« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008年10月31日 (金)

子どものゲームなどによる「疲れ度」チェック問診票

今朝も、1日の始まりの日課になっているメールをチェックした。例年受け取っていることだが@niftyから誕生日のメッセージつきのカードが届いていて、自分の誕生日に気がついた。この年(77)になると、若い頃のような記念品の交換もないし、挨拶も忘れてしまう。

メッセージには、ヒチコックの1940年の名作「レベッカ」の中の台詞が書いてある。「香水みたいに想い出を瓶に詰めたいわ。蓋を開けるたび、ステキな想い出がそっくり現れるの」。昭和一桁の夫婦にはステキなものよりも何倍もの苦い想い出が多くある。だから想い出に浸るより、今でも新しい想い出づくりを目指している。

でも、@niftyスタッフ一同さん ありがとう。

毎日新聞(10/31)から 《》内は私見
「ゲームやテレビに1日何時間費やしますか」。小児科にかかる子どもに、電子メディアとのかかわりを尋ねる問診票を、日本小児科学会の「学校保健・心の問題委員会」(委員長、沖潤一・旭川厚生病院副院長)が作成した。「疲れた」と訴える子どもの多くに、長時間テレビやゲームに没頭している例がみられるためだという。学校の保健室や小児科で活用し、早期の対応につなげてもらうことが狙い。

問診は「21世紀の小児科問診票」と名付けられ全46項目。テレビ、ゲーム、パソコン、携帯電話の利用状況を尋ね、さらに、▽朝食を取るかどうか、▽保健室利用の有無、▽週末の過ごし方——など、生活習慣も聞く。

起草した国立病院機構仙台医療センター小児科の田澤雄作部長は「スポーツで頑張り、塾や家で長時間勉強する子の多くは、夜、息抜きのためゲームに時間を費やしている。睡眠が減り慢性疲労や鬱状態に陥る子もいる」と話す。

田澤医師によると、ある中3男子は受験勉強を始めた直後の夏休み、一日中オンラインゲームをするようになった。睡眠リズムが狂い、記憶力や判断力が鈍ったが、ゲームを止めると体調は回復した。4キロ体重が減って受診した11歳男子は、問診で1日6時間もゲームをしていることが判明。慢性疲労による食欲不振と診断。ゲームを禁じたところ食欲が回復、笑顔も戻った。

田澤医師は「電子メディアが浸透した今、かかわりの度合いを知ることは大切」と話す。委員長の沖医師は「若い小児科医は子どもの睡眠状況や遊び方も把握した上で、病状を総合的に判断してほしい」と話す。問診票は来月にも、日本小児科学会のホームページからダウンロードできるようになる、という。

《若い小児科医に向けた問診票だが、誰でもダウンロードできるものなら、子どもを学校に預けている保護者たちこそダウンロードして46項目の内容を勉強するべきだ。医師だけの問診票では、子どもたちの生活習慣が起因しているものをまとめることに役立つだけだ。上の例では当事者間だけの回復事例が書かれているが、フィードバックはそのように子どもを放置している保護者にすることの方が大事だろう。46項目を知れば分かることだが、子どもたちそれぞれの家庭環境を根掘り葉掘り聞かなければ役には立たないだろう。例えば、ゲームに夢中になっていることに、両親はどのように接しているのか、適切なアドバイスはしているのか、無関心ではないのか、子の側からは親から注意されたことはあるのか、ないのかなどを尋ねていけば、プライベートな家庭内の問題も見えて来ることにもなる。》

《本当は、そこにこそ現在の「いじめ」をはじめ、子どもたちのトラブルの解決できる大きな要因が潜んでいるのだが、保護者は当然プライベートの侵害を取り立てて騒ぐだろう。しかし、家庭内教育で保護者の子どもに対する無関心、躾もできない無責任な家庭内の問題が浮かび上がらななけければ、問診票はいつまでも結果の集計で終わる中途半端なものになるだろう。》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年10月30日 (木)

親も子も「付和雷同」の中学受験

【付和雷同】・・自分に一定の見識がなく、ただ他の説にわけもなく賛成すること(広辞苑)

毎日新聞(10/30)から 《》内は私見
<都内の小6、ベネッセ調査>
友だちが受検するから私も・・。07年に中学受検すると答えた東京23区内の公立校の小学6年生の受検する理由は「友だちが受検するから」が22・4%で、19年前の4倍に上ったことがベネッセコーポレーションの調査で分かった。自分で受検を言い出した割合は34・7%で9・4ポイント増えた。同社は、99年に公立中高一貫校の設置が始まってから選択肢が多様になったことが背景にあるとみている。

《何ごとも流行に流されやすい日本人、団地が林立し始めた頃、お隣に、向いの棟にピアノが運び込まれる風景に刺激され、センスも能力も未知の子に、争うようにピアノを買い与える付和雷同があった。そのような親のDNAはしっかりと受け継がれた現代の若者の風潮は、幼い小学生の時から芽生え膨らんでいることが察しられる。短いスカート、ルーズソックス、茶髪にガングロ、ブランド指向、剃り上げる眉に付け爪、美しくもなく無闇に伸ばす髪の毛、携帯電話にゲーム機、数えれば切りがない。何ごとも人と同じでないと気が休まらない気風は小学生から身についているのだ。》

同社は88年と07年、公立小の6年生約900人と保護者にアンケートを実施した。中学受検すると答えたのは両年とも約300人で、結果を比較した。受検を最初に言い出した人は、《羨望と競争心、嫉妬心はピアノの時も同じ。》
 最も多いのは母親で88年が46・2%、07年が47・5%
    子ども自身は88年は25・3%、07年は34・7%
                    と増えた。
    一方、父親は88年は18・2%、07年は13・1%
                    と減った。

児童に受検理由を聞くと(複数回等)、最も変化が大きかったのは「友だちが受験するから」で、88年は5・7%だったが07年は22・4%に増えた。上位は88年も07年も「とても行きたいと思う中学校がある」「高校受験をしなくてよい」で変らず、いずれも7割前後。「お母さんに言われた」「近くの公立中学からでは、いい高校や大学に行けない」も横這いで4割台だった。

受験を決めた時期については、88年に27・7%を占めた「2年生より前」が07年は11・1%と大幅に減少。一方で「6年生になって」が15・1%が26・1%に増えた。

調査結果の分析を担当した桶田大二郎・青山学院大教授(教育社会学)は「公立の中高一貫校が出てきて、比較的収入の少ない家庭でも受験する傾向が強まったり、何となく通った塾が受験塾だったりして、周りの友だちが受験を決めると『私も』というふうに、気付いたら受験する流れになっていた、というケースが増えてきたのではないか」と話している。

《学校選択制が偏る原因の一端は、ここに見るような単純な親や子どもの付和雷同によるものが大きい。子どもたちが、仲良くなった友だちと離ればなれになるのを嫌うのは十分に理解できる。しかし、子供達には分からない各家庭の裏事情があるだろう。母親が友人(ひと)と同じにさせたいと考えているのは分かるが、反面、父親の19から13%と6ポイントも減少した傾向が、言われるような格差社会のひずみを背景にしたものか、他に理由のあるものなのか、追跡してほしいのに中途半端なまとめで終わっている。また、冷静に見て、大所高所から学校の良否が比較できるデータや評価基準を保護者側が備えているとはとても思えない。やはり、韓流にしろ、ファッションにしろ、株にしろ、歌にしろ、流行を追い掛けるのが大好きな日本人の習性だろうか。》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年10月29日 (水)

難解な医療用語の見直し

昨日、「周産期医療センター」を書いた折り、この名称では自宅出産や産院を避け、現在の大病院頼みの傾向から、通常のお産と受け止められ、救急病院の臭いは全く感じられないこと指摘した。

遡って今月22日、難解な医療用語を易しくしよう、との提案が例を上げて記事になったが、違う意味で上のセンターも誰でも救急と理解できる名称に変更する必要を感じる。

毎日新聞(10/22)から
「予後6ヶ月」は余命半年、「頓服」は症状が出た時に薬を飲むこと・・など。独立行政法人「国立国語研究所」は21日、医療現場でよく使われるのに、患者が誤解しやすい57語の言い換え案をまとめた。今後、医師や一般から意見を募り、来年3月に最終報告をまとめ、手引書として市販するという。

同研究所は07年10月、医療や言語の専門家らによる「病院の言葉」委員会を設置。医師や患者へのインターネット調査などで集めた2万語を認知度や理解度で絞り込んだ。さらに、
 ▽「言い換える必要がある」(寛解、重篤など13語)
 ▽「捕捉説明の必要がある」(頓服、ショックなど35語)
 ▽「新しい概念として普及させる必要がある」(セカンドオピニオンなど9語)の三つに分類した。

〈難しい医療用語の言い換えや説明例〉
 ●寛解=症状が落ちついて安定した状態
 ●重篤=症状が非常に重いこと
 ●ショック=血圧が下がり生命の危険がある状態
 ●腫瘍マーカー=癌があるかどうかの目安になる検査値
 ●化学療法=薬を使った癌の治療法

杉戸清樹所長は「医師らは患者に説明する際、言葉の意味が正しく伝わっているか立ち止まる姿勢を持ってほしい」と話している。

《いずれにしても、カタカナ言葉だけは使わないでほしい。上にあるセカンドオピニオンやインフォームド・コンセントなど、新しい概念として普及させる必要がある、とはいうものの、例えばセカンドオピニオンなら「他の意見、第2の意見など」、ややこしいインフォームド・・・・なら「説明と同意」などの日本語で説明する方が余程理解が進むと思うのだが、なぜ日本語で考えることをしないのか。医者から言われて、「それって何のこと?」と聞き返すことの手間が省けることにもなるのだが。また、「腫瘍マーカー」や「化学療法」が説明例どおりだとすると、癌の治療法に限った使い方とは知らなかった。また、コンセントなど電気のソケット、コンセントの対のもの程度の知識しかないものには理解不可能な言葉のままだろう。少しだけ、ちょっぴり頭を使えば理解できる日本語を創案してほしいものだ。》

医療用語とは別に、漢字使用の目安となる常用漢字表の見直しを進めている文化審議会国語分科会の漢字小委員会も21日、追加候補の191字に適用する音・訓読みの原案をまとめた。原稿の常用漢字についても音・訓読みの見直しをまとめ「混(こ)む」など34例を追加する案を示した。191字では「梨(なし)」を「り」と読むことや「顎(あご)」を「がく」と読むことなどは常用漢字表外とするとした。表に示す使用例についても大筋で合意したが、一部の漢字ではさらに調整する。

現行表については「私」の読みに「わたし」を追加し、現行の「わたくし」も残すとした。「委(ゆだ)ねる」「育(はぐく)む」「応(こた)える」なども追加する。一方、「疲(つか)らす」は削除する。

《「疲らす」などという言葉があることなど全く知らなかった。普通なら「疲れさす」だ。》

また「混(こ)む」の使用例に「混み合う、人混み」を掲げ、現行表の「込(こ)む」の使用例から「人込み」を削除する。ただし「混む」の備考欄で「込み合う、人込み」という使い方も認められることを注記する。同小委はさらに字体などを検討し、09年1月の国語分科会に見直しの原案を提示することになる。

《「込む」の使用は削除した方がよい。詰め込むのと混雑との違いははっきりしている。人込みは明らかに間違いだ。認められるのはおかしい。私のブログでは混雑を表す場合、従来からずっと混むを使用してきた。漢字にはそれぞれ意味があるのだから。来年1月まで検討する期間はある、十分練り上げてほしい。「交じる」もそうだが、交わるならいいが、まじるは混じるでないといけない。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月28日 (火)

周産期医療センターって?

先ず「周産期」がよく理解できない。メディアにかかると言葉そのものが、今にも命に危険が迫ったような緊迫感が漂う。通常に出産は病気ではない。女性なら普通に妊娠、出産は大方は通る道だ。そこで改めて「周産期」の言葉の意味をいつもの通り広辞苑で調べてみた。それによると、

出産の前後の時期、とある。恐ろしい言葉ではないようだ。続いて、産前、産後のこと。
 狭義には妊娠第29週以後、生後7日まで、
 広義には妊娠第29週以後、生後28日までとある。そして、
母子双方にとって注意を要する時期、とある。これでは書店に並んでいる女性誌の記事と何ら変らない。

それが、「総合周産期母子医療センター」となると、突然救急病院のような響きに変る。いや、実際に「妊婦と新生児のための救急病院」のことなのだそうだ。

毎日新聞(10/28)読者の質問を取り上げるコーナー、「なるほドリ」から
「総合周産期母子医療センター」って何?

Q 脳出血を起した妊婦さんが8病院に受け入れを拒否された後に亡くなった問題で出てきた「総合周産期母子医療センター」って何ですか?

A 簡単にいうと、妊婦と新生児のための救急病院です。一般の救急には1次(診療所など)、2次(地域の救急病院)、3次(救急救命センター)というピラミッド型の受け入れ体制があります。産科救急にも別のピラミッドがあって、総合周産期医療センターは一般救急の3次施設に相当する、いわば「最後のとりで」です。

Q どんなことをするの?

A 母体と新生児の集中治療室を原則それぞれ6床、9床以上備え、24時間態勢で母子を受入れます。国が整備を始めた96年、産科医療は
 1)1施設当たりの医師数が少ない
 2)妊婦の高齢化などで低体重児が生まれる割合が増えている
といった事情を抱えていました。そこで産科医の集約化を進め、リスクの高いケースへの対応を強化しようとしたのです。その結果、日本の乳児死亡率(06年)は1000人当たり2・6人と、世界で最も低い水準でした。

Q 全国にたくさんあるのですか?

A 45都道府県に74施設あり、国と都道府県が補助金を出しています。国の整備指針では産科医は24時間の複数対応が望ましいとされていますが、今回受け入れを断わった都立墨東病院は当直医が1人だけでした。

Q 医師不足が原因なのですか?

A 根本はそうですね。医師の全体数は年間4000人程度増えているのに産婦人科・産科の医師数は98年から06年までに約11%減りました。墨東病院では定員9人の常勤産科医が4人に減り、本来の機能が果たせていなかったのです。

Dscf0007 Q 周産期センターで無理なら、一般の救急で対応できなかったのですか?

