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2008年11月17日 (月)

客寄せパンダで終わるのか

毎日新聞(11/17)朝、夕刊から 
09年4月にスタートするプロ野球・関西独立リーグ*のドラフト会議が16日、大阪市内で行なわれ、神奈川県立川崎北高2年の吉田えり(16)=横浜市都筑区=が「神戸9(ナイン)クルーズ」から7位指名され、男子選手と一緒にプレーする国内初の女子プロ野球選手(投手)となる。

 * 関西独立リーグ ・・ 四国・九州アイランドリーグ、BCリーグに次ぐ国内3番目の独立リーグとして来年4月の開幕を目指す。大阪、神戸、紀州(和歌山)、明石(兵庫)の4チームがあり、今後、滋賀、京都などを加え8チームにする構想がある。1球団が20人のプロ選手と契約し、年間72試合を行なう。コミッショナーは石毛宏典氏(選手として西鉄〜西武〜ダイエーを経てオリックス監督 52歳)。石毛は「リーグが女子野球の受け皿にもなればいい。野球を続けたいという彼女の純粋な思いを大事にしたい」と話していた。

関西独立リーグは2〜4日に合同トライアウトを開催し、400人が参加した。吉田はシート打撃や紅白戦で述べ打者8人に対して無安打と好投し、約10倍の難関をくぐり抜けて合格した。

元阪神の中田良弘監督は「話題性よりも、紅白戦で結果を出したことが一番の決め手。下半身を鍛え短いイニングから起用していきたい」「下からナックルを投げるのは難しい。本当に揺れながら落ちるし、おもしろい戦力になる」と期待を込めている。

プロ野球は興業であり、話題先行との見方もあるが、吉田は実力で夢への切符を勝ち取ったといえるようだ。吉田の得意とする球は右下手からのナックルだという。中学3年のころ、テレビで米大リーグ、レッドソックスのティム・ウェークフィールドの投球を見て「大して体力がいらないんじゃないか」自分は「走るのが苦手なんで」と真似たという。素顔は身長155センチの、女子高生。《国内には1950年〜52年に日本女子野球連盟の下、女子プロ野球があった。一時は20チーム以上もあったが、資金難や興業トラブルなどを理由にアマチュア化されている。》

参照 女子野球 06/09
   続・女子野球 08/09

男女雇用機会均等が叫ばれる中、91年に野球協約が改正され、プロ野球への女子選手の参加が認められ、プロ球団の入団テストを受ける選手も現れた。女子選手について、体力面の不安や危険性を指摘する声はある。ただ、今回のトライアウトにソフトボールの実業団トップクラスの選手が参加するなど、女性にとって潜在的な関心は高い。吉田の活躍如何では、運営面で独自性を追求する独立リーグが、女子選手の思いを実現する場として定着する可能性はある。

非常に楽観的な感想だが、男と女の性差は決定的なものだ。ナックルがひょろひょろと動き、落ちたり逸れたりして打者8人を無安打に抑えたというが、彼女が放るナックルが落ちるのは体力の不足から来るもので、彼女自身が言うように、「走るのが苦手」で足腰が弱くても、下半身の「体力がなくても放れる球」だからだ。身長155センチの小柄な身体では、テスト生は無安打で抑えられても、少なくとも日本プロ野球の2軍レベルの独立リーグの正選手を相手では通用するものではあるまい。もの珍しい間は通用するだろうが、すぐにベンチを暖めるだけの飾り物になるだろう。

プロ野球の世界にも小柄な選手の入団は確かにあった。しかし、活躍の場はないに等しい存在で消えて行った。それでも男のスポーツの世界で155センチとは小びとに等しい。どこまで続くかは分からないが、はっきり言って、客寄せパンダで消滅していくだろう。どうしても野球がやりたいのなら、女子野球連盟を立ち上げることだ。

別の角度から考えても今回の女性1人の参加は、日常生活の点からも、女であることの特殊性はあらゆる面で煩わしいものとなるだろう。走り込みなど厳しい訓練、怪我、トイレ、ロッカールーム、休憩室、シャワールーム、宿泊先、などなどだが、吉田が所属するチームだけでおさまる範囲ではない。興行先、宿泊先の施設、設備等においての適応が求められることになるのだ。

男女雇用機会均等法は野球の世界(選手として)で適用しようとしても無理な話だし、試みても決して成功はしない。

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