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2008年11月10日 (月)

臓器移植に関する世論調査

毎日新聞(11/9)から 要約 と 《》内は私見
 内閣府は8日、「臓器移植に関する世論調査」を発表した。
調査は98年から2年に1回実施され今回で6回目。9月に全国の成人男女3000人を対象に面接方式で1770人から回答を得た(回収率59%)。

 現在は認められていない15歳未満の臓器提供の意思確認について、「適当な判断ができないので、公正な第三者(家族を含む)が代わって判断すれればいい」との回答が44・2%(06年11月の前回比5・5ポイント増)となり、初めて4割を超えた。ただ、「本人の意思を尊重すべきだ」も26.2%あった。

《医療の進歩もあり、長寿大国になった日本では切り刻める死体の数が足りない。数を増やすためにはどうすればいいか、本人でなくても家族を含む誰かの同意さえ貰えれば、死体を切り刻むことにするための策略だ。私は基本的に臓器移植には反対の立場であることはブログでも書いて来た。2005年5月の臓器移植、2007年10月の「長期脳死児」(診断後1カ月以上)60人、2008年5月の臓器移植、国内完結で、など。》

《そもそも臓器移植法(正称は「臓器の移植に関する法律」)の見直しは2000年10月から始まっていることだ。その概要で、「脳死したものの身体」を「死体」に含むという解釈の画期的な内容や、臓器売買の禁止、脳死移植の容認を遺言の一種であるという解釈から年令は、民法上の遺言可能年令に準じた15歳以上となっている。これでは死体の数が足りない、として15歳未満までの年齢引き下げを狙ったものだ。》

現行の臓器移植法は、脳死判定を受けた15歳未満の人からの臓器提供を本人の意思表示の有無に拘わらず一切認めていない。15歳未満からも「提供できるようにするべきだ」との回答は、前回比で1ポイント増の69%であった。

臓器提供意思表示jカードやシール、意思表示欄のある医療保険の被保険者証については、「持っていない」前回比0・5ポイント減の91・6%で、「持っている」の8・4%を大きく上回り、普及が進んでいない。

《提供はその人の宗教観や死生観にも左右されること、命と引き換えの提供に対して「普及が進んでいない」との軽い言葉で現されることこそ臓器提供者を単純に「死体」としてしか見ていない証拠だ。2007年11月16日付毎日新聞「記者の目」で、大場あい(科学環境部)が同法の“改正を急ぐな”との記事を載せた。『臓器提供を受けて助かる人がいる反面、07年6月、息子が心停止後に腎臓を提供した母親(67)から「ドナー(臓器提供者)やその家族は使い捨てにされている」と訴える手紙をもらったこと、臓器を売ってもうけたなどの噂を立てられたが、「どこにも助けの求めようがなかった」という内容だ。』ドナー家族を思いやる気持ちなしには、移植医療は成り立たない。日本では、そのドナー家族へのケアが不足しているという。》

97年に施行された現行法は、本人(15歳以上)が脳死での臓器提供意思を生前に書面で示していた場合に限り摘出を認めている。そのため、脳死移植でしか助からない子どもは海外に渡って移植手術を受けざるを得ない。

《移植医療推進を求める患者団体は、「あなたの愛で助かる命があります」と、「愛」という名で「死体」を募集する。だが、食うに困る貧しい国の子どもたちを助けるために、ユネスコが、何人もの命が助かる僅かの募金を呼びかけている。私の「愛」はそちらを優先する。》

現状を打開するため、複数の改正案が国会に提出されている。提供可能年令を「12歳以上」に引き下げ、本人の意思表示がある場合に限り提供できるとする案のほか、「脳死は人の死」定めることで、年齢に拘わらず意思表示を不要にして提供増加を目指す案などが、衆院厚生労働委員会で審議されている。

大場はいう、『法改正は、脳死からの臓器提供の増加が狙いだが、ドナーという第三者の死が前提となっている。 法律が変わったとしても、その数には限りがある。米国では06年、8000人以上が死後(脳死を含む)に臓器を提供し、2000人以上が心臓移植を受けた。だが、移植を待つ患者は約10万人に達し、ドナー不足は深刻なままだ。日本の待機患者は約1万2000人と米国より少ないが、法改正でドナー不足が解消されることはないだろう。

その現場を踏まえたうえで、臓器移植を定着させるためには、ドナー家族に「使い捨てにされた」などと決して感じさせないような支援と、国民の疑問に答える地道な活動を続けていくしかない。こうしたことが不十分なまま、法改正を急げば、逆に国民の不信を招くことにもなりかねない。』と。


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