A その疑問は残ります。墨東病院にはER(救急治療室)もあったのに情報が届いていませんでした。産科と救急では、それぞれ搬送先をインターネットで検索できるシステムが大半の都道府県にありますが、双方を連携させているのは21自治体しかなく、国も運用実態を把握していません。医師不足の解消と併せ、そうしたシステムの改善も今後の課題です。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2008年10月27日 (月)

学校選択制度は失敗だったか

「学校選択制」見直し - 2 - 08/10/23

上は、東京都江東区の小学校で、来年度からの歩いて通える通学区域への入学を原則とする見直しと、前橋市の小学校での入学生徒数の偏りなどを理由に、11年度からは原則学校選択制度の廃止を決めた経緯を書いた。

学校選択制度は、全自治体の約1割が導入
規制緩和のため97年に旧文部省が通学区域の弾力的運用を認める通知を出し、各地に広まった。06年の文部科学省調査では、全国で約1割の自治体が導入している。28市区が導入する東京都内では、学校を自由に選べる制度をとる自治体が多く、学校間の人数の偏りが顕在化している。入学率(校区内で住民登録している就学者数に対する入学者数の割合)に大きな差が出ている。

毎日新聞(10/27)から 要約 《》内は私見
23日に続いて前橋市の学校選択制度廃止までの経緯がレポートされた。
前橋市は全国で初めて、学校選択制度を廃止する。導入から僅か4年半のことだ。特定の中学校に生徒が集まり、生徒数の偏りが無視できなくなったからだ。地域との関係が薄れ、メリットより課題が大きくなったゆえの決断だった。

ある市立中学では04年の選択制導入後、生徒が150人も減った。「野球部に9人揃わなくなり、試合に陸上部の選手を借りたこともある。今年は近くの中学と合同練習を始め、統一チームで試合に臨んだけれど士気は今一つでした」と校長は振り返った。

10年ほど前に荒れた時期があったためか、年々入学者が減った。部活動は停滞し、野球好きの男子は近隣の中学に流れた。授業への幤今日もある。生徒の減少に伴って教員も減らされた。複数の教員が教えるチームティーチングで、技術の先生が数学の教室に入ることもあった。保護者からは「専門ではないのに」との苦情も出た。1年生は2クラスがやっとの人数だ。「本当は4クラスが理想。毎年のクラス替えで新しい人間関係を作りたいけれど・・・」と校長は溜息をついた。

《他らしい人間関係のためのクラス替えも教育現場としてはいいが、モンスターペアレントがいてはままならないことと重なって人数と併せて頭痛の種だろう。》

風評を抑え、ありのままの姿を地域に伝えたいと、考えた校長は学校通信を地域の回覧板に載せた。全国学力テストの成績は学校評議員に知らせた。県平均を上回る科目が多かった。農家の協力で大根作りを授業に取り入れるなど、地域との連携も重視している。生徒指導では毎朝、靴箱を見回り、来ていない子にすぐ連絡を取る。不登校はない。校長は切々と訴えた。「あの学校はよくないと言われるが、どこが悪いのか。ちゃんと見た上で言って欲しい」と。

《現在の、自分さえ良ければそれでいいと思う反面、人と同じでなければ安心できない日本人特有の付和雷同の保護者のレベルでは、選択基準、選択指標に不足し、風評に振り回されて、特定の学校に対する関心が集まることは想定できることだ。また、廃止の原因ともなった地域と保護者、子ども自身の連帯感が希薄化することも生じてくる。》

一方、生徒数が3割増えた市立第五中もある。市の中心部の静かな住宅街にあり、交通の便も良い。陸上部は県トップレベルで、卓球部も関東大会に出場、全国学力テストの成績も県平均より上にある。教室にはぎっしっりと生徒が詰まる。1年生女子は「伝統校だからいいと思った。友達もつくりやすい」という。学区外から選択制で入学した生徒の割合は、3年生で21%、2年生で24%、1年生で30%と年々増えている。桐生直校長は「自転車通学が多く、安全面が少し不安」と話す。「新しいマンションも近くに建ち、さらに生徒が増えそう。少人数授業で二つ分の教室を使う教科もあるので、教室不足が心配」だという。

前橋市の学校選択制の利用者は年々増え、1年目の160人から今年度は421人に達した。一方、特定の中学で生徒数の増減が著しくなり、改革を重ねても減少を食い止められなくなった。

別の学区に通う子が地元の行事に顔を出しにくくなる現象も生じ、自治体から苦情も届き始めた。同市五閑町で自治会長を務める村田良治さん(57)は「お墓で肝試しをする夏祭りや、神輿を担ぐ秋の農業祭もあるのに、顔見知りの子が出られず可哀そう。中学校に貸した田んぼで田植えなどをするが、地元の子が農村部ならではの体験をできないのも寂しい」と話す。

こうした状況から市は「学校にとって地域の果たす役割は大きい」と、10年4月入学者を最後に廃止を決めた。市教委の清水弘己・学校教育課長は「多人数の学校は校庭が狭くなりプールも順番待ち。大きいならではの悩みもある」と語る。選択制の良い点は各校がカリキュラムに工夫を凝らすようになったことだという。しかし「読書やドリルに力を入れても、それで選ばれることはほとんどないのです」と清水課長は苦笑したという。

《風評が学校選択の指標になり、学校独自の特色作りをしても報われることがないのが実情のようだ。学校選択制度のスタートから実情を調べている専修大学の嶺井正也教授は次のように話す。》

「公教育の質を上げるために導入されたが、教育内容で選択する人は少なく、目的と実態がずれている。また、選ばれる学校とそうでない学校が固定化され、逆転は難しい。文教地区にあり部活も盛んな伝統校が好まれ、小規模校は避けられることが多い。選択基準は東京でも金沢市や広島市でも同じ傾向だ。荒れなどの噂は、昔のことだったり実態がない場合も多いが、教員の努力で拭い去るのは難しい。」

「先生たちは学校の特色作りに懸命だが、その努力は報われにくい。品川区の教員は、新校舎で人気の小学校の近くで苦労しており「校舎やグラウンドを整備して条件を均一にしてほしい」とぼやいていた。地元に住んでいない子どもへの家庭訪問や生徒指導も苦労が多いと思う。」

「自由に選べる方がいい、という世の中の風潮があり、存続を望む保護者は多いと思う。しかし、極端な人数の偏りは好ましくない。前橋市は現実をよく見据えた英断をしたと思う」と。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月26日 (日)

消費税 最大15・5%必要、2025年の社会保障改革試算

想定される数字だ。いつも羨ましそうに取り上げて比較する北欧の高福祉国家同等の国づくりを目指すなら、これくらいの消費税の国家収入がなければ、政策は何一つ実行できないだろうことは容易に理解できる。(下の図表を参照)

Futannritu 毎日新聞(10/24)から
 政府は23日、社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)のサービス保障分科会に、人手不足に対応したスタッフの増員など、医療・介護を「あるべき姿」に改革した場合、2025年には消費税率換算で4%(1%=4兆円)程度増税する必要があるとの試算を示した。現状のままでも3%程度の増税が必要。政府は先に、年金改革に関し、最大で11・5%の財源が必要との試算も示しており、これらを合わせると、年金、医療、介護の社会保障改革により、消費税率は最大で20・5%程度に達する計算になる。

《国民の血税を無駄遣いしても、誰一人責任を取らずに済む役人たちのために膨大な借金を抱えた国は、今さら‘還してくれ’が通用しないことから、高福祉のためにはと、新たに国民からむしり取るための算段を企んでいる。》

Zeisyuu 医療・介護の試算は、改革を手掛けないAシナリオ「何もしない」に加え、B1シナリオ「緩やかな改革」高齢者は介護へシフト、看護手厚くすることで92兆円、B2シナリオ「欧州並みに大胆な改革」ケアを強化し入院短縮し、職員ら倍増91兆円、B3シナリオ「欧州以上にさらに進んだ改革」重い病気に人・金集中し、高度化を進めるとして92兆円の試算。07年の医療・介護職員は計385万人だが、B1シナリオはこれを最大641・3万人とするほか、B2は678・7万人に、B3は684・4万人にそれぞれ増やすとしている。

Yuuguu この結果、07年に国内総生産(GDP)比7・8%だった医療・介護費(40兆円)は、B1なら11・6%(92兆円)、B2も11・6%(91兆円)、B3は11・7%(92兆円)に膨らむ。B1〜3シナリオとも税財源のGDP比は4・9%で、07年の3・1%から1・8ポイント、アップする。その差1・8%分(14兆円)が国民の税負担増となり、消費税だと4%程度だ。同様に保険料も消費税で3%程度(12兆円)増える。

政府管掌健康保険なら、いまの保険料率8・2%(労使折半)が10%程度になる計算という。改革の度合いを強めるほど効率化も進むため、Bシナリオの費用、負担増はほぼ同じ結果となる。改革をしないAシナリオでも、高齢化に対応した人員増が必要となり、消費税率換算で3%程度の税負担増となる。

公表済みの年金の試算は、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げる政府方針実現に消費税1%が必要としている。税方式とするには、これに加え最大10・5%の追加負担を要する。なお、消費税1%に相当する金額は現在約2・5兆円だが、試算は12年以降の物価上昇率を1%などとしているため、25年時点では1%が約4兆円になると計算している。

《さあ、国民よ、あなたたちが望む高福祉を享受したいのなら、これだけの選択肢が出来上がった。選り取り見取りだよ。ちょっとだけでいいのかな、もっと面倒見てほしいのかね、北欧の国を羨ましく思うのなら、その北欧並みの税金を納めることだよ。さあ、どれにする。》

《コンピューターもあることだ、要因をセットしてコンピューターに働かせれば、どんな数値でも出してくれる。ただ、全ては国民の血税の案分を計算するだけのことだ。超高齢化が進む将来、現実には介護や医療、特に産科、小児科など深刻な問題が山積している。今日明日の心配を抱えながら、具体性に欠ける数字を見せられても、簡単にチョイスすることは難しい。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月25日 (土)

万引き

10月20日、毎新新聞が社説で最近の万引きについての様変わりを取り上げている。曰く、「微罪で片づけられなくなった」と。

 《》内は私見
軽微な犯罪と思われがちな万引きの様相が変化している。かつては少年による犯行が過半数を占めるため少年型犯罪といわれたが、それが約10年前から低減。昨年は約10万2500人の検挙者の約28%に落ち、成人型犯罪に変質した。また、91年以降、65歳以上の高齢者の犯行が急増し、昨年の高齢者10万人当たりの犯罪率は97人を突破、この20年で約3倍に増えた計算だ。

《2003年1月、京急線八丁畷駅近くの古書店で万引きをした少年が、書店の通報で警察官に引き渡された。少年は警察官の隙を見て逃げ出し、遮断機の降りた踏切を潜って逃げようとして走ってきた電車に撥ねられて死亡するという事件があった。

《この事件をテレビなどが取り上げられた際、少年の父親や街頭インタビューを受けた人たちの一部から、警察に通報した書店の責任を問うという信じられない発言があった。その後、書店に対し全国から多数の抗議が寄せられ、書店は閉店に追い込まれた。

《一方、少年は万引きの常習者であったことや、補導時の少年の反抗的な態度など、書店の警察への通報は妥当であったとして、書店擁護の声が上がった。書店側は一度は営業を再開したが、続かず、その後再び閉店した。この頃からすでに「万引き」という犯罪に対して、「少年」のやったことだからということだけで、大人の多くに、その少年の罪を見逃すことが善であるかのような道徳律不在の風潮が広がっていた。

高齢者には、子や孫に注目してほしいという幼稚な動機から犯行に及ぶ者も目立つが、警察庁などの分析では、家計の実収入との相関が指定されている。消費税が5%に引き上げられた97年に検挙者数が前年比で約17%も増えたほか、00年の介護保険制度のスタート、03年からの医療費の負担増も犯罪率の上昇につながっている模様だ。

《社説のような分析でいいのか。これでは犯罪増加の要因がすべて社会の仕組みに起因していると言っているようだ。社会生活を圧迫している政治が悪い、から犯罪が増えるとでも言いたいのだろうか。

万引きする品物も食品や石鹸、タオルなどの生活用品が多く、生活が苦しくなって犯行に走る高齢者が増えているらしい。経済情勢が混迷する折、犯行の未然防止に福祉の観点からのきめ細かなケアが求められていると言えそうだ。

《増えているらしい。‘らしい’とは何だ。かく言う私も高齢者の端くれだが、万引きなどしようとは考えたこともない。どんなに苦しくても人様のものに手を掛けることなどしないし、悪事を自分の意志以外の理由などにはしない。

一方、比率は減ったというものの、少年による犯行では組織化、巧妙化が進んでいる。警備員を引き付けるおとり役、見張り役、盗品を受け取る運び役などの役割を分担し、巧妙な犯行を繰り返す少年グループの摘発も相次ぐ。漫画本を一度に10册、20册とまとめて万引きし、小書店などに売却を図る少年も少なくない。出来心どころか、金目当ての計画的な犯行が横行している。被害も甚大になり、届け出も増加しているのが実情だ。

規範意識や罪悪感の低下にも深刻なものがある。NPO法人の全国万引犯罪防止機構が一昨年、全国の小中高生を対象に実施した意識調査では、万引きを「絶対にやってはいけないこと」と考えている児童・生徒は小学校では95%を超すが、高学年になるに従って低減。中学生は約83%、高校生では約81%となり、高校生の約16%は「やってはいけないが、大きな問題ではない」と回答した。高校生の約14%には友人から万引きの誘いを受けた経験があるという。

《そもそも大人の側に少年らに善悪を教え諭す規範がない。少年以上に大人は荒(すさ)んでいる。格差社会を言い、年金問題を言い、政治を言う。社会は若年への思いやりが行き過ぎて過保護、まさに放任状態だ。

万引きを軽視する保護者も少なくなく、警察から連絡を受けた母親が盗品を買い取れば盗みにならないと主張したり、補導は行き過ぎだと警察官に食ってかかるケースも増えている。

06年の刑法改正で窃盗罪に懲役刑に加えて罰金刑が導入され、従来は起訴猶予処分となることが多かった万引きを処罰し、再犯防止を図ることにしたが、何よりも幼少時からの躾と教育でモラルを確立させることが重要だ。万引きは百罪のもと。犯行を見とがめられた容疑者が殺傷事件を起したり、逃走中に交通事故にあったりもしている。厳正に対処し、撲滅を期したい。

《現在、議員の何人かが、日教組批判を繰り返してるが、道徳教育阻害は少なからずあったことは事実だとしても、独り日教組だけの問題ではない。その以前には日本国開闢(かいびゃく)以来の敗戦を味わった。敗戦を境に進歩的と称される学者、知識人によって戦前の価値観はことごとく悪として切り捨てられた。家庭から大黒柱の父権が取り去られ、家族団欒の核を失った。家族制度の破壊、廃頽が始まり、家庭教育、躾は教える者がいなくなった。そこから新しい日本の新しいモラルを構築することができるはずの哲学者が出現しないで現在まで来た。日本人のモラルは喪失したままだ。また言えば、現在の日本には日本人の数だけ勝手気侭なモラルが存在しているということかも知れない。日教組だけでで片付く問題ではない。》

| | トラックバック (1)

2008年10月24日 (金)

早食い競争で窒息死

毎日新聞(10/22)から 《》内は私見
《保護者の不注意から1歳児が蒟蒻ゼリーで窒息死したニュースが流れて1ヶ月しか経っていない。

今度は小学生の窒息死だ。喉に詰まらせたのが小6の12歳児のパンということもあって、ゼリーの時とは違って給食にパンを出すな、或いはパンの販売を中止しろの声は上がらないようだ。》

千葉県船橋市峰台小(末永啓二校長、児童数696人)で6年の男子児童が給食のパンを喉に詰まらせて窒息死していたことが21日分かった。市教委は給食時の安全徹底を求める文書を各学校へ送付した。

市教委などによると男児は17日午後0時45分ごろ、はちみつパン(直径10センチ)を一口食べた後、二つに割って一度に口へ入れたところ、突然苦しみ出したという。教諭が気付き、洗面所で吐き出させたが、教室に戻った後、再び「苦しい」と訴えたため背中をさすったりしたが治まらなかった。

市消防局によると、学校側の通報で午後1時ごろに救急車が到着したが、既に心配停止状態だった。同乗していた医師らが器具を使って喉に詰まっていたパンを取り出し、心肺蘇生をして病院へ運んだが、同6時15分ごろに死亡した。

末永校長は「信じられないことが起きて残念だ。今後はパンは細かくちぎって汁ものと食べるなど、安全面の指導を徹底したい」と話している。

塩谷立文部科学相は21日の会見で「誠に残念。(状況を)詳しく聞いていないが、普通では考えられないことが起こっているので、詳細を確認した上で(対応を)検討する」と述べた。また、事故を受け文部科学省は21日、よく噛んで食べることなどの指導を徹底するよう、都道府県教育委員会などを通じ各学校へ通知した。気道に異物が詰まった際の対処方法についても、改めて確認を求めた。

以上のことを受けて東京消防庁は、06〜07年に東京都内で食べ物を喉に詰まらせて救急搬送した患者数を集計した。2443人を搬送し、71人が病院到着時までに死亡していた。パン類は、他の食べ物に比べ、死亡や重症になる割合が高かった。

食べ物を喉に詰まらせる事故は高齢者や乳幼児に多く、70歳以上が1501人、5歳以下が426人。死亡した71人は全員50歳以上だった。喉に詰まらせた食べ物は、ご飯・すしが377人で最も多く、続いて餅が241人、野菜・果物が200人、パン類は135人だった。

パン類では、8人が死亡、42人が重体や重症の状態で運ばれていた。重症以上の割合は37%で、全体における割合より約10ポイント高かった。同庁は「パンは喉に詰まると重い症状になる可能性がある。食事は少しずつ、よく噛んで食べて」と呼びかけている。

ところで死亡した船橋市の市立峰台小6年の少年だが、同小の教頭と担任教諭が23日、児童の自宅を訪れ、父親(39)らに事故の経緯を説明した。学校によると、友だちが「おれはこのパンを3秒で食べたことがあるうんだ」と話したのを児童が聞き、「おれはもっと早く食べられる」と、パンを二つに割って口の中に入れたという。

父親は「学校側はできることはすべてやってくれたと思うし、これ以上追及するつもりはない。真実を知ることができ、心の区切りがついた。誰かに責任があるわけではない」と話した、という。

《たしかに子ども同士の悪ふざけ、自慢ごっこで結果は自己責任で自業自得といえる事故だ。父親の「心の区切り」とは、起こってしまったものは仕方がない、の諦めだろうか。「誰かに責任があるわけではない」は、ものの道理を弁えた大人の理解力というべきなのだろうか。昨今の風潮から想定したのは、モンスターペアレントや、バカ親たちのけたたましい喚き声が、学校や担任の管理怠慢を攻撃し、メディアがその声に乗って、もっと声高に叫び始め、裁判沙汰ともなることだった。しかし、この父親、己の子どもの非を認めるのは親として勇気の要ることだったろう。

