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2008年11月15日 (土)

大麻汚染というが

毎日新聞(11/14、15)から 要約
 大学生が、大麻の所持や栽培などで逮捕される事件が全国で相次いでいる。15日には早稲田大学(東京都新宿区)の男子学生(21)が自宅で大麻を栽培していたとして、大麻取締法違反(栽培)容疑で関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕されていたことが分かった。大麻を巡っては、慶応大や同志社大など伝統校の学生に加え、芸能人や力士、プロテニス選手、歯科医まで若年層を中心に摘発対象者の範囲も広がり、社会問題化している。背景には、手に入れるだけなら規制されない「種子」のあり方や、他の違法薬物と比較して吸う際の心理的なハードルが低いなど、大麻特有の事情があるようだ。

慶大と法政大では、いずれも男子学生2人と5人がそれぞれキャンパス内で大麻を売買したり吸引していたことが発覚。同志社大でも、女子学生(22)が知人の元関西学院大生や交際相手で密売人のブラジル人の男から大麻を入手し、250回以上使用したことが公判で明らかになった。

ほかにも、関西大の男子学生1人が所持で逮捕されているほか、関東学院大ラグビー部の部員2人(当時)が、インターネットの雑貨店のサイトで購入した種から大麻草を栽培したとして有罪判決を受け、他の部員12人=不起訴=も吸引を認めた。警察庁によると、大学生の検挙者数は07年は92人で、前年に比べて19人増加した。今年上半期(1〜6月)は42人となっている。

また、警視庁によると、栽培行為で立件されたのは08年度上半期だけで91件73人。前年同期比D18件23人も増えた。背景にあるのは法規制の「限界」だ。同法は栽培を禁じているが、種子の所持には罰則がなく、飼料用などとしては売られているのだ。それについて厚生労働省監視指導・麻薬対策課は「種には有害な成分がないから」と説明する。業界の事情に詳しい男性によると、種を売る店は最盛期には全国に約100店あったが、都内や大阪の輸入業者の相次ぐ摘発のため、姿を消したという。

薬物依存症の患者約100人が入院治療を受けている群馬県渋川市の薬物・アルコール依存治療施設「赤城高原ホスピタル」(竹村道夫院長)。その1人で、神奈川県から来た女性(28)は、この秋入院したばかりという。

5年前、知人に勧められ大麻を吸った。「心と身体がふわっと軽くなり、ストレスや疲れが吹き飛んだ」。覚醒剤などで出る幻聴や被害妄想などの強い副作用もなく、週に1度、知人と楽しんだ。その後、トラブルやストレスが嵩じて回数が増え、数ヶ月後、吸った直後に自宅マンション4階から飛び降りた。「吸ったら死にたくなり、やけになった」という。全身6カ所を複雑骨折しながらも命は取り留めた。退院後、大麻はやめたが、新たに睡眠薬や精神安定剤などの大量服用を繰り返して依存状態になったという。「大麻を使わなければ、こんなことにはならなかった。心も身体もボロボロ。今は後悔だけ」と女性は振り返る。

竹村院長によると、最近の入院患者の5割近くが大麻使用の経験があった。同院長は「以前はシンナーをきっかけに覚醒剤の依存に行き着くケースが多かったが、最近は大麻がきっかけという患者が急増し、特に10〜30代の若者に目立つ」と指摘した。

若者の心理に詳しい野田正彰・関西学院大教授(精神病理学)は「大麻を使うのは経済的に恵まれた若者が多いように思う。社会や他者に無関心で人生の目標も見いだせないままの若者が、生きている実感や感覚的な刺激を求めてた大麻に走っているのではないか」とみている。

今春慶大を卒業した男性会社員(24)は「在学中吸っていた。学内での大麻のやり取り? そんなのたくさんいるでしょ」という。

大麻の依存性について05年5月のブログ酒とタバコ その三 で簡単に触れた。ヘロインやアルコールの依存性に比べれば、マリファナの依存性はずっと低いものだ。それなのに、なぜ、大麻(マリファナ)が違法薬物に指定されているのか。解除して蔓延した結果、酒やタバコと同じように、7兆円前後の経済損失が発生するようでは困りものだが。

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