「育児・介護休業法」改正案
毎日新聞(12/6)から、 《 》内は私見
厚生労働省は、短時間勤務や残業免除の制度導入を企業に義務付けることを柱とする育児・介護休業法*改正案の骨格をまとめた。
3歳未満の子を持つ従業員が希望した場合、この制度に沿った短時間勤務をさせることや、残業を免除することを盛り込む。仕事と子育ての両立支援が目的で、来年の通常国会に改正法案を提出する考えだ。ただ、経済界は反発しており、法案化に向けた最終調整が難航する可能性もある。
*【育児・介護休業法】
95年に育児休業法を改正し成立した。「仕事と子育ての両立支援」を進めるため、従業員から育児、介護休業の申請があった際の授業主の義務や、休業の条件などを規定。当初は努力義務だったが、99年度以降、全事業所に義務付けられた。05年度には、育児休業期間の延長、介護休業の取得回数制限緩和などの改正が行なわれた。
現行法は、
1)短時間勤務
2)残業免除
3)託児施設の設置
4)フレックスタイム(変形労働時間制)導入
5)1歳以下の子どもを対象とした育児休業
の六つの両立支援から一つを選んで導入することを企業に義務付けている。
厚労省が今年度、小学校就学前の子を持つ働く母親を対象に、六つの制度のうちどれを一番希望するかを聞いたところ、
1位が短時間労働
2位が残業免除で、二つ合わせて7割を超えた。
これに対し、
短時間労働を採用した企業は 31・4%
残業免除は 23・2%に過ぎなかった。
このため、この二つに関しては、選択式とせず単独で義務付けることにした。
短時間勤務の基準について厚労省は、1日6時間程度を想定している。ただ雇用期間が1年未満だったり、短時間勤務が困難な職種は、労使協定で対象から除外できるようにする。残業免除も「事業の正常な運営を妨げる場合」は、請求を拒否できる規定を設ける。
現在は子どもが「1歳になるまで」取得できる育児休業について、「1歳2カ月になるまで」へと、2カ月延長する案も盛り込んでいる。
参照 スウェーデンンの子育て 08/02
《識者が好んで参考にするスウェーデンでは、480日(16ヶ月)の育休とそのうち1カ月は男性が取らねばならない、とされている。今回の改正案にいう短時間勤務(6時間だろうと)や残業免除で退社したところで、親と子との接触は親が働いている間、他人(保育所、託児所など)に預けていれば、睡眠時間など考えれば、実際に親と起きて生活がともにできるのは1日24時間のうちせいぜい8〜10時間程度だろう。1日中一緒にいられる育休と比べれば、そこに生まれる子育の質の差は歴然だ》。
《特に母親を必要とする乳幼児期にあっては、片時でも母親は子どもから離れることは良くない。それを解決するのが企業内の託児施設の設置だ。乳房を持たない男性の育児のための休業が何の役にも立たない時期だ。男がこの期間に1週間や2週間の育児休暇を取っても「屁の突っ張りにもならない」。改正案では育児休業期間を420日への延長とする。しかしその間、スウェーデンのように国家による80%の給与保証のない日本では、育児休暇を取るよりは、各企業に託児施設設置を義務づける方が子どもにとっては余程喜ばしいことだ。育児は母親や父親の側から見るのではなく、子どもの側から見るべきものではないだろうか》。
改正案ではこのほか、介護を要する家族が1人の場合は年5日、2人以上なら10日の介護短期休暇制度の創設も検討している。
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