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2008年9月 3日 (水)

児童生徒の暴力、最多2300件(埼玉県)

読売新聞(8/29)から
県内の公立小中学校と高校で、2007年度に発生した児童・生徒の暴力行為が2300件と過去最多だったことが28日、県教育局のまとめで分かった。高校は減少したが、小学校は06年度より3割増と低年齢化がさらに進んだ。一方、いじめの認知件数は減ったものの、携帯電話などを使った「ネットいじめ」が急増した。県は「子どものコミュニケーション能力や規範意識の低下が背景にある」とみている。

調査は暴力行為やいじめ、不登校などの実態を把握するため、全国で実施された。県内は小学校824校、中学校426校、高校160校、特別支援学校34校が対象。

暴力行為は小学校で06年度比29・5%増の  224件、
     中学校で  〃  1・4%増の 1615件、ともに2年連続で増え、調査を開始した1997年以降で最も多かった。逆に
     高校は   同  7・8%減の 461件で、2年連続で減少した。

暴力の形態は、
 小学校は 児童間暴力  130件(06年度比22件増)
      器物損壊    68件(同   18件増)
      対教師暴力   22件(同   11件増)
 中学校は 生徒間暴力   926件(同   55件増)
      器物損壊    465件(同   10件増)
      対教師暴力   160件(同   38件減)
 高校は生徒間、対教師とも減り、器物損壊は横這いだった。

加害者を学年別に見ると 中2・・・・754人
            中3・・・・738人
            中1・・・・419人
            小1〜5・・108人
            小6・・・・115人
件教育局は「少年非行と同じく低年齢化が進み、同じ子が何度も繰り返す傾向もある。学校だけでなく、地域とも連携して減らしたい」としている。

いじめの認知件数は3117件と、いじめの解釈を拡大して急増した06年度の3635件より14・3%減った。内訳は、
 悪口や嫌なことを言われる・・・・ 2038件
 仲間はずれや集団による無視・・・・806件
 軽くぶつかられたり
  遊ぶ振りをして叩かれたりする・・493件
 パソコンや携帯電話などで
  中傷や嫌なことされる・・・・・・252件
は06年度より4割増え、4番目に入った。

県教育局は08年度にネットいじめ等対策検討委員会を発足させ、こうしたネットいじめの対応マニュアルの作成を目指している。   

《聞いて呆れる、とはこのことではないだろうか。それに「いじめ等対策のマニュアル」は誰のためのものなんだろう。いじめが話題になってどれだけの日時が経過したことか。暴力行為、いじめに関する調査が開始され(1997年)たのはすでに一昔(現在の時間感覚からでは二昔以上だろうか)以上も前になる。その間、教育界は一体何をしてきたのか。政府もメディアも只ひたすらにデータを増やすことに心血を注ぎ、増えるデータを眺めては喜ぶだけだったのか。

これまで手元に集まるデータをファイリングするだけの県教育局こそ「子どもの規範意識の低下」などと偉そうに言えることだろうか。暴力やいじめの根底にあるのは家庭教育の喪失、だということを繰り返し述べてきた。しかし、これまで対策のポイントを加害者の家庭の教育環境に絞った議論を聞いたことがない。根本を把握しないまま、結果の末端現象に一喜一憂しているのが現状のいじめ対策だ。なぜ、加害者となる家庭の子が暴力を振るうような子になって行くのか、親と子の関係では日常どのように触れ合っているのか、何を教え何を躾けしているのかしていないのか、を突き詰めて行くことが、どの時点で規範意識が身につかない結果となるのかが把握できるのだろう。24日のブログに取り上げた「いじめを許さない教師の会」-2- でもそうだ。このようにポイントがずれた研究会で導かれる対策は知れたものだ。いじめも暴力もなくなることはないだろう。本質的に、いじめも暴力も親の育児責任であって、学校や教育とは関係ないものなのだから。》

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コメント

≪いじめは、「子どもの規範意識の低下」などと
偉そうに言えることだろうか。
暴力やいじめの根底にあるのは家庭教育の喪失、だ
ということを繰り返し述べてきた。
しかし、これまで対策のポイントを、加害者の
家庭の教育環境に絞った議論を聞いたことが
ない。
根本を把握しないまま、結果の末端現象に
一喜一憂しているのが現状のいじめ対策だ。
なぜ、加害者となる家庭の子が、暴力を振るう
ような子になって行くのか、
親と子の関係では日常どのように触れ合って
いるのか、何を教え何を躾けしているのか、
していないのか、を突き詰めて行くことが、
どの時点で規範意識が身につかない結果と
なるのかが把握できるのだろう。≫

同感です。
いじめは、人類の歴史と同じ歴史を持っています。
ということは、人間の「本能」だと思います。
その「本能」を抑えたり、控えるようにする
ことができるのは、「理性」だけです。

その「理性」を養うのが、「相手の気持ちを
思いやる心を作る家庭環境」です。

まず、”親”自身にその「相手の気持ちを
思いやる心」がなければ、その家庭の子供に
「相手の気持ちを思いやる心」は生まれません。

すべての悪の根源は”親”です。

親のわがまま
親の勝手な思い込み
親のまことしやかな屁理屈
親が子供の気持ちを考えない
親が子供の話しを聞かない

挙げればキリがありません。

自分もそうゆう”親”かどうか、じっくり
振り返ってみた方が良いと思います。

でも、そうゆう親は、自分がそうゆう”親”
である自覚がないんですよね。

私は、そうゆう”親”に育てられてきたので
決して、そうゆう”親”にはなるまい!と
生きてきました。

おかげで、私の子供達は現在20歳と18歳に
なってますが、保育園、小学校、中学、高校
でも、思いやりと勇気のある生徒で助かって
います、と通信簿には毎年書いてありました。

いじめを生むのは、その親が、すべて悪いのです。
そして、その親のさらに親も、思いやりの無い
育て方をしたのだと思います。

投稿: つぼね | 2008年9月 4日 (木) 12時43分

しっかりした大人は、理路整然と自分の意見を文章に表現できるんだなと、
痛感しました。
私もそういう大人になりたい。

投稿: 猪野 | 2008年9月 5日 (金) 17時31分

埼玉県北部の群馬県に隣接する地域のF小学校は1年生の子供が傘で刺されても何も対応しない。
ドライブ中、血を出してる小学生を見て
驚いたけど、「どうしたの?」と聞いたら
「同じ学校のこに傘でつつかれた」といってた。
その子の学校に
「生徒が同じ学校のこに
傘でつつかれてケガしてる」
と電話しても、
「悪ふざけですよ」と言うだけだった。
埼玉県の児童暴力がひどいのは
埼玉県の教育者にも問題があるからだと思う。

投稿: bk sky | 2009年5月22日 (金) 08時49分

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