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2008年10月11日 (土)

哺乳類の25%が絶滅危機

毎日新聞(10/7)らら
先立つ4日、読者からの質問に答える『なるほドリ』欄に、絶滅はどうやって決めるの?と訊ねた人がいて、回答が載っていた。回答は江口一(科学環境部)。

人口繁殖したトキが新潟県佐渡市で放鳥された。新聞には「国内産が絶滅したトキを復活させるため」と書いてあったけれど、誰がどうやって絶滅したことを決めたのだろうか。

◆最終的には環境省の専門家会合が判定するが、現在の基準は90年代に作られたものだ。そこで決められた「絶滅」の基準は、過去に国内での生息が確認されていたのに、今は人工飼育環境でも生存していないと考えられる状態をいう。ニホンオオカミがその代表的な例だ。トキの場合は人工飼育の環境で生存しているから、正確には「野生絶滅」ということにいなる。

Q でも、「いない」と判断するのは難しいが。

A そう、基準では「信頼できる調査や記録で絶滅が確認されたり、生息が確認できなかった」とされている。調査や記録とは公的機関などによるものを指すが、これがなかったり、情報量が少ない場合が問題となる。その場合は「過去50年前後に信頼できる生息情報が得られていない」ことが判断材料となる。生息情報には住民の証言、目撃なども含まれる。

Q 半世紀とは随分ながいが。

A そのケースに近くて、一番有名なのはニホンカワウソの例だ。ニホンカワウソは70年代に高知県などで生息が確認されたのを最後に、確実な生息情報はない。しかし80年代に「ニホンカワウソと思われる」情報があった。だから、現時点では「50年間情報がない」という定義に当てはまらず「絶滅危惧種」、つまり絶滅の危機にある種に分類されている。

Q コウノトリは。

A 05年に放鳥が始まったコウノトリは、71年に国内の野生種がいなくなっていた。02年に兵庫県・豊岡盆地に大陸から来たとみられる野生コウノトリが31年ぶりにすみつき、「八五郎」の名で親しまれた。だから、こちらも絶滅危惧種に分類されている。

◆環境省は、絶滅種や、その恐れのある種を集めた「レッドリスト」を作っている。掲載されている絶滅危惧種
の動植物は3155。人間の活動が、多くの野生動物の生存を脅かしていることを忘れたくない。

【閑話休題】
各国政府や非政府組織(NGO)などで構成する国際自然保護連合(IUCN*)は6日、世界の哺乳類のうち4分の1は絶滅の危機にあるとの調査結果を公表した。人間活動の影響による生息地の消失や環境の悪化が最大の原因と指摘している。調査結果は10日付の米科学誌サイエンスに掲載される。

 * IUCN (International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)1948年に創設された。本部はスイスにあって、国家、政府機関、NGOなどを会員とする。日本は1978年環境庁が政府機関として初めて加盟。1995年に国家会員として加盟した。なお、国内の18団体が加盟している。

IUCNは絶滅危惧種を掲載するレッドリストを見直しており、全哺乳類の調査は96年以来、12年ぶりだ。世界130カ国の専門家約1800人が協力し、世界の哺乳類5487種の分布や保護の状況を、5年間かけて評価した。

その結果、1500年以降、最低でも76種の哺乳類が絶滅した。動物園などで生き残り野生で絶滅したのは、中国のシフゾウ(シカ科)とアフリカ・サハラ砂漠などのシロオリックス(ウシ科)など。

現在、少なくとも1141種が絶滅の危機にあり、情報が不十分な種を考慮すると、その割合は約4分の1に上った。最も危険度の高い1A類は188種にのぼり、このうち中国のヨウスコウカワイルカなど29種は、すでに絶滅した恐れがあるという。初めて評価対象とした海洋哺乳類120種については、約3分の1に絶滅の恐れがあるとした。陸上では、南・東南アジアで霊長類の79パーセントが絶滅危機にあった。

保護活動によって絶滅危惧種の5パーセントで野生個体数の回復の兆しがみえると分析。IUCNは保護活動の有効性を強調した。

一方、IUCNは最新の絶滅危惧種に、哺乳類を含む動植物4万4838種のうち、38パーセントの1万6928種が分類されると発表した。

《いまのところ細菌やウイルスなどよりも、繁殖力旺盛な人間が絶滅危惧種に入ることはないのだろうが、多くの動植物が危機に瀕しているようだ。その原因の多くが人間の生存活動による影響だという。化石燃料は枯渇、森林伐採による砂漠化、二酸化炭素の排出量の増加による地球の温暖化。日本では人口減少が問題だが、地球規模では食料資源の乱獲でも追いつかない人間の繁殖力だ。

《片一方で、絶滅危惧種が増え続けている。考えようによっては致し方ないことだ。地球が生まれてどれだけの動植物が絶滅していったか。40数億年の地球生成の過程で早い時期に死滅した恐竜やマンモスは例外としても、環境の変化によって消滅していくことは防ぎようのないこととも思える。絶滅危惧種の38パーセント、1万7000近い中の1つや2つの保護に成功したところで、ニホンザルやシカのような再び殺戮しなければならない状況だって発生することもある。

《美しい自然を未来のために、は美しい標語にはなるだろうが、地球のいのちはまだおよそ40臆年はあるということだ。今の世紀に生きている人間が、何世紀のあとまで責任がとれるのか分からないが、これ以上絶滅危惧種を増やさないためには、環境破壊を思いとどまり、動植物と人間との共存をはかることが必要だろう。まかり間違えば、繁殖力が強く多少の智恵があるとは言え、人間が絶滅危惧種に入らないとは限らない。》

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