日本は眼中にない米、「北朝鮮テロ指定」解除 - 2 -
毎日新聞(10/12)から 要約と(《》内は私見)
米国務省は11日午前11時(日本時間12日午前0時)、北朝鮮のテロ支援国家*指定解除を発表した。北朝鮮が申告した核計画の検証を巡る対立で先送りしていた指定解除をしたことで、北朝鮮は寧辺の核施設再稼働に向けた作業を中断し、核施設無能力化を再開するとみられる。解除に慎重な対処を求めていた日本政府は押し切られた形となった。
* テロ支援国家 -- 米国務長官が国際テロ年次報告書で指定した国々を一般的にそう呼ぶ。最新の07年度版では北朝鮮のほかに、キューバ、イラン、スーダン、シリアの4カ国を指定。指定解除には
1、過去6ヶ月間に国際テロを支援していない
2、対象国が「将来も支援しない」との保証を得る
とともに、解除の45日前までに報告書を議会に提出する必要がある。北朝鮮は、87年11月に北朝鮮工作員による大韓航空機爆破事件が起きたことを受けて指定された。
◆テロ支援国家指定で科されていた制裁
1、対象国への武器輸出の禁止
2、対象国への軍民両用技術、製品輸出の制限
3、対象国への経済援助の禁止
4、国際金融機関による対象国への融資に米政府が反対
解除は大韓航空機爆破事件の翌年1月の指定以来、約20年8ヶ月ぶりとなる。ライス国務長官の署名で11日発効となった。緊急会見したマコーマック報道官は「求めていた検証項目はすべて合意に達した」と強調したが、来年1月に任期切れになる死に体のブッシュの最後の帳尻合わせの北朝鮮への歩み寄りだ。
《そこにはやはり「拉致問題」は口約束の外交辞令で、日本など全く眼中にないお粗末な妥協だ。ブッシュと電話で話したという麻生はブッシュは拉致問題について「強い気持ちを抱いている。日本国民の懸念と不安を理解している。拉致被害者家族への深い同情の気持ちを伝えたい」と語ったが、ブッシュは6月にも同じことを口にしている。「絶対に忘れない。日本と協力し、北朝鮮に圧力をかける」と、言葉は便利だ、同情のフリは幾らでも何度でも出来る。
《しかし、何とも情けない、アメリカに頼らなければ日本独自で解決することができないのだ。指定解除をカードに北朝鮮と駆け引きを展開する米国の圧力に頼ってきたのが現実だ。日本政府は経済制裁の半年間延長を決定したが、テロ指定解除に伴い、改めて6カ国協議が再開されると北朝鮮への援助も本格化する。日本だけが制裁を続けることに他の4カ国との間に軋轢が生まれることも懸念される。》
今回、米国が北朝鮮との合意を優先し、6カ国協議での正式合意を経ずに指定解除に踏み切ったことで、実質的に6カ国協議の空洞化が進む可能性もある。外務省幹部は「6カ国協議が動くことで、拉致問題も動くかも知れない」と期待を語るが、指定解除という成果を得た北朝鮮が、日本に対し、関係改善に乗り出す保証はない。
《外務省幹部のような楽天的な見方が国内関係者の拉致問題の捉え方なんだ。大国アメリカを手玉に取るような北朝鮮にはアメリカが先に折れたのが今回の指定解除と見られる。ブッシュの足元で尻尾を振って諂うような日本の歴代総理たち。甘い言葉で頭をなでられて信じた結果が今回のうっちゃり劇だ。麻生も同じように「テコ」をうしなったわけではない。とブッシュの口先に頼るようだが、相手のブッシュはもう抜け殻だ、その言葉を有り難がっていては、何も解決できないことに気がついて欲しい。それに、拉致被害者の命には限りがあることを忘れないで欲しい。》
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コメント
『椿事件』
1993年9月21日、民間放送連盟の「放送番組調査会」の会合の中で、
テレビ朝日報道局長の椿貞良が、選挙時の局の報道姿勢に関して
「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。
今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、
なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる
手助けになるような報道をしようではないか」
との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行う。
(ウィキペディア「椿事件」)
投稿: | 2008年10月13日 (月) 00時27分