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2008年9月17日 (水)

地に堕ちたモラル 延滞増える奨学金

Dscbennkei2_2Dscbennkei7 べんけいそう
  (弁慶草)
 花ことば
   :穏やか

毎日新聞(9/15)から。  要約 と 《》内は私見
《記事の見出しは大きく「延滞増える奨学金、生ぬるい回収策」とあって、副題に強制執行しない「日本学生支援機構」に高まる批判」とある。主客転倒してどこかおかしな感じで活字を眺めた。一体悪いのはどっちだ。考えても見よ、これでは借りて返さない学生を見過ごして、取り立てなかった「支援機構」が裁かれる立場になっているのではないか。借りたものは催促がなくても決められた約束に従って手続きをし、返済するのが道であろう。なぜ、催促をしなかったことで批判されなければならないのか。何でも募り積もった延滞金は総額2000億円に上るという。》

Dscf0004 ♦日本学生支援機構
 旧日本育英会。04年に独立行政法人化した。奨学金は無利子の第一種と有利子の第二種がある。私立大に自宅から通う場合、保護者の給与所得の上限は第一種998万円、第二種1344万円。

貸し倒れに向け注意が必要な3ヶ月以上の延滞債券額は年々増え、07年度は2253億円と、この10年間で倍以上に膨らんだ。進学率の上昇による貸与者増や、ニート増加のほか、資力があるのに払わない者もいる。

問題として指摘されているのは、機構が法的手段に訴える案件が少ないこと。給与を差し押さえる強制執行は皆無といっていいほどだ。裁判所への提訴や支払い督促申し立てなどで、強制執行を認める「債務名義」(判決など)を得たケースは07年度に1715件あった。だが、実際に執行したのは1件。06年度は925件中0件、05年度も321件中4件だった。

これについて機構は「差し押えの前に入金を約束する人がいる。また、住所が変って連絡不能になることもある」と説明する。一方、回収に携わった元職員は「差し押えのノウハウもなく、騒がれると面倒なのでしないだけ。住所変更のケースは聞いたことがない」と証言する。

《学ぶために支援を受け、そのお陰で学問を深めるための研鑽を積んでいることだろう。それが「騒がれると面倒なので・・」は現実にそのようなケースがあることを指している。要件さえ満たせば支援を受けるのは自由だ。だがそこには必ず返済の義務があることを知らないほどバカなのか。それを騒ぐとは言語道断の所行というべきではないか。》

生活保護受給者や失業中の人は返還を猶予されるほか、差し押さえられる額も民事執行法で給与の4分の1に限られ、強制執行で延滞者が路頭に迷う恐れはない。機構は強制執行の対象を給与に限っており、「大きい家に住んでいても外車を乗り回していても、勤め先が判明しなければ差し押さえできない」(元職員)という苦しい実態もある。「長時間怒鳴る人には延滞金を減免したケースもある」(同)という。

《まるでやくざも顔負けの悪党を支援したようなものだ。ごね得あり、盗人(ぬすっと)同然の知らぬ顔の半兵衛あり、居直りの逆切れの恫喝擬(もど)きまである状態だ。》

内外からは厳しい指摘が相次いでいる。機構を監査した財政制度審議会は7月、「債務名義を取得した債権で、その後の手続きが行なわれていない。証明書なしで返還猶予を認めている例がある」と指摘。財務省主計局も「回収努力が足りないのは明らか」と非難する。

《財務省の役人らは、支援を受けたやつらは返還しないのは当たり前、といった感覚で、機構側を非難する。そして、支援を受けた側は、そう思われても仕方ないモラルのなさを曝け出している。》

高まる批判に、機構を所管する文部科学省学生支援課も「返さないと厳しい取り立てがあることを広く知ってもらう必要がある。厳正な対処が必要」と述べ、機構に改善を支持したことを明らかにした。今後は預金も強制執行の対象とする、という。

長い間督促されなのをいいことにした回収不能の例もある。機構が延滞者に奨学金返還を求めた訴訟で、延滞者が「返済期限から10年たち時効が成立しているので、返す必要がない」と主張し、機構が回収を諦めざるを得なくなるケースだ。

《これこそ『盗人にも3分の理』だ。催促されないうちに返還するのが支援を受けた者の責任だろう。期日ありで借りた物を催促されるまで返さないなど、普通に考えれば恥ずかしい行いとなる。何を学ぶために支援を受けるのか。》

機構によると、昨年度は5件の裁判で時効成立が認定された。兵庫県の男性に、奨学金と延滞金計約320万円の返還を求めた訴訟では、返還期日から10年以上過ぎた分の債権の時効成立を認めざるを得ず、請求額を150万円減らし、約170万円の返済で和解した。

もう一つ、女性に約83万円の返還を求め、神戸簡裁で争われた訴訟でも、時効で50万円が回収不能となり、30万円返済の判決しか得られなかった。

《どのように考えても、返還しない人間に非があるにも関わらず、紙面は一方的に「日本学生支援機構」の督促に怠慢があったためだと非難記事を書く。
             --- つづく ---


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