レジオネラ菌、感染5倍
毎日新聞(1/7)から、 要約 と 《 》内は私見
重い肺炎の原因となるレジオネラ菌*の感染報告者数がこの5年間で5倍近く増えたことが国立感染症研究所の調査で分かった。菌を含んだ水滴を吸うと感染するため、ジャグジーや打たせ湯などを備えた施設の普及が背景にあるとみられている。
研究所が全国の医療機関からの報告をまとめた。現在の統計の取り方を始めた00年以降、ほぼ150人前後で推移し03年は147人だった。その後、毎年増え続け、07年に668人が確認され、昨年も9月末現在で686人を記録した。このうち、感染源が判明するのはぼ半数だが、いずれも大半は入浴施設の利用者という。昨年2月には、高圧洗浄機で足湯を清掃中の男性が、残り湯が霧状になった水滴(エアロゾル)を吸い込み感染したという。
* レジオネラ菌 - 1976年にアメリカのフィラデルフィアのホテルで米在郷軍人会総会が開かれ、その参加者が集団で原因不明の肺炎にかかったことから発見された。221名が発症、34名が死亡した。レジオネラのレジオは在郷軍人会(Legion)から病名としてつけられた。
大量の水を溜めて利用する場所でレジオネラが発生することが知られ、レジオネラ菌は空調などの循環水や入浴施設の打たせ湯やジャグジーのエアロゾルによる感染の危険性がより高くなっている。
X1000 赤色がレジオネラ菌
東京都衛生研究所のサイトから
Legionella pneumophila
(wikipediaから)
東京都によると、都内でジャグジーを備えることが多いスポーツ施設や温泉施設も最近は右肩上がりで、特に06年度は前年度比で12%増の1736施設となった。
レジオネラ菌は肺炎球菌に次ぐ重症肺炎の原因菌で、抵抗力の落ちた人は意識障害や四肢の震えなど重症化する。
菌は日常生活のどこにでも存在し、水温が36度前後で最も繁殖する。分析した倉文明主任研究官(細菌学)「こまめな消毒と清掃が発生防止になる。施設の利用者は、疑わしい症状が出たら早めに受診してほしい」と話す。
《流行と贅沢には無縁の我が家の生活ではジャグジーも加湿器も利用していない。また、水着を着用して入るような不潔な温泉には行きたくもないから、レジオネラ菌に感染することはまずない。ブログでも書いてきたが、風呂場は何十年も私が掃除をし、管理している。タイルのメジは家を建てて30年以上を経過したが今でも新築と変らず真っ白で清潔だ。》
《結婚するまでしばしば利用していた町の銭湯は、現在の入浴施設と違い、湯舟の他にはお湯と水が出る蛇口のほかには体重計か扇風機があるだけの質素なものだった。今では過剰なほどの設備、サービスが施され、お湯の中でも死滅しないレジオネラ菌は、澱んだ水の中で増殖し、給湯設備、循環式浴槽、人口の滝や噴水などが感染源となることもある。》
〈レジオネラ感染事例 - Wikipediaから)
▽1996年1月 東京都新宿区の大学病院で、新生児3名が発症し、うち1名が死亡した。加湿器が感染源と考えられた。
▽1999年6月 愛知県で自宅の24時間風呂で水中分娩したことにより新生児が感染し、死亡した。
▽2000年3月 静岡県掛川市内にオープンした総合レジャー施設内の温泉が感染源となり、23名が発症し、うち2名が死亡した。
▽2000年6月 茨城県石岡市にオープンした入浴施設が感染源となり、143名が発症し、うち3名が死亡した。
▽2002年7月 宮崎県日向市にオープンした温泉入浴施設が感染源となり、295名が発症し、うち7名が死亡した。
▽2002年8月 鹿児島県薩郡東郷町(現薩摩川内市)の温泉施設が感染源となり、9名が発症し、うち1名が死亡した。
▽2007年10月 新潟県新潟市で超音波式加湿器が感染源となり、男性1名が死亡。
▽2008年2月 昨年8月に鹿児島県指宿市内の足湯で、高圧洗浄機で浴槽を清掃していた男性1名が発症していたことが判明。全国初の足湯での感染に至った。
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