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2008年9月22日 (月)

農作物被害対策、狩猟免許取得を助成(秩父市)

8月18日、富山県魚津市の動物による農作物被害対策として、市職員有志による猟銃免許取得の動きをブログで取り上げたばかりだ。増え過ぎた動物による農作物への被害は富山県にとどまらず、全国で問題視される現状になっているようだ。

 9月21日、昼のテレビ番組「噂の東京マガジン」は、長野県のシカによる被害の状況をレポートしていた。狩猟者はピーク時には19000人ほどいたが、現在ではおよそ5000人で、当時の4分の1ほどになった。追い討ちをかけるような温暖化現象による冬場の積雪の不足は、厳しい厳寒での餓死や凍死に至るシカの生存環境に好影響をもたらした。自然淘汰されることもなく、生来繁殖能力の強い動物であるシカは、増加の一途を辿っているのが実状のようだ。

多くなった長野県のシカは、山から下りて美ヶ原の酪農家の牧草地にまで入り込み、放牧の牛のための栄養価の高い牧草を食べ、糞をまき散らす。7年に一回の御柱祭に立てる樹齢100年を超える樹木も樹皮を食いはがされ、伐採が危ぶまれるという。単純に人間の手で淘汰することは動物愛護が叫ばれる風潮のなか難しい状況にある。(話は地球の南半球に飛ぶが、捕鯨反対の国、オーストラリアの増え過ぎたカンガルーも、一時は淘汰する動きがあったが、やはり動物愛護の声に押されて見送られた経緯もある。)間引目的で捕獲し、食した鹿肉は美味だが、つぶらな瞳も愛らしく、食肉として流通に乗せるには問題もあり、テレビのレポートも結局のところ何が言いたいのか曖昧のまま、中途半端なもので終わった。

さて、肝心の秩父のシカに話を移そう。読売新聞(9/18)から。
山間部で鳥獣を駆除するハンターが不足し、農作物への被害が拡大していることから、秩父市は狩猟免許*の取得費を助成する。市によると、県内初の試みとなる。若い人に免許を取得してもらうことで、ハンターの後継者不足と高齢化に歯止めをかけるのが狙いだ。秩父市に限らず、県内各地でハンター不足が深刻化している。県猟友会の会員数は30年前の3割、鳥獣による農作物被害は全県で年間1億円に達しており、「ハンターさん、やーい」の声は高まるばかりだ。

 * -- 試験は、わなを仕掛ける「わな猟」、装薬銃を使う「第一種猟銃」など4種類あり、受検資格はいずれも20歳以上。医師の診断書などを添え県に申し込み、鳥獣保護法や猟具などに関する筆記のほか、技術、適性の試験がある。今年度の県内受験者は4種類で計約150人だった。

有害鳥獣の駆除は自治体が猟友会に依頼し、ハンターが銃や罠で捕獲する。鹿の場合、一頭あたり数千円の報酬を受けるものの、弾丸などの費用は個人負担で、ボランンティアの性格が強い。さらに娯楽の多様化などもあって、狩猟を趣味とする人が減っているのが実情だ。

秩父市猟友会の会員は0970年代半ばに約500人いたが、現在は約100人。平均60歳と高齢化も進んでいる。会長の井上清さん(72)は「我々も体力が弱ってきた。20歳代の若い会員はほとんどおらず、このままでは存続の危機」と訴える。

このため、秩父市は銃を使う狩猟免許の取得費に8000円、罠仕掛けの免許に5000円を補助することにした。取得後、市の要請に応じて駆除してくれる市民が対象で、今年度は助成費として約20万円を計上し、試験費用のほぼ全額を公費で負担する。

市農業振興課は「狩猟は個人の趣味だが、受検しやすくすることで、農業被害を防ぐ気持ちを持った若いハンターが増えれば」と期待している。

秩父市では、シカやサルなどが平地に現れ、畑の作物を食い荒らす被害が後を絶たない。県秩父農林振興センター(秩父市)によると、秩父地方の1市4町(秩父市、小鹿野、横瀬、皆野、長瀞町)の鳥獣による農作物被害は、2006年度で1億2350万円と前年度の23倍に跳ね上がり、07年度も7638万円に上った。食い荒らすのは在来種のサル、シカ、イノシシのほか、野生化した外来種のアライグマ、ハクビシンなど。

食害だけでなく、秩父山地ではシカに高山植物の根こそぎ食べられる被害も確認されている。02年から調査にあたった秩父市議会有害鳥獣対策等調査特別委員会の今井武蔵さん(74)は「高山に高齢者が入ることは体力的に難しく、ハンターの高齢化と減少が原因の一つ」と指摘している。

鳥獣による農作物被害は秩父地方以外にも広がっており、埼玉県内の07年度の被害額は3年前の約3倍にあたる1億3800万円に上った。シカの場合、96年度の棲息域は秩父地方を中心に15市町村だったが、05年度には29市町村に拡大していた。捕獲数は07年度で753頭と、18年前の7倍以上に増えた。被害額も04年度の40万円から06年度には3348万円に急増している。

ハンター不足も秩父地方にとどまらない。県によると、県猟友会の会員数は1978年度の1万5438人をピークに減り続け、07年度は4254人。県自然環境課は「秩父市のように、ハンター不足の解消に取り組む自治体が広がることを期待したい」としている。

《自治体としても頭の痛いところだ。動物保護、愛護を呼び掛けなければならない立場ながら、ハンターを増やして「さあ、これからは鉄砲で撃つぞ」ということになるのだ。当然ながら今までも各地で発生した動物愛護団体と農作物生産者、林業、酪農家などとの意見の対立が生まれるだろう。食卓に上がる肉の形になっていれば、ウシだろうと、ブタだろうとニワトリだろうと平気で口にし、動物の皮で作った靴やカバンを身につけても涙することもない人間どもが、可哀そうだけで騒ぎ立てるだろう。

《人間の勝手な開発もあるが、それだけでサルやシカやイノシシ、カラスやハトが増えたのではない。しかし、増え過ぎた鳥獣は農業や酪農に携わる人たちの死活問題まで引き起こしているのが現実だ。鳥獣と人とが共存をするためには、ハンターの数が増えたとしても、無闇に殺していいことではない。種ごとに個体の適性頭数を示すことが求められ、厳しい管理のもとで淘汰して行かなければならなくなるだろう。

《或いは、サルは淘汰する以外ないと思われるが、シカなどは飼育する土地があれば食肉として加工することを考えてもいい。ワニやカンガルー、ダチョウなど畜産業として立派に成り立っていることを思えば美味と云われるシカは一考の余地ありだ。》


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コメント

狼の導入 参照 http://japan-wolf.org/content/faq/

投稿: 名無し | 2013年1月26日 (土) 13時20分

農林被害には、直截的財政出動被害手当し、営農意欲維持:食糧安全保障政策推進。

ズブズブ環境族=猟友会は、己らの(殺戮嗜好)充足のため、マスコミ:ウェブサイトメヂアを利用して、農林被害をダシに利用しているはずだ。
法律的には、趣味殺戮ほぼ禁止。17条条件規定.69-8条猟区規定あり。
本来ならば、山村里山集中豪雨傾斜地崩壊土石流:山津波生き埋め災害対策で、鹿猪熊どころではないはずだ!

投稿: 動物愛護推進主義者 | 2018年8月11日 (土) 13時32分

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