《私の小学6年といえば、昭和18(1948)年のことだ。16年12月に始まった世界大戦は、すでに日本の敗色が漂い始め、アッツ島の玉砕があり、戦雲急を告げていた。9月にはイタリアが降伏する。徴兵猶予は廃止された大学生が銃を肩に、明治神宮外苑で出陣壮行の行進を行ない、12月には入隊する。20歳だった徴兵年齢を19歳に下げ、15歳であった少年兵の年齢を14歳にまで下げて兵員の補充を図った。国内に残った男性は老人と幼児か病弱のものになっていた。

《当時の12歳は国難を認識し、すぐにも少年兵どころか幼年兵(13歳から)となって尽忠報国に燃え、国を憂い、志願年齢を心待ちする軍国少年が多くいた。いや、現在の12、13歳と比べようとしても詮無いことだ。パンの早食いを争って過ごせる豊饒の世の中の少年と比較するのは、よそう。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月23日 (木)

「学校選択制」見直し - 2 -

「学校選択制」見直し 08/09/26

上は、東京都江東区の小学校で学校選択制を見直し、来年度から住所で決まる通学区域の学校への入学を原則とすることを決定したことを取り上げ,遅かれ早かれどこの自治体でも現状の見直しが必要だろうと書いた。

毎日新聞(10/22)から 《》内は私見
 〈学校選択制度〉
規制緩和のため、97年に旧文部省が通学区域の弾力的運用を認める通知を出し、03年の学校教育法施行規則改正で各教委が選択制を導入できようになった。06年の文部科学省調査では、小学校で240自治体(14・2%)、中学校で185自治体(13・9%)が導入している。しかし、行きたい学校を選べる自治体は金沢市や長崎市など少数派だ。山村の小規模校の活性化のため学区外から入学を認める限定的な選択制が多い。

学区外の小中学校にも通える学校選択制度を巡り、東京都内28市区の教育委員会を調査したところ、今春の各校の入学率(校区内で住民登録している就学者数に対する入学者数の割合)に、8・1〜326・7%と大きな格差があることが分かった。人気校と不人気校の固定化が進み、区部では新入生が1けたの学校が7校、10人以上20人未満が23校ある。男女の希望者数も偏り、男子が3割未満の中学も出ている。

Scf4 選択制は00年に「個性的な学校づくり」を目標に東京都品川区が取り入れてから都市部に広まり、東京では19区と9市が導入している。同紙は、全国で最も普及している東京の実情を調べた。

入学率は、その学校が児童・生徒にどれほど選ばれたかを示す。各校の今春の数値を尋ねたところ、品川区では初の小中一貫校となった旧第2日野小が326・7%に達した一方、近隣の小学校は27・8%に落ち込んだ。江東区では、統廃合が噂された中学校の入学者が7人となり、わずか20・6%。小規模を避ける動きは、どの地区にも共通している。

文教地区にあってクラブ活動が盛んな学校には志望者が集まりやすい。一方、小規模校では廃部やチームを結成できない部も相次ぎ、他校に流れる子も少なくない。「荒れている」「いじめがある」の噂で生徒が減る学校もある。

《9月のブログでも触れたが、噂が噂を呼んで尾ひれがつき、格差が生まれるのは群衆心理としては避けられない、ブランド物のバーゲンセールに群がる消費者と同じように、目玉コーナーは黒山の人だかりになる。どこどこの誰それさんは○○か、それじゃうちも、となる。誰それさんが持っているからうちの子にも、で携帯所持の低年令化現象が起るのも同じことだ。》

選択制の課題については、小規模校化が助長される(多摩市)や、学校間の生徒数の格差が広がり(練馬区)など、生徒数の偏りを懸念する声が出た。一方、メリットとして学校の活性化を上げる」教委が多かった。かつて新入生がゼロだった品川区の中学校が、学力強化策を掲げ小中一貫校となってスタートしたところ、今春の新入生は65人に回復した例もある。

男女比をみると、野球部やサッカー部のない江東区の中学で、男子の割合が29%まで減る一方、部活の盛んな他校で男子が57%になるなど、一部でアンバランスが生じている。

選択制は前橋市が、生徒数の偏りなどを理由に、11年度から原則廃止を決めている。江東区も小学校での選択は徒歩で通える範囲に限る範囲に限る見直しを行う。

解説でも触れているが、『少人数の学校は「切磋琢磨」が難しい、「問題児がいる」などの噂で新入生は激減する。また、校舎が新しいというだけで生徒が集まる学校もあり、「教育内容で選んで欲しい」という教育委員会の思惑は空回りしがちという。江東区や品川区は対策として、小規模校に特別の予算を組んでいるが、選択制の功罪を冷静にとらえ直す時期に来ているのではないか、』と。

《学校を選ぶには学校についての教育方針など情報が十分でなくてはならないが、反面保護者の側にも選ぶ基準がなくてはならない。ただ校舎が新しいからや、荒れている、いじめがあった、お友達が行くからなど噂話しが基準であっては、特に子どもに判断能力がない小学校の選択は、子どもが親の勝手の被害者になる懸念だってあるのだ。学校選択制度をこれから取り入れようとする自治体もある中、すでに制度の改善に取りかかる自治体もある。これからの自治体が先行している自治体の轍を踏むことはない。この際原点に戻って改めて制度の見直しをするべきではないか。》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年10月22日 (水)

「いじめ」は‘親の責任’にやっと気がついたか

毎日新聞(10/21)から
携帯電話やインターネットを巡る子どもの事件やトラブルが深刻になっていることを受け、文部科学省は来年度から、父母ら保護者を「ネット指導員」として養成する事業を始めることを決めた。3年をかけ全国で約9000人を養成する。教職員や保護者を集めた「出前授業」をしてもらい、ネットの危険性などの知識を持つ大人を増やすのが狙いだ。

Yo_ba01_2 バンダイネット調査
 2007年2月15日
 有効回答数 965人
  男 12.8%
  女 87・2%


〈子どものインターネット問題〉
文部科学省の06年度の調査では、携帯電話やパソコンのインターネットの掲示板を使った「いじめ」が全国の小中学校で約3200件確認されている。特に生徒や児童が学校の公式サイトとは別に開設する「学校裏サイト」は、いじめの温床と指摘され、3万8260件ある。このほか、今年7月には携帯電話のサイトの書き込みを巡って群馬県桐生市で私立校高1年の男子生徒(当時15歳)が元同級生らから暴行されて死亡する事件が起きた。

文科省によると、全国の都道府県と市区町村からモデル事業への参加を公募し、64自治体を選んで事業を依託する。養成する指導員は各自治体で年50人前後、計約3000人を予定している。

《全国の小中学校は文科省調査の平成20年版にょると、(平成19年5月1日現在)
 小学校が  22.693校
 中学校が  10.955校 ある。
 (国、公、私立の合計、本校、分校の合計)》

大学教授などの有識者が講師となり、ネット指導員となる保護者に対し、人気サイト上で行なわれている子どもたちのやり取りや掲示板への書き込みによるいじめ、サイトに流出している猥褻画像の実態などを教える。その上で、犯罪に巻き込まれたり、加害者になる危険性について例示し、指導方法やトラブルが起きた時の対処法を伝える。

指導員は各地域で小中学生の保護者や教職員を集めて出前授業のかたちで実施していく。携帯電話やネットの子どもたちへの普及スピードが速く、学校、家庭での指導が追いついていない現状を改善する目的がある。

同様の取組みは群馬、茨城、鳥取県など一部の自治体が数年前から独自に行なっている。だが、財政難などから手つかずの自治体も多く、国の事業として年約2億円の予算で行なうことにした。モデル事業に参加した64自治体の事例を集めた報告書を他の自治体に配布したり、自治体の担当者らが情報交換できるサイトを間接することも検討しているという。

文科省生涯学習政策局は「『知った人』から『知らない人』へ、ネットに関する知識を広げていき、親の関心や監視力を高めたい」と話している。

《いじめ問題は被害者への同情が先行して、いじめ自体の本質を見落としてきたことが、すべてを後手に回す結果となった。いじめはいじめる側をなくさない限り、解決することは難しい。親、保護者に的を絞った家庭教育への働きかけこそ最大のポイントとなるものだ。》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年10月20日 (月)

タバコさまさま セブン&アイ 営業益最高

毎日新聞(10/10)から
セブン&アイ・ホールディングスとイオンの2大流通グループの08年8月中間連結決算が9日出揃った。セブン&アイは主力のコンビニ事業が好調で営業利益は過去最高を記録したのに対し、総合スーパーを主力とするイオンは営業減益と、明暗が分かれた。

セブン&アイは、グループ売上高の約4割を占めるコンビニ事業のうち、セブンーイレブンは、たばこ自動販売機用成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の導入で喫煙者の来店が急増。飲料などの「ついで買い」による業績押し上げ効果で、営業利益は前年同期比8・0%増の963億円と過去最高を更新した。グループ全体の営業利益も同2・8%増1480億円で過去最高。タスポ効果は下半期まで続くと予想しており、営業利益の通期予想2940億円も過去最高を見込んでいる。

イオンも、傘下のミニストップは最終(当期)利益が同18・2%増と堅調だったが、主力のスーパーが苦戦した。物価高や株安で消費者の節約志向が強まる中、利益率の高い衣料品が「不要不急の品」として買い控えられた。イオン単体の営業利益は同41・5%減の大幅減益。グループ全体の営業利益も同13・4%減の減益で、不採算店舗の減損損失などで中間期としては3年ぶりの最終赤字となる。

ただ、セブンも万全ではない。8月中間期のコンビニ既存店の売上高は同3・7%増だったが、3・6%に相当するタスポ効果を除くとほぼ横這いだ。業界では「タスポ効果は一時的」と見られており、先行きには不透明感も漂う。衣料品の不振はセブンも同じで、スーパー事業の営業利益は同2・5%減、百貨店事業も同25%減と苦戦。ファミリーレストラン「デニーズ」を展開する外食事業は6億円の営業赤字だった。

《“風が吹けば桶屋が儲かる”ほどの遠回りではないが、嫌煙の締めつけが思わぬ所で苦しい営業をしている企業に、いっときでも恵みの効果を生んだようだ。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月19日 (日)

おらが国 次々と落選

今年7月、平泉が落選した折に、世界遺産の候補地に関しては、世界に開かれていなかった時代の狭い島国日本国内の歴史や文化では、訴える力は決して強いものではない、よくよく考えた上で単なる観光客集めの「おらが国」自慢にならないようにするべきことを書いた。

文化庁も、ぞろぞろと出される「おらが国」に食傷気味で、平泉の二の舞いになることを恐れ、事前審査を厳しくすることを決め、改めて候補の審査を行なっていたが、9月に入って26日、「世界文化遺産」暫定リストを発表した。

毎日新聞(9/29)から、 要約と 《》内は私見
世界文化遺産に国内から推薦する候補を記載する「暫定リスト」に「金と銀の島、佐渡」(新潟県)など5件を追加すると発表した。他に提案されていた27件は見送った。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会が登録抑制傾向にあることなどを踏まえ、自治体からの公募は打ち切ることになった。観光振興を狙った自治体などの「世界遺産ブーム」も区切りを迎えそうだ。

自然遺産を含めリスト記載は計14件となる。追加5件のうち、百舌鳥(もず)・古市古墳群(大阪府)は、構成資産の陵墓を宮内庁が管理し、文化財指定されていない。文化庁は国指定文化財であることを推薦の条件にしてきたため同等と看做すことに問題がないかどうか確認後、記載することとする。他4件は年内にも記載し、同委員会に提出するという。

ただ文化庁は5件について「記載済みの候補と比べ、国際的評価を得るまでの道のりは相当遠い」と厳しく評価する。佐渡は「鉱山遺跡を中心に、世界遺産の石見銀山(島根県)と統合した形での登録を目指すべきだ」とし、北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道、青森県、岩手県、秋田県)は「4道県以外の遺産と組み合わせるのが推薦の条件」とした。

《北海道、青森、岩手、秋田とそれ以外との組み合わせとなると、これもまた、変なことになりそうだ。日本中には遺跡群は結構の数ある。甚だしくは、北は北海道から南は沖縄まで日本中の遺跡群が、なんらかのつながりで隈なく結びつけば、日本の国全体が遺跡群のまとまりになってしまう。それにもまた、何らかの手枷を嵌めなければならないだろう。ということで、埼玉県が候補に提出していた「埼玉古墳群」は評価としては最低のカテゴリーに組み込まれてしまったようだ。》

  ♦世界文化遺産推薦候補
   (暫定リスト)審議結果
▼暫定リストに記載
 北海道・北東北の縄文遺跡群
     (北海道、青森、岩手、秋田)
 金と銀の島、佐渡(新潟)
 九州・山口の近代化産業遺産群
     (福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、山口)
 宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡)
 百舌鳥・古市古墳群(大阪)
▼暫定リスト記載見送り
  <カテゴリー1a>
 最上川の文化的景観(山形)
 四国八十八カ所霊場と遍路道
     (徳島、高知、愛媛、香川)
 阿蘇(熊本)
 天橋立(京都)
 錦帯橋と岩国の町割(山口)
  <カテゴリー1b>
 萩(山口)
 城下町金沢の文化遺産群と文化的景観(石川)
 松本城(長野)
    →以上3件は「近世の城郭と城下町関連の文化遺産」
     として統合を推奨
 善光寺と門前町(長野)
    →「近世の寺社とその門前町関連の文化遺産」として
     他の寺社や門前町との統合を推奨
 足利学校と足利氏の遺産(栃木)
 水戸藩の学問・教育関連遺産群(茨城)
 近世岡山の文化・土木遺産群(岡山)
    →以上3件のうち足利学校、弘道館(茨城)、
     閑谷学校(岡山)を「近世の教育資産」として
     統合することを推奨
 妻籠宿・馬籠塾と中山道(長野、岐阜)
    →「近世の街道と宿場町関連の文化遺産」として
     他の街道や宿場町との統合を推奨
  <カテゴリー2>
 北海道東部の窪みで残る大規模竪穴住居跡群
 松島(宮城)
 水戸藩の学問・教育関連遺産群(茨城)
 足利学校と足利氏の遺産(栃木)
 足尾銅山(同)
 埼玉古墳群(埼玉)
 近世高岡の文化遺産群(富山)
 立山・黒部(同)
 霊峰白山と山麓の文化的景観(石川、福井、岐阜)
 若狭の社寺建造物群と文化的景観(福井)
 岡谷の日本製糸業近代化遺産(長野)
 飛騨高山の町並みと祭礼の場(岐阜)
 近世岡山の文化・土木遺産群(岡山)
 三徳山(鳥取)
 山口に花開いた大内文化の遺産(山口)
 宇佐・国東(大分)
 竹富島・波照間島の文化的景観(沖縄)

《すでに世界遺産の登録を受けている県からも次々に候補が顔を出したり、一つの県から4件の候補を出したり複数であったり、まるで叩き売り商品のような乱雑さだ。それぞれに歴史や文化を築いてきたものだが、あくまでも日本国内の価値、評価こそ優れてはいても、果して現在もてはやされて、口の端に上るグローバルな価値のものかを考えた上で、候補に選定したものなのか考えさせられる。》

《錦帯橋などは、遺産と呼ぶには余りにも新しい。1950(昭和25)年のキジア颱風で流失し、再建されてからまだ、55年が経過したにすぎない。あまりに欲張りすぎる候補選定だ。》

記載を見送った27件のうち、阿蘇(熊本県)など5件は「カテゴリー1a」に分類。「価値の証明作業が相当程度進展した段階で改めて審議すべきだ」とした。「1b」の4組8件は他候補と統合して登録を目指すよう求めた。「カテゴリー2」の17件は「現状テーマのままでは記載できない」との位置づけだ。足利学校と足利氏の遺産(栃木県)など3件は、学校だけを抜き出して「1b」に入れた。

国内候補は当初、文化庁が独自に選定していたが、06年度に公募方式が始まった。世界各国の暫定リストには計約1470件の候補が記載されている。

世界遺産登録を目指す自治体などの反応は悲喜こもごもだ。推奨候補に選ばれた「佐渡」では、佐渡市の高野宏一郎市長は「県と市、民間が一体になった活動と努力が実った」と語った。同市の旧相川町では、ちょうちん行列が行なわれるなどお祭りムード。一方、落選した「松島」では、宮城県教委文化財保護課は「我々が考えたコンセプト自体が認められず、残念」とし、「平泉が落選したことで、審査が厳しくなったのではないか」と分析する。

同じく落選の「天橋立」(京都府)は、天橋立観光協会元副会長の小田彰彦さん(64)は「登録への活動を通して故郷を見直す切っ掛けになった。今後の記載に期待したい」と気を取り直した。

