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2008年10月24日 (金)

早食い競争で窒息死

毎日新聞(10/22)から 《》内は私見
《保護者の不注意から1歳児が蒟蒻ゼリーで窒息死したニュースが流れて1ヶ月しか経っていない。

今度は小学生の窒息死だ。喉に詰まらせたのが小6の12歳児のパンということもあって、ゼリーの時とは違って給食にパンを出すな、或いはパンの販売を中止しろの声は上がらないようだ。》

千葉県船橋市峰台小(末永啓二校長、児童数696人)で6年の男子児童が給食のパンを喉に詰まらせて窒息死していたことが21日分かった。市教委は給食時の安全徹底を求める文書を各学校へ送付した。

市教委などによると男児は17日午後0時45分ごろ、はちみつパン(直径10センチ)を一口食べた後、二つに割って一度に口へ入れたところ、突然苦しみ出したという。教諭が気付き、洗面所で吐き出させたが、教室に戻った後、再び「苦しい」と訴えたため背中をさすったりしたが治まらなかった。

市消防局によると、学校側の通報で午後1時ごろに救急車が到着したが、既に心配停止状態だった。同乗していた医師らが器具を使って喉に詰まっていたパンを取り出し、心肺蘇生をして病院へ運んだが、同6時15分ごろに死亡した。

末永校長は「信じられないことが起きて残念だ。今後はパンは細かくちぎって汁ものと食べるなど、安全面の指導を徹底したい」と話している。

塩谷立文部科学相は21日の会見で「誠に残念。(状況を)詳しく聞いていないが、普通では考えられないことが起こっているので、詳細を確認した上で(対応を)検討する」と述べた。また、事故を受け文部科学省は21日、よく噛んで食べることなどの指導を徹底するよう、都道府県教育委員会などを通じ各学校へ通知した。気道に異物が詰まった際の対処方法についても、改めて確認を求めた。

以上のことを受けて東京消防庁は、06〜07年に東京都内で食べ物を喉に詰まらせて救急搬送した患者数を集計した。2443人を搬送し、71人が病院到着時までに死亡していた。パン類は、他の食べ物に比べ、死亡や重症になる割合が高かった。

食べ物を喉に詰まらせる事故は高齢者や乳幼児に多く、70歳以上が1501人、5歳以下が426人。死亡した71人は全員50歳以上だった。喉に詰まらせた食べ物は、ご飯・すしが377人で最も多く、続いて餅が241人、野菜・果物が200人、パン類は135人だった。

パン類では、8人が死亡、42人が重体や重症の状態で運ばれていた。重症以上の割合は37%で、全体における割合より約10ポイント高かった。同庁は「パンは喉に詰まると重い症状になる可能性がある。食事は少しずつ、よく噛んで食べて」と呼びかけている。

ところで死亡した船橋市の市立峰台小6年の少年だが、同小の教頭と担任教諭が23日、児童の自宅を訪れ、父親(39)らに事故の経緯を説明した。学校によると、友だちが「おれはこのパンを3秒で食べたことがあるうんだ」と話したのを児童が聞き、「おれはもっと早く食べられる」と、パンを二つに割って口の中に入れたという。

父親は「学校側はできることはすべてやってくれたと思うし、これ以上追及するつもりはない。真実を知ることができ、心の区切りがついた。誰かに責任があるわけではない」と話した、という。

《たしかに子ども同士の悪ふざけ、自慢ごっこで結果は自己責任で自業自得といえる事故だ。父親の「心の区切り」とは、起こってしまったものは仕方がない、の諦めだろうか。「誰かに責任があるわけではない」は、ものの道理を弁えた大人の理解力というべきなのだろうか。昨今の風潮から想定したのは、モンスターペアレントや、バカ親たちのけたたましい喚き声が、学校や担任の管理怠慢を攻撃し、メディアがその声に乗って、もっと声高に叫び始め、裁判沙汰ともなることだった。しかし、この父親、己の子どもの非を認めるのは親として勇気の要ることだったろう。

《私の小学6年といえば、昭和18(1948)年のことだ。16年12月に始まった世界大戦は、すでに日本の敗色が漂い始め、アッツ島の玉砕があり、戦雲急を告げていた。9月にはイタリアが降伏する。徴兵猶予は廃止された大学生が銃を肩に、明治神宮外苑で出陣壮行の行進を行ない、12月には入隊する。20歳だった徴兵年齢を19歳に下げ、15歳であった少年兵の年齢を14歳にまで下げて兵員の補充を図った。国内に残った男性は老人と幼児か病弱のものになっていた。

《当時の12歳は国難を認識し、すぐにも少年兵どころか幼年兵(13歳から)となって尽忠報国に燃え、国を憂い、志願年齢を心待ちする軍国少年が多くいた。いや、現在の12、13歳と比べようとしても詮無いことだ。パンの早食いを争って過ごせる豊饒の世の中の少年と比較するのは、よそう。》

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