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2008年11月14日 (金)

妊娠・出産時に脳出血が多いのはなぜ?

毎日新聞(11/7)質問欄:なるほドリ から
 10月に、妊娠中の女性(36歳)が病院の受け入れが遅れ、脳出血で亡くなったが、妊娠や出産に関連して亡くなる女性はどのくらいいるのだろうか。日本産婦人科学会の04年調査では、12万人の妊婦のうち32人が死亡している。脳出血は4人。91〜92年の国の妊婦死因調査によると、出産時の出血性ショックの38%に続き、脳出血が10%で2番目だった。最新の国の調査では、06年に少なくとも39人が妊娠・出産に関連して脳出血を起し、7人が死亡している。

『06年8月の奈良県で、妊婦が19病院に受け入れらずに脳出血で死亡したことから、厚生労働省の研究班(主任研究員=池田智明・国立循環器病センター周産期科部長)が、全国1107病院を対象に06年1〜12月に、妊娠中か産後1年以内に脳血管障害を起したケースの調査を行なった。

それによると、お産に関連して脳血管障害を起した妊産婦が06年には少なくとも184人いて、このうち10人が死亡したことが分かった。184人の内訳は
 脳出血・・・・・・39人
 くも膜下出血・・・18人
 脳硬塞・・・・・・25人 など、
 妊娠中の痙攣、高血圧で嘔吐や意識障害が起きる
  高血圧性脳症・・82人
また、死亡の10人のうち7人が脳出血だった。』

Q、妊娠・出産と脳出血ってどういう関係があるのですか。
A、妊娠中は、おなかの赤ちゃんに酸素や栄養を送るため、お母さん側の血液の量は妊娠前の1・5倍程度に増えます。また、出産時には赤ちゃんを外に出してあげるために息みます。その時に頭に血液が集中して血管に負担がかかることがある。

Q、危険を減らすには、どんなことに気をつければいいのだろうか。
A、妊娠前から脳の動脈に異常な膨らみ(動脈瘤)があったり、妊娠高血圧症候群になるとリスクが増すと言われている。実際に国の調査では、妊娠・出産に関連して脳出血を起した39人のうち、26%に妊娠高血圧症候群が認められている。軽い運動と規則正しい生活で、高血圧症候群を予防することが大切だ。

Q、妊娠・出産に関連する日本の死亡率は、他の国に比べて高いの・低いの?

《他国と比べることがそれほど意味のあることなのだろうか。》

A、お産は20世紀半ばに帝王切開の安全性が確立するまでは、女性にとって命の危険を伴うものだった。1900年の日本では、10万人当たり436人の妊婦が死亡している。同じ時代の英国は10万人当たり450〜500人で、日本とあまりかわらなかった。英國や米国は1940〜50年代に急激に死亡率を改善させたが、日本は大きく遅れた。先進諸国のレベルに追いついたのは90年代に入ってからだ。

Q、では、今は。
A、世界トップレベルといわれる。高い技術とともに、小規模な地元の病院と大きな病院との連携が、低い死亡率を支えている。ただ、この連携が崩れると、レベルの維持は難しくなってしまう。

《冒頭の36歳の女性が初めての妊娠なのか分からないが、近年は高齢出産が増えている。多くが10代のころから出産していた時代の女性は、初産こそつらくて息みはしたであろうが若くて強靱な力があった。35、36歳までには何回もの出産を経験し、比較的安産で初産程は息まなくて済むケースが多かった。私の母は私が中学生のころ、9番目に当たる弟を出産した(長女、次女は早世していた)。朝、私が学校へ出かける直前まで家で帚がけをしていた。「行ってきます」を言おうとしたとき急に、母が祖母を呼んだ。「お婆ちゃん、産まれる」。当時は取り上げ婆さん的な女性がいて素人ながら出産経験者が産婆の資格を持たないままに、出産の面倒を見ることがまだ行なわれていた。すぐに母を横に寝かせた祖母が母の蒲団に近づいたと思ったが、すぐに弟の産声が聞こえていた。その声を聞いて勢い良く玄関を飛び出したことを鮮やかに覚えている。

《高齢出産は特に定期健診で妊娠高血圧症候群の早期発見が必要だ。「出産の高齢化で高血圧や肝臓、腎臓病など素地のあるケースが増えている」と関博之教授(周産期学)は指摘している。》

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コメント

私には、2人子供がおります。1人目の時に1100cc出血しました。2人目の時は、出血が怖くて、担当医に「帝王切開がいいのです。」と話したら「大丈夫でしょ。」で普通分娩となりました。結果、脳出血しました。いかがでしょうか?

投稿: 大和田 | 2019年8月25日 (日) 02時18分

私には、2人子供がおります。1人目の時に1100cc出血しました。2人目の時は、出血が怖くて、担当医に「帝王切開がいいのです。」と話したら「大丈夫でしょ。」で普通分娩となりました。結果、脳出血しました。いかがでしょうか?

投稿: 大和田 | 2019年8月25日 (日) 02時18分

私の妻も、今月22日にくも膜下出血からの水頭症で亡くなりました。
破水し病院に搬送後、意識混濁なりくも膜下を発症、その後命には別状ないとの医師からの説明後。自然分娩し子供を死産。
その1時間後に呼吸停止になり緊急手術になり翌日脳死判定になりました。
妻は24才、経産婦で2人の子供がいました。
死因はくも膜下出血及びHELP症候群です。
なぜ医師が帝王切開しなかったのかわかりませんが!後の説明で帝王切開でも出血多量で助からないとの説明でした。
まだ妻を亡くして1週間ですが救えなかったことを悔やんでます

投稿: 野澤 良 | 2020年9月30日 (水) 19時51分

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