《各自治体に選ばせたことが、統一されない価値観と基準の元で選定され、玉石とは言わないまでも首を傾げる候補選びになったようだ。今回の文化庁の審議結果を受けて、「おらが国」騒動は一応、一段落するものと期待する。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月18日 (土)

ニホンウナギのふるさと特定

ウナギの季節は疾うに過ぎ去っているけれど、今まで謎とされていたウナギの生態に、ようやく解明の糸口になりそうな出来事が報道された。

毎日、読売新聞(9/23)から 要約。
水産庁と水産総合研究センターが22日、発表したところによると、生態に謎の多いニホンウナギの親魚(産卵前後の天然ウナギ5匹)を、マリアナ諸島西方の大平洋で、世界で初めての捕獲に成功した、というものだ。マリアナ諸島沖で産卵しているという仮説は合ったものの、産卵前後の親ウナギはこれまで見つかっていなかった。今回の捕獲により、現場の水温や塩分濃度も分かり、今後の養殖技術の向上にもつながるものとという。

同庁などの研究チームは漁業調査船「開海丸」(2630トン)を使って6月、同諸島西側にある「スルガ海山」の南南西約130キロの水深200〜350メートルの範囲で、成熟した精巣を持つ雄のニホンウナギ2匹と雄のオオウナギ1匹を捕獲。また、8月にはスルガ海山から30キロ離れた海域でニホンウナギとみられる2匹を捕獲。うち1匹は産卵後の雌だったという。

また、9月には近くの水深100〜150メートルで孵化後2、3日程度の仔魚(約5ミリ)も26匹見つかった。親ウナギが捕獲された水深では水温は13〜25度、仔魚は26・5〜28度と推定している。稚魚は海流にのって、約3000キロの距離を3〜7ヶ月間かけて日本沿岸まで旅をしてくる。

現在の人工孵化技術では、卵から仔魚に育つ数が少なく、完全養殖は難しく、養殖は天然のシラスウナギの稚魚に頼っているが、最近ではシラスウナギの稚魚も個体数が減少しており、人工的な供給手段が求められている。

同チームの張成年・浅海生態系研究室長は「親の生理状態や成育環境を調べることで、人工孵化技術の向上につながり、完全養殖が大きく進むだろう」と話している。

《若いころ、上京して初めて食べたうな丼でひどく体調を壊したことがあってから、その後半世紀の間、ウナギに食指が動くことなく一切私の胃袋にはウナギは入っていない。ウナギと聞くだけで拒否反応を起す。魚が好きという割に、その殆どは海で捕れる魚類に限られる。若狭湾や日本海で捕れる新鮮な鯛や鯖、鰯などの魚を食べたせいか、遠洋魚のマグロを美味しいと思ったこともない。これからも土用の丑の日が何度か巡ってくるだろうけれど、やはりウナギには見向きもしないだろう。ウナギは欲しい人が食べればよい。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月17日 (金)

運転免許証更新のための高齢者講習

昨16日、3年前に続いて2度目の高齢者講習を受講してきた。当初は75歳以上が対象であったが、高齢者の事故の発生が多発したため、年齢を下げて現在は70歳以上となっている。

3年前も事前に眼鏡屋で視力検査をしてもらったが、今回も前回と全く同じことを言われた。「ぎりぎりでしょうね」。同じ眼鏡をかけて矯正視力で0・7、免許証は「眼鏡等」となっている。講習でも0・7でパス。作り替えなくても免許証の更新はできそうだ。また、前回まで希望者のみ実技があって、私は乗車(教習所にはマニュアル車がなくて所員の私物)して教習所内を走ったが、現在は全員乗車走行することになっている。ただし、ペーパードライバー、体調不良等は受講者が運転する車の後部座席に同乗するだけでいいとされる。

他は3年前と同じ、パソコンに直結したハンドルを操作し、シュミレーション走行中の画面を見ながらアクセルを踏みっぱなしの操作(ブレーキ操作なし)でハンドルの反射動作を測定する。走行中の道路の前方両サイドに高層ビルが建っている。ビルの位置が右に左に大きく小さく不規則に瞬時に移動しながらビルの間隔が広がったり、極端に狭まる。ハンドルで追い掛ける。左右のビルの中央を運転中の車の進路が捕らえるとビルの色が変化する。それを見極めた途端にビルの位置が移動し、間隔が変化している。それを又追い掛けるの、繰り返しを4分間。

反射神経の衰えを心配していたが、3年前よりも適性結果は良好と出た。
◆あなたに合った運転の仕方
 反応動作の速さ【単純反応検査、選択反応検査】
  反応動作の速さは良好です。また、複雑な場面での判断の速さも問題がありません。
 
 緊張の維持と集中力【単純反応検査、選択反応検査】
  その時の調子で、素早く反応したり、遅くなったりという傾向が見られます。

 動作の確かさ、見込み反応【単純反応検査、選択反応検査】
  落ちついていて、複雑な場面でも正しく判断して反応しています。

 状況対応の正確さ【ハンドル操作検査】
  どのような場面に対しても、素早く対応し、正確な動作ができます。

 総合評価、同年代との比較では・・やや優れている
      30〜59歳との比較・・・普通

運転機能を個々にみると、5段階評価
単純反応・反射動作は     5(30〜59歳平均5)
     反応むら      4(  同    3)
     のんびり傾向    4(  同    4)
     あせり傾向     3(  同    3)
選択反応 判断動作の速さ   4(  同    3)
     判断の正確さ    3(  同    2)
     反応むら      1(  同    1)
ハンドル操作 反応の偏り   3(  同    3)
       練習効果    5(  同    5)
       状況対応の速さ 5(  同    4)

選択反応は30〜59歳の人たちも戸惑っているようだが、私も本当に手こずった。全体的に3年前とほとんど変らない評価だ。日常生活もそうだが、病気知らずで何も不自由はない。しかし、今月中に免許更新の手続きをするが、何があるか分からない、これが最後と決めている。あと3年で切りのよい年齢80歳になる。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2008年10月16日 (木)

ネットいじめ  - 2 -

0003_2 10月も半ば、
 山の紅葉のニュースも聞かれ、
 こちらも枯葉が目立ってきたが
 次々に開くヘブンリーブルー

毎日新聞(9/28)から
携帯電話を使ったいじめが後を絶たない。出合い系サイトに誘導するメールも子どもを狙う。教育現場にネットいじめの対応策を指導している全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長に、被害から子どもを守る具体策を聞いた。

《小手先の対応で子どもたちが守れるわけではないが、無関心な親・保護者を教育するのに時間はかかり過ぎる。取り敢えずは当面の問題として、何かしないと被害は広がるばかりだ。既に手にしてしまった携帯で、現時点取れる対応策はないものだろうか。携帯の上で対処可能な範囲の対応で間に合わせるより仕方ないのだろう。どうにかしよう。》

携帯メールによるいじめの代表例が「なりすましメール」。他人のメールアドレスを勝手に送信元として使って嫌がらせの内容を送る。(@以下が「39ne.jp」「poohmail.jp」「OLmailto」「fmail.to」などで広告用URLがついたメール)を30〜40個取得してクラス中の人間になりすまし、特定の生徒に集中して送りつける場合もある。

通信各社はなりすましメールを迷惑メールと位置づけ、受信を拒否する機能を携帯電話に付けている。
 各社の受信拒否の設定
 ♦NTTドコモ
   iモードボタン→iMenu→お客さまサポート→各種設定→かんたんメール設定→いらないメールを拒否→受信拒否 強
 ♦au
   メールボタン→Eメールメニュー→Eメール設定→メールフィルター→暗証番号入力→カンタン設定→フィルターレベル(低)
 ♦ソフトバンク
   「Y!」ボタン→設定・申込→迷惑メール対策らくらく設定→「英文迷惑メール対策」か「初期設定に戻す」→設定

《携帯を持たない私には操作するのが難しそうだ。かんたん、カンタン、らくらく、とそれぞれ謳っているが、言う程簡単ではなさそうだが、どれも階層を6〜4層潜らなければならない。被害者になるかも知れない危険な玩具を、親が買い与えただけの小中学生らにも、本当にらくらくの操作で拒否設定ができるのだろうか。》

不幸な手紙のメール版「チェーンメール」もよく使われる。手紙時代と違うのは、気付かれないように携帯電話のカメラで撮った相手の下半身などの画像を添付し、嫌がらせメールとして送る点だ。チェーンメールは転送する必要はないが、不安な場合は、同協議会や総務省が委託する迷惑メール相談センターに送ればいい。
 チェーンメールの送り先
 ♦全国webカウンセリング協議会
   chain01@web-mind,jp
   (@の前がchain02〜chain10も同じ)
 ♦迷惑メール相談センター
   risu1@ezweb.ne.jp
   (@の前がrisu2,risu3も同じ)
   dakef1@docomo.ne.jp
   (@の前がdakef2〜dakef5も同じ)
   kuris1@t.vodafone.ne.jp
   (@の前がkuris2も同じ)

学校裏サイトは、同協議会が9月、全国の約10万件のリンク集(http://web-mind.jp/gus)を公開した。ただし、教育関係者限定。検査は難しく、中傷などを削除したい場合は慎重を要する。

「掲示板に『こういう書き込みはやめなさい』と書き込んではいけない。逆に攻撃の対象になる」と安川はいう。問題の画面は必ずURLを控えて印刷しておき、掲示板の管理人に削除依頼をする。依頼方法はサイトごとに違い、「削除依頼」のメニューの掲示板やメールなどで受け付ける。

削除依頼の書き方も重要で、理由は簡潔に、本名や連絡先は不要、匿名でよい。
 ♦件名:【削除願います】スレッドタイトル:○○、№××
  本文:○○掲示板内(http://WWW.・・・)に書き込まれたコメント、№××が個人への中傷に当たりますので削除をお願いします
〈受信拒否の設定、チェーンメールの転送先、削除依頼の書き方など、「『学校裏サイト』からわが子を守る!」(中経出版)などを元に毎日新聞側で作成)

ただ、削除依頼が通じるのは大手のものだけ。携帯電話を使った生徒の裏サイトなどは応じないため、同協議会(電話:03・3535・0511)に相談して欲しいという。

安川は、「携帯を使わせる前に、子どもにネットの怖さを教えることが最も大事。親はプロフィルサイトなど子どものネットの世界を自分で見てほしい」と語る。

《最後は親、保護者の問題に行き当たる。ますます低年齢化する携帯の所有層。親が子どもと密に接している場合はまだ良いが、子どもと連絡が取れさえすれば携帯の役目は終わるような親子関係では、子どもの交友関係の広がりは親の目には触れなくなる。子どもがどのような環境下に置かれているのかも掴めなくなる。いじめはそのような隙間に侵入して来るのだ。庇護下にある子どもには、プライベートなど許されない。保護者は携帯を常にチェックをし、監督、教育をする責任、義務があるのだ。》

《昨晩たまたまNHKテレビで「その時歴史が動いた」でわずか19歳で夭逝したアイヌ民族の復権を訴えた女性、知里幸惠を見た。明治政府によって神を取り上げられ、言葉を取り上げられ、日本民族同化策の中から、彼女がアイヌからたった一人、女学校(当時は土人学校と言った)へ上がった時、北海道に本土から開拓民として渡っていた家族の学友から“ここはあんたなんかの来る所じゃない”と蔑まれた話。今、話題のいじめそのものだが、状況は現在以上に苦しい壮絶な立場だったと思う。金田一京助との出会いを機に、民族が語り継いできた伝承を文字にして記録。心臓の病を押して執筆を続け、原稿を書き終わったその夜、机に向かった姿で息を引き取る。その数年後、1922(大正11)年、「アイヌ神謡集」が本になって出版された。いじめをばねに、いじめに負けず、命を賭けて己を磨いた素晴らしい女性だった。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月15日 (水)

ネットいじめ

毎日新聞(10/15)から
インターネット上に悪口を書き込まれるなどの「ネットいじめ」の被害を受けた中高生の割合は8人に1人に上ることが、埼玉県の「ネットいじめ等対策検討委員会」(委員長・下田博次群馬大特任教授)の大規模調査で分かった。

調査は県教育局が7月、県内全公立中学、高校583校と、各校から中3と高3を1クラスずつ抽出して実施した。中3は計1万3605人、高3は計5724人が回答した。
 ネットでいじめられた経験がある生徒の割合は12・6%
  中学生 ・・・ 11・4%
  高校生 ・・・ 15・3% だった。
加害者は同級生や先輩が51・9%。ネットいじめの特徴である匿名人物からの攻撃も46・1%に上った。

1件でもネットいじめが「あった」とする学校の割合は、全体の3分の2に当たる407校。いじめを学校側が知ったきっかけ(複数回答)は、85%のケースが被害者本人からの相談で、教職員が発見したのは15・2%だけだった。ただ、いじめ被害者のうち、誰にも相談していない生徒の割合も32・4%おり、学校が把握したいじめは、一部に過ぎないとみられる。

また、アダルトサイトから利用料金の不正請求を受けたことがある生徒の割合は、中学生8・7%、高校生18・5%だった。一方で、こうした有害サイトへの接続を制限する「フィルタリングサービス」を利用する生徒の割合は、17・1%にとどまっていた。

調査結果は調査中の「ネットいじめ等対応マニュアル」に反映し、ネットいじめの撲滅を目指す県民向けのアピールも検討する、としている。

《埼玉県のデータで全国を推し量ることが妥当であるのかどうか分からないが、当たらずと雖(いえど)も遠からずだろう。何故こうも下らない調査ばかりやっているのだ。幾ら多くの数字を積み重ねても何も対策は生まれない。それに対策は県民向けだということだが、県民の誰に向けているのだろうか。闇くもにアピールしたところで効果はない。いじめ問題で一番の対策の核心は、いじめられている子どもたちではなくて、いじめている子、それ以上にその保護者へ届く効果あるアピールでなくては意味はない。

《また、いじめられる機会を生む玩具を買い与えているのは親であり、保護者だ。使い方も指導しないで無闇に買い与えるだけだ。携帯は必需品ではない、子どもにとっては贅沢品であるばかりではなく、有害物だ。携帯を持たなければ、そして見なければいじめは存在しないのと変らない。ある人は「現実と仮想の区別がつかない人を生む可能性もあると思う。だが、子どもたちへの教育や悪質な情報は見られないような改善を進めれば、子の素晴らしい技術の便利さを存分に享受し、より良い生活が送れるのではないか」(読売・7/20 男性18)という。だが、彼が言う教育など前から叫ばれていて少しも効果のないことは実証されたも同然だ。それどころか、一層状況は悪化している。フィルタリングだってあるのに、親、保護者は指導できないのが実態だ。

《中には、次のような母親もいるのだが。「中学2年の三男に、有害サイトへ接続できないようにフィルタリングした携帯電話を与えています。初めは珍しがって四六時中触っていましたが、そのことを何度か注意したら、この半年は離れて暮らす大学生の兄たちとの会話以外に使う姿をめったに見なくなりました。子どもに携帯電話を持たせた保護者は、子どもが正しく使いこなせるまで、責任を持って指導監督すべきです。個人の自由が広く認められている現代だからこそ、一人ひとりに自覚が求められ、その責任も重いことを教える必要があるのです。パソコンや携帯電話はあくまで道具。人間が振り回されてはなりません」(同・女性47)。このように考えられる親でない限り、子どもに携帯など持たせるべきではない。いじめは教育問題ではない。親の自覚がない限りなくならないものだ。

《子どもには携帯持たせない運動の石川県野々市町のように、買い与えないのが最良の対策だが、それにしても保護者の自覚のなさは呆れるばかりだ。せめて最低限度の予防対策となるフィルタリングでさえ、導入17・1%とは。

Net001 インターネット
 政府や企業、大学・研究機関など、大小様々なコンピューターネットワークが接続されることで、結ばれたネットワークの集合体。米国防総省が中心となって、1969年に作ったコンピューターワーク「ARPANETが母体。米国で89年に商業利用が解禁され、急速に広まった。(読売・7/20より)

《明日は、運転免許証書更新に当たって、事前の高齢者講習がある。それでも時間がとれれば、ネットいじめに対して、子どもを守る最低限の撃退法を毎日新聞が記事にしている、これを書いてみたい・・が、1日のびるかもしれない。》

              -- つづく --

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月14日 (火)

学生(大学)の成績を父母らに通知

毎日新聞(10/7)から
学生の成績を親に通知する大学が増えているという。一部の私大では慣例化していたが、近年、早稲田大などの有名私大や国立大にも広がり、北海道大は今春入学の学生から通知を始めることにした。「成績を知ってもらうことで留年が防げる」「学資を出す人への説明責任がある」などが主な理由だが、大学内部には「学生を子ども扱いしていいのか」との懐疑的な意見もあるという。

