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2009年1月21日 (水)

首都圏のマンション発売、28%減少

本題に入る前に。
昨日の紙面に??と思わせるカタカナが目についた。『イチゴ狩りシーズン到来』(秩父地方)とある。旧い人間には苺が真冬に旬を迎えることに違和感を持ったからだ。ハウス栽培が季節を問わず野菜や果物の栽培を可能にし、日本人の四季の感覚を鈍らせることを促進させる働きをし始めた。真夏のギラギラした太陽の下で真っ赤に実ったトマトや胡瓜は今では真冬でも食卓に欠かせない。しかし、形は同じでも、それらが持つ味にいたってはお世辞にも「美味しい」「旨い」と言えるものではなくなった。トマトにいたっては口の中で味わう触感はなくなり、あの独特の強い香りをも失ってしまった。

もっとも夏の風物詩でもあったアイスキャンデーの類いは、今では寒い季節に暖かい家の中で食べることもでき、真冬でもスーパーやコンビニの売場から消えずに品も豊富に並んでいる。季節季節の移り変わりを味わいながら生活を楽しんだ日本人の季節感は疾っくに失われ、詳しくは知らないが、俳句の季語なども恐らく様変わりを迫られているのではないかと思う。

 苺に話を戻せば、春が過ぎ、初夏が来るのを待ちわびた子どもの目には、真っ赤に色づいた苺がいつ自分の口に入るのかを、果物屋さんの前を通りながら買ってもらえる日を心待ちしていたのを思い出す。6月ごろだ、静岡県産の石垣いちご(南向きの暖かい丘陵に並ぶ石垣を利用した自然栽培だった)が関西の八百屋にも届けられていた。ほんの短い旬の期間だけの味だった。つづいて蝉とアイスキャンデーの夏がやって来るのだった。今はない四季の移り変わりが生活の中にあった。

毎日新聞(1/20)から、
 不動産経済研究所20日発表した08年の首都圏の新築マンション発売戸数は、前年比28・3%減の4万3733戸に落ち込んだ。減少幅はバブル崩壊時の91年(34・5%)以来の大きさで、5万戸を割り込んだのは93年以来15年ぶり。過去最多の00年(9万5635戸)に比べると半分以下の水準となった。

価格の高止まりで消費者が購入を手控えたのが主因。年前半は、改正建築基準法の影響が残り、後半は金融機関の融資姿勢の厳格化も影響した。

一戸当たりの平均価格は前年より2・8%高い4775万円と、6年連続の上昇。売れ行きを示す契約率は7・0ポイント低下し62・7%と、好不調の分かれ目の70%を2年連続下回った。年末の在庫は1万2427戸と、月次ベースでは約24年ぶりの高水準。

地区別の発売戸数は、東京都区部5・8%減、都下43・6%減、神奈川県30・5%減、埼玉県33・3%減、千葉県44・0%と全地区で減り、特に郊外の落ち込みが目立った。同研究所は、市況回復には価格が地価高騰前の4100万円程度まで下がる必要があるが、大量の在庫があるため時間がかかるとみている。

09年の発売戸数は前年比7・5%増の4万7000戸にとどまると予想した。同時に発表した08年12月の発売戸数は前年同月比18・2%減の6696戸で、16カ月連続の前年割れだった。

一方、近畿圏の08年の発売戸数は前年比24・7%減の2万2744戸。12月は前年同月比30・4%減の2013戸だった。

《日本経済の面からみれば、景気の衰退に伴うマンション発売の減少は困った問題だが、私流に言えばマンションなどは営利主義で作り過ぎた余計なものだ。この先日本の人口は減少の一途を辿る。いまある数だけでも売れ残ったマンションは数年もすればスラム街に変身する。加えて晩婚、結婚しないでパラサイト・シングルで親と同居したりニートなど、或いは親の高齢化が進む中で介護のために親との同居をする人たちも出てきたようだ。したがって新築マンションを必要としない人口が増えて来たと言えるだろう》。

《家付き、カー付き、ばばあ抜きから別所帯を始めることで家族の新しい形態とも言える核家族化が日本古来の家族制度の崩壊を招いたが、格差社会が進む中、マンションのような高い買い物をして何十年も高額の返済に追われ、苦しい苦しいと言いながら、好き好んで苦労することはない。昔の家族のように何世代もが一つ屋根の下で、それぞれの世代が助けあう生活を始めればよい。戦後のこれまでの核家族化の現象に歯止めをかけることで、日本本来の家族団欒の再構築を期待したい》。

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