16歳に投票権(オーストリア)
毎日新聞(9/29)から
欧州連合(EU)加盟国・オーストリア国民議会(下院、定数183)選挙が始まった。中道左派・社会民主党と中道右派・国民党の大連立政権は7月に崩壊。議会解散に伴う総選挙で両党が第1党の座を激しく争っているが、いずれも単独過半数の獲得は困難な情勢にある。EU加盟27カ国で初めて、国政選挙の投票権が16歳に引き下げられたことでも注目されている。
16歳の投票については「国の政策を十分判断できる年齢」「16歳はまだ子ども」と評価が分かれているという。
《日本では、2006年、憲法改正に必要な手続きである国民投票に関して提案された、政府与党の「日本国憲法の改正手続きに関する法律案」と、民主党の「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続き及び国民投票に関する法律案」において、民主党案の否決から、政府案(通称国民投票法)が採択され、平成19年5月18日、法律第51号として公布となった。一部を除き公布から3年後の2010年5月18日に施行される。
《投票法に係る対象とし決められた投票権者について
『国民投票の対象は憲法改正のみに限定されている。
投票権者は18歳以上の日本国民。ただし、18歳以上のものが国政選挙で投票できるように公職選挙法の選挙権の年齢や民法の成人年齢(20歳以上)などの規定について検討し、必要な法制上の措置を講じて、18際以上のものが国政選挙で投票することができるように改正するまでは、国民投票の投票権者も20歳以上とする。(後略)』
《国民投票法案が議会に諮られた当時、18歳成人の是非について識者も交えて両論が渦巻いた。だが、07年5月、参院で賛成多数で可決したことで、沸騰していた話題も自然消滅した感がある。》
ウィーンの投票所に来た高校生、ビクトリア・バグナーさん(16)は「1票を投じることで政治に参加できるし、責任感がわく」という。一緒にいたイザベラ・ポスカーさん(16)は「政治と選挙の仕組みを学校で学んだけれど、まだよく分からない」と否定的だった。同じ投票所で投票を終えた高校教師、イエリーネ・ツァミスさん(58)は「正直に言うと16歳は早過ぎると思う」と言う。
新たに投票権を得た16、17歳は約20万人で、全有権者630万人の3%程度とみられる。
《日本では考えられない16歳の選挙権だ。現在20歳で行なう七・五・三の延長のような着飾った成人式が戦後始めて行なわれたのは、敗戦に打ちひしがれた若者を元気づけようとした埼玉県蕨市(現)の青年団のリーダーが、「青年祭」のプログラムとして1946年11月22日、国民学校の校庭で行なったものが原点だ。その青年祭に影響を受けた国が、1948年に公布・施行した祝日法で翌年1月15日から「成人の日」としたものであった。
《成人式のスタートは若者たち自身の自主運営だったのだ。それが国による祝日に衣替えした途端にお仕着せのような行事になり、自主独立の機運は消失し、祝ってもらうのが当然のような甘えの行事に様変わりしたのが今日の堕落しきった成人式だ。これが20歳にもなった日本の若者なのだ。
《財政破綻した北海道夕張市で、昨年の成人式を自分達と、志を酌んだ全国からの応援を受けて開催した動きがあったが、戦後の成人式の原点に戻ったように感じたのは私だけではないだろう。
《日本とは国情の違いはあるだろうが、大人から信頼されているオーストリアの16歳、迂闊に遊び半分では投票できないだろう。》
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コメント
16歳選挙権、思い切った決断だったと思います。18歳選挙権のこととなると多くの本や雑誌、運動などで言及されていますがこの国がなぜ16歳での選挙権付与にいたったのか国民や政府の判断を深くきちんと問うマスコミ記事は見かけません。16歳=未熟、という考えが日本人の大半というかかなりの部分を占めているのかもしれませんが、それならば18歳だって同じことでは?
投稿: めーめ | 2010年10月 2日 (土) 18時48分