「12学部でアンケートを取ったが、表立った反対はなかった。『もう大人なのに』との異論はごく一部だった」。今春、全学部生の成績表を送付することを決めた北海道大の脇田稔副学長はそう話す。

北大の場合、狙いは「学生のメンタルヘルス対策」という。欠席や留年を経て心身に不調をきたす学制もいることから、履修状況や成績を父母らに伝え、危機意識の共有を図るのだという。

国立大では、東北大が06年度から工学部など3学部で通知を始め、04年度から一部で導入した横浜国立大は現在、3学部で実施している。埼玉大と滋賀大も昨年度から全学部で始めた。一部学部で通知する神戸大は「国立大学法人になり、保護者へのサービス向上に努める必要がある」と説明している。

  〈主な大学の成績通知状況〉

  北海道大  全学部通知
  東北大   一部学部で通知
  宇都宮大  全学部通知
  筑波大   実施していない
  埼玉大   全学部通知
  東京大   実施していない
  一橋大   実施していない
  千葉大   一部学部で通知
  横浜国立大 一部学部で通知
  名古屋大  実施していない
  和歌山大  全学部通知
  京都大   実施していない
  大阪大   実施していない
  三重大   一部学部で通知
  神戸大   一部学部で通知
  九州大    検討中
  早稲田大  一部学部で通知
  慶応大   全学部通知
  法政大   全学部通知
  上智大   全学部通知

一方、私立では、慶応大が50年以上前から通知しているが、明治大(97年)や法政大(99年)のように近年、通知を決めた大学も少なくない。

「わが子の成績を教えてほしい、という保護者の要望が増えてきた。大学と保護者が連絡を密にすることで、きめ細かい学生指導ができる」。4年前から成績送付を始めた早稲田大文学部の担当者は必要性を強調する。ただ「自学自習」をモットーに学生の自立を重んじる学風だけに、一部の教授からは「早稲田らしくない」と反対の声も上がったという。早稲田大では政治経済学部や理工学部も全学生の成績を通知し、人間科学部や法学部は成績不振の学生の親に送っている。

法政大の担当者は「以前は卒業式に参列したらわが子が見当たらず親が初めて留年を知るなんてこともあった。成績通知後はそんなことはない」と笑う。ある私立大職員は「親に言われないと勉強をしない学生もいる。履修科目の相談など学生がすべき問合せを親がしてくるケースもある。学生も保護者も以前とは変った」と漏らした。

《ヘリコプターペアレントや、甘やかされて自立の精神など持たずに育った坊やにお嬢さまたちだ。メンタルヘルスにバランスを崩すのも当然のような気がする。それだけに壊れ物に触れるような大学側の痒いところに手の届く気の配りようだ。身体だけは大きくなっても、こころは大人になり切れなていない子どもたちだ。大学にまで行って親に言われないと勉強しない人間など、運よく卒業できても、社会に出てきたところで何の役にも立たない。あれこれ言ってくれる親がいなくなった時、どう生きるのだろうか。》
 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年10月13日 (月)

電車でゲーム

06年、4月から本格的なワンセグが開始される直前のころだった。電車内は携帯電話を手にした若者たちが脇目も振らず、前屈みになった姿勢で一心不乱にボタン操作をしている姿が無気味で異様な光景に映っていた。一車輌内に10〜15人はいたろうか。携帯電話の電話機という機能が副次的なものに変化し、ゲームの遊具の中にたまたま電話が掛けられる機能もついている玩具になりつつあった。

それからおよそ2年半、ゲームを楽しむには携帯同様にハンディで、より強力な機能が組み込まれた専用のゲーム機があれば楽しみは倍増する。そこに目を着けたゲーム屋の智恵の結晶が現在大流行の「癒し」や「スキルアップ」ソフトとなった。

春一番の風が吹き荒れた今年2月23日以来都心には出掛けていない。当日はロートレック展に行った日だが、電車内は言うに及ばず、歩きながら携帯をいじり、肘がぶつかっても素知らぬ顔の女性の幾人かのことには触れて書いたが、その時にはまだ車内でゲーム機は見かけなかったと思う。現在、電車内で大勢の人間が黙々とゲームと睨めっこする異様な風景を、当人たちは異様とは感じていない普通のことだが、見慣れていない人間にとっては目にすれば、やはり異様を通り越して無気味だろう。

毎日新聞(10/9)から。東京勤務を始めて半年、地下鉄通勤をしている記者が車内風景をレポートした。

会社帰りの会社員らで込み始めた夕方の地下鉄。乗り込んで来た30歳ぐらいの男性が空席を見つけて腰を下ろし、カバンからゲーム機を取り出し、身を屈め指を動かし出した。隣に座っていた30歳ぐらいの女性が怪訝(けげん)そうな顔で2、3度が面をのぞいた。

周囲を見回すと、向いに座る中年男性も、イヤホーンを耳にはめて両手でゲーム機を握っている。出入り口付近に立つ30代のスーツ姿の女性はピンク色のゲーム機の画面をタッチペンでなぞっていた。車輌を先頭から最後尾まで移動してみたが、どの車輌にも、ゲームをする人がいた。

一昔前には、電車内で漫画を読む大人が増えていると話題になったが、最近は専らゲームだ。若い男性だけではない。半数近くは女性だろう。年齢層は上は50代くらいまでと幅広い。東京・大手町付近の地下鉄車内でゲームをしていた人に聞いてみた。経営コンサルティング会社に勤務する男性(32)がやっていたゲームソフトは「プロ野球チームをつくろう!」。プレーヤーがプロ野球チームのゼネラルマネジャーに就任し、球団経営のための資金調達、球団スタッフの人事、選手の育成など各方面の指揮を執って世界一のチームを目指す。立て続けに商談の予定があるといい、「移動中の暇つぶしにちょうどい」という。

出入り口付近に立ち、一心不乱に指を動かしていた印刷会社勤務の女性(32)は「手持ちぶさただから」と。敵を倒しポイントを稼ぐ対戦型ゲームをしていたが「恥ずかしくて言えない」とタイトルは教えてくれなかった。

次に声を掛けたのは、34歳の主婦。白いカーディガンにベージュのスカート、ゲーム機はあまり似合わない。どんなゲームをやっているのかと聞いたら、ゲームではなく「DS文学全集」だという。1本のソフトに芥川龍之介の「羅生門」をはじめ夏目漱石や小林多喜二などの名作100作が収録されている。この日読んでいたのは、新美南吉の「花のき村と盗人たち」。「100册分の本は持ち歩けないけれど、これならいつでも好きな本が読めます」と。

大手家電メーカー勤務の男性(35)は、「えいご漬け」。イヤホンから聞こえてくる英単語や英文を聞き取り、ゲーム機の画面にタッチペンでつづりを書き込むと採点してくれる。「いい大人が電車内でゲームをするのはさすがに恥ずかしい。英語や漢字の勉強に使っています」とのことだった。

ゲーム情報誌「ファミ通」を発行するエンターブレインの浜村弘一社長によると、携帯型ゲーム機が爆発的にヒットした背景の一つに、ライフスタイルの変化があるという。「携帯電話やインターネットなど情報機器の発達で仕事のスピードアップが要求される時代に、ちょっとした時間にどこででも遊べる携帯型ゲームがフィットした」のだという。

電車内で使われていた携帯型ゲーム機の殆どは、ニンテンドーDS(任天堂)とプレイステーション・ポータブル(PSP、ソニー・コンピューターエンタテインメント)の2機種。

DSは、折り畳み式で付属のタッチペンやマイクを使い誰でも簡単に操作ができるのが特徴だ。04年の発売以来、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」(通称・脳トレ)の大ヒットをはじめ、学習系・実用系ソフトが充実。ゲームとは無縁だった高齢者や主婦層の開拓に成功した。9月末までに2348万台以上を売り上げた。電車内でDSをしていた人のほとんどは、これまであまりゲーム経験はなく、ここ1、2年のうちに購入したと話していた。

とはいえ、電車内でゲームをすることには抵抗感を持つ人も少なくない。

出版社で働く女性(34)は、「自宅ではダイエットのカロリー計算ソフトを使っているが、電車ではしたことがない。人前でゲームをするのには違和感があるし、こんなプライベートな姿を人に見せたら終わりだと思う」と語る。また、元大学教授の男性(81)も、「電車内は一人でじっくり物事を考えられる貴重な空間。もっと有効利用すべきだ」と批判的だ。ゲームの内容は昔と大きく変ったが、ゲームに対するイメージは簡単には変らないようだ。

「ゲームは『楽しいから遊ぶ』ものだったが、忙しい大人にとっては『楽しくて役立つ』ことが重要になっている」と浜村社長は語る。最近のソフトの特徴は「癒やし」と「スキルアップ」だという。05年11月の発売以来、9月末までに473万本(エンターブレイン調べ)を売り上げたDSの癒やし系ソフト「おいでよ、どうぶつの森」が面白いと聞き、記者も家電量販店でDS本体(1万6800円)とソフト(4800円)を購入した。

このソフトは、プレーヤーが動物の村に引っ越し、釣りや虫捕りなどをしてのんびり過ごす。アルバイトをしてお金をため、部屋のインテリアを揃えたり、ローンで家の増築もできるそうだ。

深夜、仕事を終えて自宅に帰り、早速電源を入れると、のんびりした音楽が流れて来た。「役場」で住民登録を済ませ、タヌキの店で配達などのアルバイトをしてみた。ゲームに登場してくる住民(動物)と会話ができる。いつも好意的で、誰も怒ったりしない。意地悪もされない。仕事や人間関係で疲れた時には、ついホッとしてしまう。

ゲームをするのはいつも帰宅後の深夜。ゲーム内の時刻は現実の時刻に合わせて変化するため、日中に開催するフリーマーケットなどのイベントは自宅では体験できない。昼間に移動中の電車内でやってみようかと、ゲーム機をバッグに入れて持ち歩いた。車内がすいている時に取り出してみたものの、落ちつかない。2〜3週間持ち歩いたが、やっぱりできなかったという。

《記者が手にした癒やし系と呼ばれるゲーム。動物のむらに引っ越したり、釣りや昆虫捕り、アルバイトをしてお金をためる。ローンで家の増築をする。改めて驚く、現実逃避の何ものでもない。砂上の楼閣を作り上げては現実とのギャップにストレスを溜め、却って消化不良を起すだけだろう。現実から逃げることが癒やしとは驚きだ。動物と会話したり、誰も怒らない社会、意地悪もない、あり得ない世界に逃避することが癒やしになるとは余程世の中を甘えて過ごしている連中だ。私なら蹴飛ばしたくなるロボットの犬や猫に癒やしを求めたりすることは決して心の健全な人間じゃない。電車内の空間は、機械に奉仕するために、逆に言えば機械に支配されるためにあるのではない。これなら目を瞑ったままでヘッドホンから流れる音楽を聞いているか、眠っている方がよほど癒されるのではないだろうか。忙しい時にこそ必要なことは、何も考えず、何もしないでボーッとして頭を休める時間が1番だと思うのだが・・・。

| | コメント (2) | トラックバック (3)

2008年10月12日 (日)

日本は眼中にない米、「北朝鮮テロ指定」解除 - 2 -

日本は眼中にない米、「北朝鮮テロ指定」解除

毎日新聞(10/12)から 要約と(《》内は私見)
米国務省は11日午前11時(日本時間12日午前0時)、北朝鮮のテロ支援国家*指定解除を発表した。北朝鮮が申告した核計画の検証を巡る対立で先送りしていた指定解除をしたことで、北朝鮮は寧辺の核施設再稼働に向けた作業を中断し、核施設無能力化を再開するとみられる。解除に慎重な対処を求めていた日本政府は押し切られた形となった。

 * テロ支援国家 -- 米国務長官が国際テロ年次報告書で指定した国々を一般的にそう呼ぶ。最新の07年度版では北朝鮮のほかに、キューバ、イラン、スーダン、シリアの4カ国を指定。指定解除には
 1、過去6ヶ月間に国際テロを支援していない
 2、対象国が「将来も支援しない」との保証を得る
とともに、解除の45日前までに報告書を議会に提出する必要がある。北朝鮮は、87年11月に北朝鮮工作員による大韓航空機爆破事件が起きたことを受けて指定された。

◆テロ支援国家指定で科されていた制裁
 1、対象国への武器輸出の禁止
 2、対象国への軍民両用技術、製品輸出の制限
 3、対象国への経済援助の禁止
 4、国際金融機関による対象国への融資に米政府が反対

解除は大韓航空機爆破事件の翌年1月の指定以来、約20年8ヶ月ぶりとなる。ライス国務長官の署名で11日発効となった。緊急会見したマコーマック報道官は「求めていた検証項目はすべて合意に達した」と強調したが、来年1月に任期切れになる死に体のブッシュの最後の帳尻合わせの北朝鮮への歩み寄りだ。

《そこにはやはり「拉致問題」は口約束の外交辞令で、日本など全く眼中にないお粗末な妥協だ。ブッシュと電話で話したという麻生はブッシュは拉致問題について「強い気持ちを抱いている。日本国民の懸念と不安を理解している。拉致被害者家族への深い同情の気持ちを伝えたい」と語ったが、ブッシュは6月にも同じことを口にしている。「絶対に忘れない。日本と協力し、北朝鮮に圧力をかける」と、言葉は便利だ、同情のフリは幾らでも何度でも出来る。

《しかし、何とも情けない、アメリカに頼らなければ日本独自で解決することができないのだ。指定解除をカードに北朝鮮と駆け引きを展開する米国の圧力に頼ってきたのが現実だ。日本政府は経済制裁の半年間延長を決定したが、テロ指定解除に伴い、改めて6カ国協議が再開されると北朝鮮への援助も本格化する。日本だけが制裁を続けることに他の4カ国との間に軋轢が生まれることも懸念される。》

今回、米国が北朝鮮との合意を優先し、6カ国協議での正式合意を経ずに指定解除に踏み切ったことで、実質的に6カ国協議の空洞化が進む可能性もある。外務省幹部は「6カ国協議が動くことで、拉致問題も動くかも知れない」と期待を語るが、指定解除という成果を得た北朝鮮が、日本に対し、関係改善に乗り出す保証はない。

《外務省幹部のような楽天的な見方が国内関係者の拉致問題の捉え方なんだ。大国アメリカを手玉に取るような北朝鮮にはアメリカが先に折れたのが今回の指定解除と見られる。ブッシュの足元で尻尾を振って諂うような日本の歴代総理たち。甘い言葉で頭をなでられて信じた結果が今回のうっちゃり劇だ。麻生も同じように「テコ」をうしなったわけではない。とブッシュの口先に頼るようだが、相手のブッシュはもう抜け殻だ、その言葉を有り難がっていては、何も解決できないことに気がついて欲しい。それに、拉致被害者の命には限りがあることを忘れないで欲しい。》

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年10月11日 (土)

哺乳類の25%が絶滅危機

毎日新聞(10/7)らら
先立つ4日、読者からの質問に答える『なるほドリ』欄に、絶滅はどうやって決めるの?と訊ねた人がいて、回答が載っていた。回答は江口一(科学環境部)。

人口繁殖したトキが新潟県佐渡市で放鳥された。新聞には「国内産が絶滅したトキを復活させるため」と書いてあったけれど、誰がどうやって絶滅したことを決めたのだろうか。

◆最終的には環境省の専門家会合が判定するが、現在の基準は90年代に作られたものだ。そこで決められた「絶滅」の基準は、過去に国内での生息が確認されていたのに、今は人工飼育環境でも生存していないと考えられる状態をいう。ニホンオオカミがその代表的な例だ。トキの場合は人工飼育の環境で生存しているから、正確には「野生絶滅」ということにいなる。

Q でも、「いない」と判断するのは難しいが。

A そう、基準では「信頼できる調査や記録で絶滅が確認されたり、生息が確認できなかった」とされている。調査や記録とは公的機関などによるものを指すが、これがなかったり、情報量が少ない場合が問題となる。その場合は「過去50年前後に信頼できる生息情報が得られていない」ことが判断材料となる。生息情報には住民の証言、目撃なども含まれる。

Q 半世紀とは随分ながいが。

A そのケースに近くて、一番有名なのはニホンカワウソの例だ。ニホンカワウソは70年代に高知県などで生息が確認されたのを最後に、確実な生息情報はない。しかし80年代に「ニホンカワウソと思われる」情報があった。だから、現時点では「50年間情報がない」という定義に当てはまらず「絶滅危惧種」、つまり絶滅の危機にある種に分類されている。

