに、気にし始めるとそればかりが目立って気になる。この女性は36歳ということだが、一体何歳まで皺対策に皮下注射を続けるつもりだったのだろう。長くても1年短ければ半年ごとにでも再び注入しなければ効果は消える。その度に自分の顔に針を刺して消さなければならないものなのか。50歳になり60歳になれば一層皺は増える。死ぬまで皺と戦い続けるのだろうか。それほど憎い皺なのに、費用がかさむだけで安上がりの方法に切り替えるとは。その結果は・・・、自業自得だ。》
注射を使うヒアルロン酸を輸入する際には薬事法の規制を受ける。しかし、厚生労働省によると、個人が少量を自分で利用する場合は所定の手続きを経ずに入手できるという。
百束教授は「ネットでは自己注射の利点ばかりが強調されるが、後遺症に加え、注射によるショック死の可能性もある。水面下にはたくさんの事故例があるのではないか」と警鐘を鳴らす。
《リスクを覚悟であれば何をしても勝手だが、痘痕も靨(あばたもえくぼ)とも言える。また、酒好きの日本人、「酔った目で見りゃすべたも美人」(ルンペン節)に見えるそうだ。しかし、何と言っても飾らない顔が一番美しいと思うのだが》。
| 固定リンク
« 交通死者減少というが | トップページ | 法二題 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント