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2008年8月15日 (金)

敗戦の日

     ミモザの発芽
Seed815_2Seed815b_2昨年の失敗で心配したが、
5日に種を蒔いて予想どおり
10日目に頭をもたげた、
最初の1粒だ。

毎日・読売新聞ともに一面はオリンピックで賑わっている。泥沼の戦争が敗戦で終わり、呆然とした中から、やっと日本人に一縷の生きる光が見えた日だ。両紙ともに戦没者慰霊についての記事は厚生労働省による政府広報、『本日は、戦没者を追悼し 平和を祈念する日です 本日(8月15日)、日本武道館において、政府主催の「全国戦没者追悼式」が行なわれます。 国民の皆さま、それぞれの職場やご家庭などで戦没者に対し、正午から一分間の黙とうをお願いします。』が見落とされそうな隅に小さく囲み記事で出ているだけだ。

小泉や安倍の脳天気なお二人さんは、靖国詣でを、折から国威を賭けたオリンピックに、その一方ではテロ対策に取り組む中国からの横槍を気にすることもないままにやってのけた。つい先日のことだ、靖国にのうのうと納まっているA級戦犯の東條が、生前(1945年8月10〜14日)、敗戦も間近に迫っていた頃、無条件降伏を迫るポツダム宣言を受諾することを「敵の隷属化」と受け止め、「政治家や国民の無気魂*」で敗戦となるかのごときことを綴ったメモが発見されたばかりだ。(広島、長崎に原子爆弾が投下されたあとのメモになる)

*(無気根(者)を意識してわざわざ魂の字を当てたのか)

14日には、首相(兼陸軍大臣)時代の秘書官に宛て「死をもっておわび申しあぐる」と記したり、戦犯に問われることを予期して「敵の法定に立つごときは日本人として採らざるところ」とも記し、自殺する覚悟を綴っている。そして、9月に自殺を図ったが、一命を取り留め、極東軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯として死刑判決、48年12月に絞首刑となる。

《東條はどのように自殺しようとしたのか。前にも指摘したが、自殺のためピストルで我が身を撃つ場合、知識の浅い人間でも銃口を咥えるか、こめかみ に当てればよいことぐらい知っているだろう。それを彼東條は、後のことは俺は知らないよとでも言うように、それで本当に死ぬつもりだったのか、腹を撃って狂言紛いのことをやった。案の定、アメリカの医療班は裁判にかける狙いもあってかそのままあの世に行くことを許さなかったのだ。戦争末期沖縄に上陸してきたアメリカ軍を、軍人だけでは足らず、村民や女学生まで巻き込んで戦場に立たせ、果ては手榴弾を抱えて洞窟で自爆までさせるような戦を始めておきながら、自身自殺すら満足にできなかった東條という男。死ぬことを命じられて死んだ人たちが祀られている靖国に、自爆した女子学徒の死にも劣る東條を始めA級戦犯を合祀しておいていいものだろうか。

《こう書けばすぐにA級戦犯の分祀論に飛びつきたくなるだろうが、持論はすでに何度も書いてきた。分祀したとしても誰も参拝に行くことはない、行くとすれば、それぞれA級戦犯の身内だけだ。分祀して祀る必要などない。東條たちA級戦犯にもそれぞれ先祖代々の墓所はあるだろう。“永い間留守にしていました、これからはどうぞ宜しく”と先祖への挨拶を済まし、あの世で酒盛りでもすればよい。彼らA級戦犯がいなくなれば、天皇の靖国参拝は再開されるだろう。

《うっかりすると、国立追悼施設の建設に向けた計画が進められる。大義名分は富田元宮内庁長官のメモに残された昭和天皇の気持ちだ。A級戦犯が合祀されている以上天皇は靖国に参拝をすることはない。現天皇も父天皇の気持ちを十分理解した上で、靖国には一度も参拝がない。

《私も何度か靖国には足を運んだが、拝殿まで進んだことはない。親族に戦死者も出ているが、遺骨も遺品もなく海の藻屑となっている。フィリピン沖の海底から靖国までは簡単には来られまい。また、グアム、サイパン、硫黄島など激戦地の地中に取り残されたままの死者たち、そのょうな数え切れない数の犠牲者たちは、国はどのように祀っているのだろうか。遺骨のない遺族たちには、戦争はまだ終わってはいないのだ。しかし、遺骨を待つ人たちにも、それぞれ確実に死は近づいてきているのだが。》

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