Q コウノトリは。

A 05年に放鳥が始まったコウノトリは、71年に国内の野生種がいなくなっていた。02年に兵庫県・豊岡盆地に大陸から来たとみられる野生コウノトリが31年ぶりにすみつき、「八五郎」の名で親しまれた。だから、こちらも絶滅危惧種に分類されている。

◆環境省は、絶滅種や、その恐れのある種を集めた「レッドリスト」を作っている。掲載されている絶滅危惧種
の動植物は3155。人間の活動が、多くの野生動物の生存を脅かしていることを忘れたくない。

【閑話休題】
各国政府や非政府組織(NGO)などで構成する国際自然保護連合(IUCN*)は6日、世界の哺乳類のうち4分の1は絶滅の危機にあるとの調査結果を公表した。人間活動の影響による生息地の消失や環境の悪化が最大の原因と指摘している。調査結果は10日付の米科学誌サイエンスに掲載される。

 * IUCN (International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)1948年に創設された。本部はスイスにあって、国家、政府機関、NGOなどを会員とする。日本は1978年環境庁が政府機関として初めて加盟。1995年に国家会員として加盟した。なお、国内の18団体が加盟している。

IUCNは絶滅危惧種を掲載するレッドリストを見直しており、全哺乳類の調査は96年以来、12年ぶりだ。世界130カ国の専門家約1800人が協力し、世界の哺乳類5487種の分布や保護の状況を、5年間かけて評価した。

その結果、1500年以降、最低でも76種の哺乳類が絶滅した。動物園などで生き残り野生で絶滅したのは、中国のシフゾウ(シカ科)とアフリカ・サハラ砂漠などのシロオリックス(ウシ科)など。

現在、少なくとも1141種が絶滅の危機にあり、情報が不十分な種を考慮すると、その割合は約4分の1に上った。最も危険度の高い1A類は188種にのぼり、このうち中国のヨウスコウカワイルカなど29種は、すでに絶滅した恐れがあるという。初めて評価対象とした海洋哺乳類120種については、約3分の1に絶滅の恐れがあるとした。陸上では、南・東南アジアで霊長類の79パーセントが絶滅危機にあった。

保護活動によって絶滅危惧種の5パーセントで野生個体数の回復の兆しがみえると分析。IUCNは保護活動の有効性を強調した。

一方、IUCNは最新の絶滅危惧種に、哺乳類を含む動植物4万4838種のうち、38パーセントの1万6928種が分類されると発表した。

《いまのところ細菌やウイルスなどよりも、繁殖力旺盛な人間が絶滅危惧種に入ることはないのだろうが、多くの動植物が危機に瀕しているようだ。その原因の多くが人間の生存活動による影響だという。化石燃料は枯渇、森林伐採による砂漠化、二酸化炭素の排出量の増加による地球の温暖化。日本では人口減少が問題だが、地球規模では食料資源の乱獲でも追いつかない人間の繁殖力だ。

《片一方で、絶滅危惧種が増え続けている。考えようによっては致し方ないことだ。地球が生まれてどれだけの動植物が絶滅していったか。40数億年の地球生成の過程で早い時期に死滅した恐竜やマンモスは例外としても、環境の変化によって消滅していくことは防ぎようのないこととも思える。絶滅危惧種の38パーセント、1万7000近い中の1つや2つの保護に成功したところで、ニホンザルやシカのような再び殺戮しなければならない状況だって発生することもある。

《美しい自然を未来のために、は美しい標語にはなるだろうが、地球のいのちはまだおよそ40臆年はあるということだ。今の世紀に生きている人間が、何世紀のあとまで責任がとれるのか分からないが、これ以上絶滅危惧種を増やさないためには、環境破壊を思いとどまり、動植物と人間との共存をはかることが必要だろう。まかり間違えば、繁殖力が強く多少の智恵があるとは言え、人間が絶滅危惧種に入らないとは限らない。》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年10月10日 (金)

歴史、文化、環境から捕鯨を考える

毎日新聞(10/7)から
 感情的な対立を招きがちな捕鯨の是非について、歴史、文化、環境など多様な側面から掘り下げようとする市民セミナー「捕鯨論争」がこのほど京都市内で開かれた。総合地球環境学研究所(地球研、京都市北区)の主催。『クジラとヒトの民族誌』などの著書があり、捕鯨肯定の立場に立つ秋道智弥・地球研副所長(生態人類学)と、国際環境保護団体のグリーンピース・ジャパンの事務局長で反対派の星川淳さんが議論を戦わせた。

秋道さんは、浜に漂着したクジラを食べたニュージーランドの先住民、マオリの人々が「クジラは『海の贈り物』で、食べることは文化、伝統だ」と話したことなどを紹介したうえで、「人が生きるための捕鯨(生存捕鯨)ならいいという考え方には差別感がある。食べなくても、先進国でのイルカショーなどはイルカ、クジラへのハラスメントだ。一方、食べることは消費だが、その行為は歴史や文化と深くかかわっている」と話した。

さらに、ソウル五輪(88年)開催時、町で営業していた犬肉料理店が閉鎖に追い込まれたことや、英国では犬を愛護する一方で食用のウサギが店頭にぶら下げられていることに触れ、「食用にすることの是非を問う裏に、大きな偏見が横たわっている」と締めくくった。

これに対して、星川さんは「グリーンピースは鯨肉を食べるなとは言っていない。南極海で日本政府がしている『調査捕鯨』は商業捕鯨に他ならず、日本国民の公益にはなっていないので、やめたほうがいいと言っている」と主張した。「自国の排他的経済水域内で合意をとり、やっていけばいい。ただし、日本はこれまで各地であまりにも無理なことをしてきたため、国際社会は信用していない。まず南極海での捕鯨をやめれば、国際社会は日本をもっと理解してくれるはずだ」と続けた。

その後、地球研の湯本貴和教授(生態学)の司会で、討論を展開した。「捕鯨の文化的な価値」に着目する会場からの質問を受け、星川さんは「伝統をどういうスパンで見るか。江戸時代まで遡れば伝統か、明治以降でも近代遺産ととらえられるのか。何を大事にして、将来に何を残すのかという選択の問題だ」と指摘。

これに対し、秋道さんは「食文化だけではなく、人間関係や信仰など、網の目のように張り巡らされたものが文化で、総合して守らなければならない」と反論した。

捕鯨問題だけでなく、人間と生物の関係を考える時には「線引き」が問題になる。象牙の利用は許されるか、動物を殺して食べる肉食はいいのか、三味線の製作に野良猫の皮を利用するのはどうか。簡単に答えは出せないが、相反する意見に耳を傾ける姿勢こそが第一に問われている。

《要は、動物の‘いのち’の問題だ。野良猫のいのちも、豚のいのちも、牛のいのちも同じ生き物のいのちだ。クジラがいけなくて豚や牛がいい理屈はない。また、クジラが知的生物だから殺してはいけない、というのもお笑いレベルの言いぐさだ。ただ、日本の行なっている調査捕鯨の実態がはっきりしない。星川氏が言うように、商業捕鯨と言われても仕方ない面もある。いっそ、商業捕鯨とはっきり言えば余程すっきりする。商業捕鯨として往年のような乱獲にならないように、国際監視のルールを作ればよい。

《私は、これまでも日本の捕鯨を是として来たが、食文化だからではない。それは生き物のいのちに軽重の差はないから、ただそれだけだ。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 9日 (木)

たばこ やめられない

値上げの下準備が着々と進んでいるようだ。1000円でどうだろうか、だめなら500円辺りでどうだろうか、が一段落したと思ったら、税収入の計算まで裏づけ(‘あれ’と‘これ’)した。そして今度はお前たち一体、幾らまで値上がりしたら止めるかね、と来た。

兎にも角にも、それほど悪いものなら栽培することも、売ることも禁止することにすれば一挙に解決する、と言って来たが、税金だけは欲しい政府は“いけない、いけない”と言いながらいつまでも売り続ける。

毎日新聞(10/9)から
喫煙習慣のある中学生や高校生は、大人よりも「たばこが値上がりしても喫煙はやめない」と考える傾向が強いことが、厚生労働省研究班(主任研究者、大井田隆・日本大教授)の調査で分かった。たばこは若年層ほど依存度が高くなることが関係しているとみられ、研究班は「禁煙をすすめる対策として価格を上げるなら、最低一箱1000円程度にしないと未成年者には効果がない」と指摘している。

昨年12月〜今年2月、全国の中学校130校、高校109校の計約9万人を対象に調べた。
 1ヶ月以内に喫煙したのは全体の5%。この層に、たばこ価格と喫煙行動の関係を聞いたところ、1箱600円では「やめる」が25%にとどまり、1000円で「やめる」(42%)が「吸い続ける」(29%)を上回った。一方、喫煙しない層に「いくらなら、たばこを始めないか」を尋ねると、最も多い回答は「1500円」(38%)だった。

別の厚労省研究班の調査では、成人の喫煙者の過半数が禁煙を決断する価格の平均は、依存度が低い層で1箱467円、高い層でも706円と、中高生より安かった。

研究班の尾崎米厚・鳥取大準教授(環境予防医学)は「未成年者は短期間で依存度が高くなり、調査では喫煙者の約1割が高度のニコチン依存だった。喫煙者の3分の1は月に3000円以上のたばこ代を使っており、中途半端な値上げでは喫煙習慣は止められないだろう」と分析している。《ますます政府は心強い味方が増えたようだ。》

《私が喫煙していた17年前までは、月に1・4〜2万円(常用は紙巻きピース150〜240円だったか、卓上用には缶ピース、外出時はパイプ等)を下ることはなかった。兎に角ヘビーだった。》

《一昨日だったと思うが黒鉄ヒロシがテレビマンと1対1でタバコの是非を話し合っていた。黒鉄は喫煙する側だった。たまたまチャンネルをいじっていて耳に入り、最後の数分だけ聞きかじった。値上がりに関して黒鉄は、自分は、「一箱1万円でも吸う」と話していた。そして、対談が終わった途端に紙巻きたばこに火をつけて、うまそうに深々と吸って煙を吐いた。

《しきりに海外の、特にイギリスの高いたばこを引き合いに出す人間がいるが、消費税5%を上げることすら目を剥く日本人には想像もできない高い税を納めているヨーロッパの国々の、根本的な税制度の違いもあることを勉強してから発言して欲しいものだ。日本の国は無駄遣いを止めるだけでいい、たばこの値上げなど不要なほど隠し財源はある。》

Futannritu_2Zeisyuu

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 8日 (水)

高齢者虐待、加害者の86%が同居家族

息子・娘が高齢の親を虐待 07/10/02

上の記事は丁度1年前のものだ。今回どのように変わっているだろうか。世の中の敬老の精神は姿を消し、自分さえ良ければ総て良しの風潮はますます広がっているのではないか。

毎日新聞(10/8)から
 07年度に確認された高齢者虐待の件数は1万3335件で、前年度より712件(5・6%)増加したことが、厚生労働省の調査で分かった。表面化する高齢者虐待は「氷山の一角」との見方があるが、厚労省は「自治体への相談や通報が前年度より1割近く増え、周囲が早期発見を心掛けるようになったことで発覚しやすくなった」とみている。

06年施行の高齢者虐待防止法に基づく調査で、今回が2回目。虐待確認件数は、家庭内が1万3273件(前年度1万2569件)、グループホームなどの施設内が62件(同54件)で、ともに増加した。殺人や介護放棄による致死、心中などの死亡事件は27件(同31件)。相談・通報件数は前年度より1587件増え、2万350件だった。

家庭内虐待の被害者は77%が女性で、約7割が要介護認定を受けていた。
 加害者は86%が同居の家族で
  息子によるものが・・40%
  夫によるものが・・・16%
  娘によるものが・・・15%
 前回調査と同様に、在宅介護の難しさが改めて浮かんだ形だ。
  本人の通報は・・13%にとどまり
  介護関係者は・・42%
  近所の人や
   民生委員・・・14%だった。
発覚後に一時入院などで高齢者と加害者を引き離したケースは約3分の1で、過半数は同居のまま防止を図った。

また、市町村の防止体制では、前年度は3〜4割台にとどまっていた介護事業所への研修や、NPOとの間で情報を共有する「早期発見・見守りネットワーク」整備に取り組んだ自治体が半数を超えた。

《母親や父親を虐待する実の息子に娘、いずれ自分たちも老人になることを考えないのだろうか。今現在、健在であるとしても、どのような不慮の出来事に遭遇するかも知れないし、健康を損ねるかも知れない。自分と同じように厄介者扱いを受けることになるかも知れない、そうは思わないのだろうか。

《天に唾していれば、いずれは自業自得、因果応報ということもある。我が身に振りかかることになると思うのだが。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 7日 (火)

戦争はまだ終わってはいない—、 放置されたままの「英霊」

 老いの手でブログを開き、2005年5月16日、初めて初稿の“おかあさん”の1文を載せてから、今日で丁度1000件目になった。その間、本文記事のみで21・5万強、マイフォトを含むと30万を超えるカウントを数える方々が寄り道をして下さる幸運に恵まれた。その数は、自身の呼び出しで加算もされるのでほぼ1割は割り引いてとらえる必要はあるのだろうけれど、それにしても恵まれ充実した数年を送ることができた。また、ココログ出版から05年度の掲載分が選ばれて1冊に纏まり、生まれて初めて本を出版するという経験も味わった。これからも老いの一徹で好き勝手なことを文章にして行くことは変わらない。気が向いたおりには再び寄り道して下さることを期待するのみだ。

 なお、Googleが、何時のまにかコメントも含めて私のブログを全面英訳したページを用意してくれている。今、日本文で投稿を終えたばかりの記事が、瞬時に英訳されて日本文のこのブログと同じデザインで出来上がっている。積算されるカウントの数字には英語圏、ドイツ語圏、韓国語圏からの閲覧も増えている。心配は、外国語圏からのコメントが飛び込んできた時、全くコミュニケーションができないことだ。

毎日新聞(10/1)から  要約と(《》内は私見)
《先の第2次世界大戦で身内の人間を失ったこともあって、「後に続くぞ」との軍国少年であったからこそ、その反動としての反戦への思いは人一倍強い。失った人は、海軍の軍人として乗り込んだ巡洋艦がフィリピン沖海戦で撃沈されたため、海の藻屑となってその遺骨は戻ってくることはなかった。》

《硫黄島を始め、南の玉砕の島々に置き去りにされた日本軍兵士の遺骨収集に関する記事は何度も取り上げ書いてきた。そして、私がサイパンやグアムなどの南の島々に観光の旅をしない理由もそこにあることを繰り返し書いてきた。》

《そして今回、南太平洋の激戦の島々で国のためにと戦い、力及ばずも戦死した兵士たちの多くが、敗戦の年から数えて63年の歳月を経過しながら未だに日本に帰ることもできず、白骨の残骸になったままで放置された「英霊」がいることを伝えた記者(沢田 猛:東京社会部)のレポートを目にして、再び書かずにはいられなくなった。》

【閑話休題】
 戦争体験者が急速に減少する中、「戦争の記録」にこだわるようになった。戦後生まれの私(記者)はここ10年余り、休暇を利用して海外の戦場跡や関係者を訪ねている、今年の夏は太平洋戦争だ最大の激戦地の一つだった赤道直下のニューギニア島に足を運んだ。NPO法人「大平洋戦史館」(岩手県奥州市)によるニューギニア未帰還日本兵遺体捜索調査団に同行、その現状を見てきた。日本軍の相次ぐ玉砕で日本兵の白骨遺体は今なおジャングルに眠っている。置き去りにされた未帰還兵からすれば、戦後はいまなお終わってはいない。

《上にも書いた、「未帰還兵からすれば」だけではない。還らぬわが子、わが夫、許婚を待ちながら、生きて会うこともできないまま、すでに他界した母や妻であった人をも失った遺族のものにとっても、また、海の底深く沈み、遺骨も遺品も戻らない遺族にとっても、彼等が生きている限り戦争はまだ終わってはいないのだ。》

《それにつけても、天皇に名を借りて死地に行くことを命じた最高責任者たちが、なぜ、靖国に祀られることになったのだろうか。》

まず訪ねたのはニューギニア北西の太平洋側に浮かぶビアク島*。島の南部のある遺体収容作業現場には白骨遺体が7カ所に散在していた。

 * ビアク島(インドネシア) -- 周囲400キロ、東京都の面積よりやや大きい隆起サンゴの島。敗色濃い日本軍が絶対に確保すべき「絶対国防圏」の最前線の一つだった。米軍上陸は44(昭和19)年5月。日本軍守備隊約1万2000人は死闘の末玉砕、生還者は5%に満たない。いまも1万体以上の日本兵の白骨遺体が放置されているという。

錆びて穴の開いた鉄兜、赤茶けた手投げ弾や歩兵銃の弾丸に混じってセルロイド製の石鹸箱が土の中から出てきた。色褪せたカーキ色の箱の表面には、彫刻刀のようなもので刻み込んだ「岡村貞夫」という文字が読み取れた。

大平洋戦史館の会長理事、岩渕宣輝(67)は「応援部隊として派遣された歩兵219連隊所属の兵士のものとみられる。付近からこの連隊の日本兵の遺品が以前にも出てきた」と話した。 

長兄(当時24歳)がビアク島で戦死した理事の田中幸雄(75)は現場に佇み、「私の兄もどこで死んだか正確には分からない。増援部隊もないまま、野垂れ死にした。これが“棄兵”の現実」と語気を強めた。「英霊」とは裏腹に、現地に見る放置遺体のむごい現実がある。

厚生労働省によると、軍人、軍属などの海外戦没者概数は約240万人で、未送還遺骨概数は約115万人。うち遺骨収集対象は約60万人に上る。厚労省の遺骨収集事業は「75年度で計画的遺骨収集は終了。以降は補完的遺骨収集を継続して実施する」(「引き揚げと援護三十年の歩み」厚生省援護局屁編)との方針を打ち出し、この方針は踏襲され、06年以降は、民間団体の協力を得て集中的な遺骨残存情報の収集を行なっているとしている。収集されるべき遺骨がまだ60万人も残されているのにである。

《人の命を使い捨てにしてきた国の責任は、最後まで無責任のままだ。》

ニューギニアは東経141度を境に西半分がインドネシアのパプア州。州都ジャヤプラ(旧ホーランジャ)から西75キロのベラップ村も訪ねた。この村は米軍の上陸で、敗走する日本軍の撤退路の一つだった。米軍との銃撃戦で、多数の日本兵が撃ち殺され埋められた。その発掘確認調査にも立ち会った。面積にして約40平方メートル。大腿骨をはじめ、多くの骨片と銀歯が1本出てきた。そこには現在は鋪装された生活道路が走る。本格的な遺体発掘作業には多額の資金と現地住民の協力が欠かせない。

戦史館は開館後の99年以降、ビアク島やジャヤプラなど西部ニューギニアに放置された日本兵の白骨遺体480人分を収容、厚労省が行なう遺骨収集事業に協力してきたが、民間の努力には限界がある。

一方、ニューギニアで攻防戦を繰り広げた米国の場合はどうか。米国防総省の調査機関「統合戦時捕虜行方不明者司令部」(JPAC)は第二時世界大戦以降、行方不明の米国人の調査を実施。遺体が埋葬されていると思われる世界各地で発掘作業を行ない、確認されれば、遺骨を遺族に返還している。軍人など約400人で構成され、捜索は今も粘り強く続けられている。遺骨収集に戦勝国も敗戦国もない。日本政府も見習うべきではないのか。

《A級の戦争犯罪者を靖国に合祀し、生きて還るなと命じられて戦死した未帰還遺骨の収集を、途中で投げ出した国の責任者が靖国に参拝する。このような国の歴史を知れば、その国を愛する心など生まれようもないのではないか。》

今回の同行取材で岩渕さんが繰り返し訴えたのは「死者の人権」だった。岩渕さんもジャヤプラで戦死した父(当時34歳)を持つ。「死者は還りたくても、帰れない。生きている私たちが捜索に行くしかない。しかし、国の命令で送りだされた兵士を国の事業として最後まで捜索し続けるのが本来のあるべき姿だ。捜索に『時効』はない。

遺骨収集も国が本腰を入れ、継続して取り組むべき戦後処理の一つだと思う。むせ返るジャングルの中で見た白骨遺体からは「早く日本に帰してほしい」という叫びが聞こえてくるようだった、とレポートを結んでいる。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年10月 6日 (月)

携帯とフィルタリング

毎日新聞(10/6)から。  要約と 《私見》
今年6月、有害サイト規制法が成立し、携帯各社にフィルタリングサービスの提供が義務づけられた。

携帯電話大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル)は9月12日、18歳未満の契約者については既存・新規を問わず来年1〜2月以降、保護者の同意がない限りフィルタリングサービスを全員に適用すると発表した。

携帯サイトの有害情報から子どもを守る有力な対策として、有害サイトへの接続を制限するフィルタリングサービスが義務づけられたものだ。サイト運営会社も問題のある書き込みを24時間態勢で監視するが、どのくらい有効なのだろうか。

有害サイトかどうかは、携帯各社が判断する。対象には
 アダルトサイト
 出会い系サイト
 自殺サイト 
 コミュニティサイト(日記やプロフィルを書き込んで誰とでも交流できる)などが有害サイトとして位置づけられている。

最近、書き込み内容を巡る子どもの事件やトラブルが続出しているためだが、こうしたサイトの利用者は大半が10代のため、サイト運営業者にとって、フィルタリングの強化策は携帯各社にとって生き残るための死活問題となっている。

しかし、有害サイトの対象から外れる道があるのだ。民間団体「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)*」から「認定サイト」のお墨付きをもらえば済むのだ。

 * EMA -- (Content Evaluation and Monitoring Association)は、モバイルコンテンツの健全な発展と、青少年の発達段階に応じた主体性を確保しつつ違法・有害情報から保護することを目的として2008年4月に発足した第三者期間。
 <EMAの主な活動>
 1. 青少年の利用に配慮したモバイルサイトの審査・認定及び運用監視業務
 2. 青少年保護と健全育成を目的としたフィルタリングの検討と推進
 3. ICT(情報通信技術)リテラシー**の啓発・教育活動

 ** Literacy -- 読み書きの能力。ある分野に関する知識、教養、能力

 EMAの認定を受けるには、取り敢えず
 ▽運営業者による常時監視
 ▽青少年に配慮した広告掲載基準の策定
 ▽利用者の年齢管理
など22項目の基準をすべてクリアしなければいけない。

9月16日、「モバゲータウン(モバゲー)」が認定サイトになった。モバゲーは無料でゲームができたり、色々な人とメッセージが交換できる。06年2月の開設からわずか2年半で会員数は1164万人に達し、うち8割は10代と20代が占めている。EMAに認められた監視体制はどんなものか、モバゲーを運営する「ディー・エヌ・エー」(東京都渋谷区)の監視室を覗いた。

約260平方メートルのフロアに、百数十台のパソコンが並んでいる。 24悲観態勢で常時100人前後の監視員(アルバイトと契約社員)が目を光らせる。監視室は新潟県にもあり、東京と合わせ420人態勢。監視費用は年間約8億円に上り、殆どが人件費だという。

監視員は、いじめを示唆するなどの不適切な表現がないか、サイト内の検索を繰り返す。問題と判断すれば削除したり、警告したりする。電話番号やメールアドレスなど、会員同士がサイト外で連絡を取ることにつながる内容も監視の対象になっている。トラブルにつながる恐れがあるためだという。

書き込みは毎日400万件近くに上るため、自動検索で「危険度」が高いと判断された順に監視員が書き込みの内容を1件ずつ読んでチェックして行く。しかし、最近になって、監視網をすり抜けようと隠語を使うケースも増えてきて、いたちごっこの様相を見せ始めているという。

携帯電話の番号はそのまま数字で書くと削除される。そこで、090は「ぜぐぜ」、080は「ぜはぜ」。メールアドレスの中に出て来る携帯電話会社も「こども(ドコモ)」「やわらか現行(ソフトバンク)」英雄(au)」となる。また「死ね」は「氏ね」と書くようになる。同社広報担当は「常に『隠語』情報を更新していかなくてはいけない」と話す。

「死ね」「うざい」という言葉が多く使われていても、本意と冗談の見極めが難しいケースも少なくない。単に日常会話レベルの場合もある。前後のやり取りを注視しながら判断するという。

認定を受けた後でもEMAの監視下に置かれ、22項目の認定基準に違反が見つかった場合は改善指導を受けることになる。

ようやく始まった業界の自主規制だが、疑問や不安の声も少なくない。「決してフィルタリングは万能ではない」と指摘するのは、群馬県で保護者向けに携帯電話やインターネットの現状や問題点についての出張授業を行っている「子どもセーフネットインストラクター」の1人、吉田茂幸さん(44)。自身も高校生と中学生の2人の子を持つ親だ。「フィルタリングがかかっている子ども用の携帯電話でも実際はアダルトサイトが見られてしまう。サイト運営者が行う監視も限界がある。安心はできない」と話す。

EMAには今年7月の認定申請受付け開始以来、20数社のコミュニティーサイト運営業者から申し込みがあった。そのうちモバゲーなど7つのサイトが認定された。しかし、常時監視には多額の費用がかかる上、フィルタリングにも抜け穴があるとすれば、「逃げ得」業者が横行する可能性もある。

来年1月以降、18歳未満に一斉にかけられるフィルタリングも対象はあくまで契約者だ。子どもの場合、契約者は親であるケースが多い。その場合は親から「フィルタリング必要」との申し出がない限りは閲覧制限はかからない。ややこしいが、冒頭のフィルタリング全面適用はあくまでも、契約者が子どもの場合の話しだ。

各社とも請求書にパンフレットなどを同封してフィッルタリングサービスの周知を図っているが、どこまで浸透するかは不透明だ。

群馬県だけでなく鳥取県などで、保護者をネットや携帯電話に精通したインストラクターに養成する取り組みを実践している群馬大の下田博次特任教授(情報メディア論)は「最後は親がどこまで関心を持って監視できるかが鍵になる。『人間フィルタリング』が必要です」と話している。

《有害サイト規制法が企業の自主規制に決まったおり、とても自主では満足な規制にはならないことは明らかなことだと書いた。子どものことを考えてやるなら思い切って国の規制でやることが必要だと。携帯のフィルタリングと同じように、若年層に蔓延しているゲームの「年齢区分」について、親、保護者がどれだけ関心を持っているか、調査がある。》

テレビゲームソフトに、内容に応じてレーティング(年齢区分)が表示されているのを知っていますか—。レーティングの審査をしているNPOが、アンケート調査で全国のPTAや自治体などにこんな質問をしたところ、「知らない」が6割近くに上った。子どもへの影響を考慮して、年齢に応じた適切なゲームを選べるよう、02年10月から導入された制度だが、認知度が低く、十分機能していないことが分かった。

このレーティング制度も業界の自主規制で、NPO法人「コンピューターエンターテインメントレーティング機構(CERO)」(東京都千代田区)が販売前の新製品について審査を行い、
 A ・・ 全年齢対象
 B ・・ 12歳以上
 C ・・ 15歳以上
 D ・・ 17歳以上
 Z ・・ 18歳以上
の、5種類に分ける仕組みだ。製品のパッケージや広告宣伝などに表示される。Zは他のゲームと別に陳列され、購入の際は年齢確認が必要となっている。愛知県や大阪府など12府県はZのゲームを「有害図書」に指定している。

調査は、現行制度を見直すために07年度に実施した。ゲームに関する苦情や相談が寄せられることが想定されるPTAや自治体、消費者団体など全国の500団体に質問紙を送り、142団体(回答率28・4%)から回答を得た。レーティングについては58・5%が「知らなかった」と回答。一方、70・4%が「必要だと思う」としており、認知度と必要性のギャップが目立った。

また、これとは別に保護者ら39人に実施したインタビュー調査でも「子どもに買い与える時に参考になる」「ダメだという理由を説明しやすい」など評価する声が目立つ一方で、「知り合いに聞くと知らない人が多い」「表示マークが目立たない」との指摘があった。認知度を高める方法については、ゲームソフトのテレビCMでの告知のほか、「学校などで児童や保護者に教えるべきだ」との意見もあった。CEROは「効果を上げるために、どういうことができるか詰めていきたい」と話している。

《インターネットにしろゲームにしろ、親や保護者への啓蒙は無駄だ。言いたいことは言っても聞く耳を持たない。何でも他人に丸投げして他人まかせだ。また、携帯にしろゲームにしろ、買い与えるだけであとは全く感知しない。フィルタリングも年齢区分もすでに何年も前から情報は世に出ているものだ。この低い認知度は驚き以外の何ものでもない。そして、この裏返しがモンスターであり、ヘリコプターと名付けられたペアレントたちだ。皮肉にも、放任と過干渉とで親たちは、危ない均衡が取れているのだろう。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 5日 (日)

メタボの仲間が増えた

毎日新聞(10/5)から 要約
『痩せていてもメタボ体質』4人に1人が血液数値に異常が見られる、とある。
 肥満度を示す体格指数(BMI*)が「やせ」(18・5未満)でも血糖値など血液検査の数値が特定健診(メタボ健診)の基準値を超えている割合が4人に1人の上ることが、日本医療データセンター(東京都千代田区)の大規模解析で分かった。

 * BMI(Body Mass Index)- 標準値は22・0
   計算式 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
     18・5未満    -- 痩せ
     18・5〜25未満 -- 標準
     25〜30     -- 肥満
     30以上     -- 高度肥満
  計算式は世界共通だが、肥満の判定基準については国により違いがあり、アメリカでは25以上を「標準以上」、30以上を「肥満」としている。
  因に標準体重(kg)={身長(cm)-100}×0・9

こうした人は、心筋梗塞などの重大疾患を起す危険性が正常な人の5倍に達した。肥満の人だけでなく、痩せた人も検査値に注意を払う必要性が浮き彫りになった。同センターは全国の健康保険組合と契約し、加入者の情報を匿名で分析し、病気の傾向や治療などの評価に取り組む企業。06年4月〜07年3月に健診を受けた男女5万2265人(30〜59歳)を対象にデータ解析した。

それによると、「痩せ」の人のうち、血糖値、血中脂肪、血圧のいずれかが特定健診の基準値を超えた人は25・6%に達した。BMIが18・5以上25未満の「標準」で51・3%。「肥満」(25以上)では81・6%だった。

心血管疾患や糖尿病の合併症などを発症した「肥満」は「標準」「痩せ」に比べ2〜3倍あった。ところが、基準値を超える検査値があった人の発症率を正常値の人と比べると、「痩せ」は5倍、「標準」は3・4倍、「肥満」は3・1倍と、痩せているほど検査値の異状が影響を及ぼしていた。「痩せ」の重病リスクは正常値の5倍ということだ。

今春始まった特定健診は、腹囲など肥満に関する数値が健診の必須項目としている。肥満でない人は健診後の指導対象から外されている。データを解析した佐藤敏彦・北里大准教授(公衆衛生学)は「スリムでも血液検査に問題がある人は、早めの対策が必要」と話している。

《日本人女性の大好きな痩せ願望、とんだ落し穴が口を開けていたようだ。これからは、痩せていても何かあると、メタボの心配をしなければならなくなる。腹囲をメタボの基準と決めた際の少なすぎるデータ(男女合わせても700人強)に比べ、今回のものは5万人を超える解析データから示されたものだ。もともとメタボリックとは「内臓脂肪」のことで「肥満」をいうものではない。そこにシンドローム(症候群)なる妙なる響きの横文字を加え、「デブ」としたのだ。メタボ健診が施行されてから現在では、従来以上に痩せ願望が強くなり、デブは肩身の狭い思いでいたと思うが、これからは、痩せ人間への同情をしなければならなくなるようだ。》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年10月 4日 (土)

ハイブリッド車は最早時代遅れか - 2 -

 <米国の新車市場>世界の新車販売の2割強を占める最大市場で、07年は1608万台を販売した。移民の流入などを背景に00年以降、年1600万〜1700万台前後で推移してきたが、サブプライムローン問題が起きてから、販売は激減。08年は1450万台を下回るとの予測も出ている。

日米自動車大手の9月の新車販売実績によると、販売促進策の一環として従業員向けの割引きを一般販売価額にも適用した米最大ゼネラル・モーターズ(GM)を除く5社は、いずれも販売台数が大幅減となった。原油高に伴うガソリンの値上がりには一定の抵抗力を発揮した小型車を主力とする日本メーカーも金融危機には全く無力で、三菱自動車(39・0%減)やマツダ(35・6%減)も含め軒並み前年実績を3割超も下回った。

消費好きの米国民にとっても、今回の金融危機はさすがにこたえたらしく、市場関係者からは「消費者はとても高額な商品を買う気にはなれないだろう」(自動車アナリスト)との指摘も出ている。

米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した14日以降は「販売店に来店する客がほとんどいなくなった」(米国トヨタ販売)といい、米自動車業界は先の読めない厳しい事態に直面している。割引販売で9月は前年同月比15・5%減に踏みとどまったGMも、10月以降は苦戦するのは避けられない情勢だという。

トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は「9月上旬にニューヨークで開いた経営説明会で、「ガソリンの価額の下落傾向もあって、販売不振は7月で底を打ったのではないか」との見通しを披露した。しかし、その直後から米国発の金融危機が深刻化した。

冷え込んでいるのは個人消費だけではない。1日に発表された米サプライ管理協会(ISM)の製造業景気指数は43・5と前月の49・5から大幅に低下、好不況の分岐点になる50を大きく下回り、米同時テロ直後の01年10月以降の低水準だった。特に新規の製造業受注や雇用の落ち込みが激しく、「明らかに米景気の後退局面入りを示唆する内容」(米エコノミスト)となった。

そのような低迷する米国市場で健闘してきた日本メーカーだが、燃費の良さで好評だった小型車やハイブリッド車の売れ行きも落ちており、「一段の減産や業績予想の下方修正は避けられない」(中堅メーカー)との声も出ている。

トヨタ自動車の9月の米新車販売台数は前年同月比32・3%減で21年2ヶ月ぶりの大幅減となった。大型車が軒並み不振で、「カローラ」など小型車も2ケタ減という惨澹たる結果だ。これまで品薄状態だったハイブリッド車「プリウス」も売れ行きが鈍り、在庫は徐々に積み上がっている。ホンダ(同24%減)も前年同月より売れたのは全面改良したばかりの小型車「フィット」だけ。日産自動車(同36・8%減)も在庫処分の値引き販売を終えた反動で大幅減だった。

住宅価格の下落で住宅を担保にした車のローンを組めない顧客が続出しているほか、新車販売の低迷で中古車相場も下落し、下取り価額が不満で買い換えをやめる客も増えているという。業界では「市場全体が縮んでおり、販売減は防ぎようもない」(大手メーカー幹部)との悲観論が強まっている。

米市場での販売減を受け、日産が9月から北米向け高級車を生産する栃木工場で減産を始めるなど各社は追加的な生産体制見直しを急いでいる。

一方で、米ゼネラル・モーターズが利益度外視の値引き販売に乗り出すなど、米国での競争は厳しさを増すばかりで、日本メーカー各社の収益は大きく圧迫されつつある。

《打つ手なし、と泣いてばかりはおられないと、トヨタ自動車は、思い切った割引き販売で前年同月比15・5%減で踏みとどまったGMの向うを行くように、米国で販売しているトヨタブランド車の7割を対象にする、自動車ローンの金利をゼロにするキャンペーンを開始したことを3日、発表した。トヨタが米国で大規模な「ゼロ金利」を展開するのは初めてだという。

米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した市場低迷が深刻なため、11月3日までの約1ヶ月間、実質的な値下げで販売のてこ入れをすることになった。トヨタブランド全15車種のうち、主力の小型車「カローラ」や個人用トラック「タンドラ」など11車種に適用するという。ハイブリッド車「プリウス」や高級ブランド「レクサス」などは対象外となる。

米国の新車市場は金融危機で急激に悪化している。ゼロ金利キャンペーンは米大手3社(ビッグスリー)がしばしば使う販売手法だ。販売増は期待できるが、下取り価額が低下し、中古車市場の下落に影響しするとともに、ブランドイメージを損なうという危険もある。

ハイブリッドに拘り続け、後塵を拝した感のトヨタが8月、2010年代の早期に電気自動車(EV)の市場投入を行うと、戦略転換を発表したことについては下の記事で触れた。

参照 トヨタが戦略修正 08/08

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2008年10月 3日 (金)

ハイブリッド車は最早時代遅れか

世界はすでにポスト石油への開発競争の時代に入っている。我々が生きている年月のことではなくとも、近い将来、枯渇することの明らかな化石燃料から、次代のエネルギーとなるその対象は、原子力や、地熱資源(これもいずれは化石燃料と同じ運命を辿るのは間違いないが)の利用、太陽熱の利用、へと動かざるを得ない危機が到来している。

だが、自動車産業は消費量が小さくなったといいながら、やはり石油を頼ることを止めそうにない。ごまかしのように小型化することと、どっちつかずの電気と組み合わせて2兎を追いながら、ハイブリッドカーいう横文字に弱い日本人向けに究極の最新技術ででもあるかのような車を売っている。

2日に開幕した欧州最大級といわれるパリの国際モーターショーでも、ハイブリッド車の競演が見られている。(毎日新聞10/3)から。 《》内は私見

原油価額高騰や環境規制の強化から環境対応車への関心が高まる中、日欧の自動車メーカーがハイブリッド車を相次いで発表している。

ホンダは日米欧で来春発売する5人乗り5ドアの新型ハイブリッド専用車「インサイト」を世界で初めて公開した。合計で年間20万台の販売を見込んでいるという。福井威夫社長は「二酸化炭素削減は地球的なチャレンジであり、ホンダは技術で応える」と紹介した。トヨタも10月に日欧で投入する低燃費の超小型車「iQ」の市販モデルを初展示している。日産も超小型電気自動車のコンセプトカー*「ニューヴ」を展示した。

 * -- 自動車メーカーが展示目的で試作した自動車

プジョーとシトロエンはいずれもハイブリッド・ディーゼル車の「プロローグ」、「イプノス」のコンセプトカーを出展している。

これより先9月17日の毎日新聞に、東京電力の電気自動車運行のための「(GS)ガソリンスタンド」《普及した際の正式名称は何とする?》の実験を開始する記事が載った。東京電力は17日、電気自動車普及に向け、JR東京駅周辺のビジネス街で、地下駐車場では初となる充電設備の実証実験を始めた。

電気自動車は大容量蓄電池の電力で走行するため、普及にはガソリンスタンドの役割を果す電力を供給する充電設備が欠かせない。今回の実証実験は、大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会との共同事業となる。3地区のオフィスビルなど9カ所の地下駐車場に、東電が5分間の充電で約40キロ走行可能な急速充電器などを設置した。

東電などが所有する業務用車約40台を使い、充電設備の耐久性などの技術的課題や環境への影響、利便性について、1年間かけて検証する。

《電気自動車がテストされ始めた頃、一般家庭の100ボルト電源から充電が可能とはいいながら、何時間もかけて短距離の走行では、一家に二台目のスペア車でもないと役には立たない、と憎まれ口を書いたが、技術開発の速さには驚かされる。蓄電容量がどこまで大きくできるか、走行距離が長距離運送業務に可能になるまで延ばせるか、或いはもっと技術開発が進んで、走行中の充電が可能になることもあるのではないか。

《ガソリン車の終焉を予感するようなデータがある。9月の米新車販売台数が93年2月以来15年7ヶ月ぶりに100万台を割り込み、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した金融危機が実体経済を直撃していることが鮮明になった。

毎日新聞(10/3)から
米大手3社(ビッグスリー)に比べ落ち込みが小さかった日本勢も軒並み2〜3割減で、収益を支えてきた「ドル箱」を失った形となった。自動車市場の不振は、世界経済全体が収縮の過程に入ったことを示している。

《経済全体の冷え込みが影響していることを否定するものではないが、自動車の販売台数が伸びないことの原因は、それだけではないだろうと思う。二酸化炭素を抑制したハイブリッドカーが量産体制を整えたところで、排出する総量に達するまでの時間を引き延ばすことになるだけだ。地球生命の長さから見れば、瞬きの差でしかない。車を利用する人々は、そのことに気がついているのではないだろうか。排出量が半減しても、2倍の年月をかけても無策なら総量は同等になるのだ。

《その先のことは、次の世代の人間が考えよで、ガソリンを消費する車を造り続けることやその車を利用することに多くの人は不安を抱いているのではないだろうか。米国市場での新車販売減少に「打つ手がない」とまで不安を抱えている自動車メーカーの苦境について触れてみる。》

 ♦9月の主な米新車販売台数♦
 G      M  28万1041( -15・5)
 ト  ヨ  タ 14万4260( -32・3)
 フ ォ ー ド 11万6301( -33・7)
 クライスラー  10万7349( -32・8)
 ホ  ン  ダ  9万6636( -24・0)
 日     産  5万9565( -36・8)
 (カッコ内は前年同月比伸び率 %)
              -- つづく --                                                

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 2日 (木)

東京ディズニーランドでの成人式は無駄!?

毎日新聞(9/29)から 要約と 《私見》
若者の成人式離れを止めようと千葉県浦安市が地元の東京ディズニーランド(TDL)で毎年開いている成人式の昨年度の経費が、一人当り6270円(総額約770万円)に上り、他都市を大きく上回っていることが分かった。浦安市では、公共料金の引き上げが相次ぎ、公金支出に厳しい目が向けられており、議会でも疑問が出始めているという。

TDLでの成人式は02年に始まった。入場料の4930円(1000人以上の団体料金)は市の全額負担で、式後は園内のアトラクションを楽しむことができるため出席率も70%と高く、「荒れる成人式」の抑制効果もあった。

《9月29日にオーストリアの16歳での投票権に触れた際、たまたま日本の成人式の現状を嘆いたが、少なくとも敗戦後に立ち上がった若者たちにあった進取の精神は、ほとんど今は見られない。辛うじて昨年の成人式を、どん底から立ち上がった破綻の町夕張の若者たちが、自力で(全国の善意も届いたが)開催まで漕ぎつけたことに感動を受けた。最近の、各地で見られる酒がつき物のような成人式ではなく、今後も成人式を続けるとするのなら、20歳を迎える若者たちが、自分たちの力で開催するだけの気力を示すことのできる成人式にするべきだ。

《それを馬ではあるまいし、鼻先に人参をぶら下げて見せられないと成人の自覚も生まれないとは。また、人参を考えた方も脳がない話だが、人参代が嵩み、そのことで市の財政が逼迫してきた実情を慌て始めたようだ。》

一方、他都市の一人当りの経費は、
 大阪市  560円
 名古屋市 850円
 福岡市  1400円
 札幌市  750円
 東京都練馬区 1480円*
*遊興施設「としまえん」を会場に使用する。
それにしても、浦安市の6270円は突出している。

同市では10月から、体育館などの公共施設の使用料や住民票、印鑑登録証の取得手数料が引き上げられる。25日に閉会した市議会9月定例会でも、東京メトロ浦安駅前などの市営自転車駐輪場使用料を来年度から1ヶ月310円から470円に値上げする条例改正案が提案され、可決されたが、本会議で反対討論を行なった広瀬明子市議(無所属)は、成人式の経費を引き合いに「市民生活に密着した部分を値上げする前に、チェックすべき公金支出がある」と批判した。

市教委生涯学習課によると、今年1月の成人式には1228人が出席し、開催経費の約770万円は過去最高だった。宮木規男課長は「(会場選定などは)新成人の意向を尊重しており、初めからTDLありきというわけではない」と説明した。

《02年から結果を残してきている行事だ。上に書いた「人参」が客寄せの効果を生んでいることは、出席率の高いことを喜んでいる自治体側が一番よく知っている。一般的な世論調査でも、18歳成人には若者の多くが反対しているほど精神年齢は幼稚だ。まだまだ親や世間に甘えて過ごしたい考えが強い。それを『新成人の意向を尊重しており」はお笑いの言い種だ。自腹を切れば高い遊興代がかかる。それがすべて「タダ」になるのだ。意向など聞いて確かめることもないことだ。》

TDLでの成人式に参列した会社員、田中裕子(25)は「浦安育ちの若者にとって、ディズニーには特別な思い入れがあり、『今日だけ思いっきり騒いで、明日からまた仕事や学校を頑張ろう』という気分になれた」と話す。

これに対し、ジャーナリストの大谷昭宏は「後期高齢者医療制度やガソリン税などで皆が悲鳴を上げている時に、700万円もの血税を成人式に使うべきではない。ディズニーに思い入れがあれば個人的に行けばよく、行政が若者に擦り寄る必要はない」と指摘している。

《浦安に限らない、20歳の若者が、自分たちの成人の日に、男は酒をのみ、女は着飾るだけで成人の自覚がないのなら、成人式をすることの意味はすでに失われている。夕張の若者のように、質素でも自分たちの力で成人式を営むことができるようになった時、初めて自治体は祝い金としての公金の援助支出を考えればよい。今の日本には成人式はない方がよい。1949年から成人式は行なわれたはずだが、全国に行き亙るまでには戦後のどさくさで時間が必要だったのだろう。私と妻は自治体は異なっていたが呼ばれて参列した記憶を共有していない。しかし、お互いに後ろ指さされない権利も責任もある成人にはなっている。》

                


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 1日 (水)

こんにゃくゼリー事故

毎日新聞(9/30)から
幼児がこんにゃくゼリーを食べて窒息死した事故で、国民生活センターは30日午前、死亡したのは兵庫県の男児(1歳10ヶ月)と発表した。昨年6月の死亡事故発覚以降、業界団体が表示を改善したほか、関係省庁も注意を呼びかけていたが、再び死者が出たことでこんにゃくゼリーの安全性を問う声が高まるのは必至だ。行政や業界の対応の不十分さを指摘する声も上がっている。

同センターによると、男児は7月29日、祖母宅でおやつとして凍らせたこんにゃくゼリーを食べた。直後にのどに詰まり、病院に運ばれたが脳死状態になり、9月20日に多臓器不全で死亡した。

男児が食べたこんにゃくゼリーはマンナンライフ(本社・群馬県)の「蒟蒻畑マンゴー味」。ハート形ミニカップに入っているもの。同社のこんにゃくゼリーは96年と05年に死亡例がある。

こんにゃくゼリーによる死亡者は17人目。同センターの島野康理事は「政府で何らかの規制、対策を考えるべきだ」と話している。

こんにゃくゼリーをめぐっては、同センターが昨年7月、死亡事故が相次いでいることから販売規制の検討を関係省庁に求めた。これに対し、厚生労働省や農水省などは業者に再発防止の指導を行う一方、消費者にも注意を喚起していたが、規制についてはいずれの省庁も「法律の対象外」としていた。

一方、業界団体の全国菓子協会など3団体は昨年10月以降、子どもと高齢者が食べないように警告する統一マークを商品に表示することを決めた。しかし、こんにゃくゼリー自体の形や硬さは「基準は困難」として改善策は見送られていた。

米国や欧州連合(EU)、韓国では回収や販売規制などの措置が取られている。

《こんにゃくゼリーの危険性は、事故が発生する度に、これまでにも何度となく注意を呼びかけている。その度に年末年始の餅が持ち出されて比較される。しかし、喉に物を詰まらせる事故はそれだけではない。普通に食べているご飯や、飴、パン、団子で喉を詰まらせ窒息する事故も多く発生している。だからといってそれらを危険だからと、発売禁止にすれば、普通に生きるための食生活が困ることになりそうなほどだ。

《今度の事故も1歳10ヶ月の幼児におやつとして与えた方に問題があると見るのが妥当だ。現物を確認していないが、高齢者や幼児には与えないように、との警告も付いているという。明らかに子どもを預かった保護者たる祖母の管理能力の欠如から発生した事故だ。それを食べ物のせいにするのは責任転嫁というものだし、まして製造、発売禁止にしようとの動きは筋違いというものだろう。》

〈追記〉 毎日新聞(10/8)
こんにゃくゼリーの発売中止が報じられた。
「マンナンライフ」は7日、ミニカップ入りこんにゃくゼリー「蒟蒻畑」の製造中止を決め、卸売会社に通知した。マ社品質保証室は「警告マークを大きくするなど行政に要請された改善策に応じられないため」と説明している。

マ社によると、製造中止となるのは、
 蒟蒻畑(25グラム12個入り)の8種類
 蒟蒻畑ライト(24グラム8個入り)の6種類
 蒟蒻畑コンビニ専用商品(25グラム6個入り)の3種類。
8日の出荷で販売を一旦終了する。製造再開の目処は未定という。

今回の事故を受け農林水産省は、子どもや高齢者が食べないよう警告する外袋のマークの拡大やミニカップ容器にも警告を表示するなどの再発防止策を要請。業界団体は取組みを表明していたが、マ社は「時間的、物理的に対応が困難で流通に混乱を招く恐れがある」と判断したという。

既に流通している商品は「商品が危険だから製造中止にするわけではない」として自主回収せず、テレビCMなどで子どもや高齢者は絶対に食べないよう注意を呼び掛ける予定だという。

《バカな保護者のために企業は大変な迷惑だ。ただ、マ社の「商品は危険なものではない」との自信から、市場のものまで慌てて回収しない、とするのは妥当な対処だと思う。しかし、1粒をもっと小さくするとか、粘度に改善を加える等しておかないと、時が経てば忘れた頃には同じことを繰り返し、窒息する愚かな消費者は必ず出る。農水省の要請には成るべく早いうちに対処しておいた方が良いだろう。》

 
 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »