たばこ増税、痛し痒しで調整難航
毎日新聞(12/6)から、 《 》内は私見
09年度税制改正論議で、たばこ税の増税が争点となっているようだ。政府は09年度予算で小泉政権以来の社会保障費の自然増2200億円圧縮方針を転換。1本当たり3円のたばこ税増税で1000億円超を確保し、その分、社会保障費の圧縮幅を緩める考えだ。
しかし、日本たばこ産業(JT)など業界が猛反発。自民党税制調査会(津島雄二会長)では「たばこの販売数量は減少しており、値上げしても期待どおりの税収増は見込めないのでは」(幹部)と疑問の声が強く、調整は難航しそうだ。
「たばこ税を引き上げないと予算編成が難しい。財務省も協力をしてほしい」、と舛添要一厚生労働相は4日、09年度予算編成に向けた閣僚折衝で中川昭一財務相に協力を求めた。厚労省は、たばこ税を1本当たり1円(1箱20円)上げれば、約400億〜500億円の税収増になると試算した。2〜3円値上げで1000億円超を確保できると皮算用する。
《舛添もおかしなことを言うものだ。なぜ、たばこ税に限って上げないとならなのか、説明できるのか。世界的に嫌煙の風潮が後押ししてくれるからとでも安易に考えてのことだろうか。まさか、税制度の違いも理解できずに、欧州並みに日本のたばこは安すぎるとトンチンカンを言う奴らと同じように考えてのことではあるまい。若しもそうならば、たばこ税だけではなく、依存性の強い飲酒による自動車事故(殺傷)の多いことも考えれば、併せて(アルコール)酒税を増税すればいい。もっと楽に税増収が望めるが。それとも、酒税に触れないのは未だにバカの一つ覚えのように『酒は百薬の長』とでも考えてのことだろうか》。
一方、自民党税調はたばこ税増税に慎重ムードだ。住宅ローン減税など大型減税が目白押しの中、愛煙家だけに重い負担を求めるのは難しいとの考えがある。さらに、「大幅値上げでたばこ離れに拍車がかかれば、金の卵(税収)を産むニワトリを殺しかねない」(幹部)との懸念も強い。紙巻きたばこの年間販売数量が約2500億本と、10年間で1000億本近く減少しているからだ。
06年7月に1本約1円増税した際は、06年度税収こそ前年度比約500億円増えたが、07年度には減少に転じた。5日の自民党税調幹部会でも、津島会長は「たばこ税と社会保障をつなげて議論するつもりはない」と表明、たばこ税の大幅な引き上げに慎重姿勢を示した。
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コメント
税の公平性という観点からもタバコ税だけを上げるのは不適切で全体像を見ないで小手先で財政論議する政治家は政治家として失格だと思います。
投稿: Y | 2008年12月 9日 (火) 20時09分
YIさん コメントありがとうございました。
短絡的で場当たりなタバコ税課税案はどうやら見送りになるようです。麻生も「オレはタバコ税課税を指示してはいない」(12/11)と、自民党税調へ指示したことはお忘れの様子。
社会保障費の不足は真っ正面から消費税問題として取り組む強い態度こそ必要だろうと思います。
投稿: 小言こうべい | 2008年12月11日 (木) 16時20分