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2008年8月11日 (月)

雇用均等基本調査より

読売新聞(8/9)及び厚労省発表資料より
 2006年度に出産した女性の育児休業取得率は89・7%と過去最高だったことが8日、厚生労働省の雇用均等基本調査でわかった。男性も過去最高となったが、1・56%にとどまった。
 調査は07年10月1日現在の状況について、07年10月1日〜10月31日までの間に従業員5人以上の約1万事業所を対象に実施した。回答は61・5%だった。

それによると、女性の取得率は前回(06年発表)から17・4ポイント上り、1996年度の調査開始以来最高だった。男性の取得率は前回から1・06ポイント上昇して初めて1%を超えたが、依然として低い水準だった。

     育児休業取得率の推移
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育児休業取得率 = 調査時点までに育児休業を開始した者(開始予定の申し出をしている者を含む)÷ 調査前年度1年間の出産者(男性の場合は配偶者が出産した者)の数

同省は「育児休業が認知され、女性が取得しやすい職場環境になったが、男性の取得に対する理解は進んでいない」と分析している。

また、育児のための勤務時間の短縮等の措置等を導入している事業所の割合は約1割上昇し、約5割に増えた。利用可能期間も長期化傾向にあるようだ。
 育児のための勤務時間の短縮等の措置としては
  1)短時間勤務制度
  2)育児のためのフレックスタイム制度
  3)始業・修業時刻の繰上げ、繰下げ
  4)所定外労働をさせない制度
  5)託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与
  6)育児休業の制度に準ずる措置
などを導入している事業所は49・5%で、前回調査(05年度41・6%)より約1割上昇し、制度化が進んでいることがうかがえる。

また、制度導入事業所について、上のような措置を最長で子が何歳になるまで利用できるかについてみると、法定の「3歳に達するまで」とする事業所が56・5%(同53・5%)と最も多いものの、「小学校就学の始期に達するまで」30・0%(同27・8%)や、「小学校入学から小学校3年生(又は9歳)まで」3・4%(同3・0%)、「小学校4年生から小学校卒業(又は12歳)まで」2・8%(同1・3%)が占める割合も高くなっており利用期間は長期化傾向にあるようだ。

企業の育児支援の取り組みに関して、キッコーマンを取り上げて毎日新聞(8/11)が書いている。
同社の取り組みは内閣府によっても「ワーク・ライフ・バランスの取り組みが成熟している」と紹介されている。キッコーマンが育児休業制度を導入したのは、法制化10年前の1981年。主力工場(千葉県野田市)の従業員の殆どが女性。現在ほど機械化されておらず、生産工程を支えていたのは彼女たちの手作業だった。彼女たちが身につけた技術を失わないよう、出産後の職場復帰を促すため、早くから制度を導入したという。

以来、四半世紀が経過した。その後、子育て中の社員を対象に、勤務時間を選べる時間短縮勤務などの制度も拡充した。

育児休業は、「制度はあっても利用しづらい」という職場の雰囲気が壁になり、利用実態が乏しい企業も少なくないが、同社の場合、企業文化として次第に浸透してきている。広報の三好糸衣主幹は「妊娠・出産を報告する同僚とは休暇の予定等について気軽に会話できる雰囲気がある」と語る。

人事部は今年3月、育児支援に関する制度(法律から社内独自のものまで)を一覧にまとめ、A4紙の両面を使って全社員に配布した。利用する社員も、同僚も、上司までもが制度を知ることが大事だからだ。このようにして制度の成熟が図られているのだという。

ただ課題もある。「制度の利用者は女性が多い。男性の育児参加をしやすくする制度や雰囲気作りに知恵を絞りたい」と人事部の貝塚主幹は話す。

《これほど早くから取り組んでいる企業が、やはり男性の育児休業にはいまだに“成熟”していない。厚労省の報告でも取り上げているが、企業内託児所の充実こそ最優先の課題で、時短やフレックスの導入は託児所の制度に附随して総合的に整えられて行くものだと考えている。乳幼児の育児は母親から離してできるものではない。男性が数カ月間だけ母親に代わっても、それこそアルバイトで終わってしまう。ましてや数日、数週間ではまるで役に立たない。》

たまたま、今月1日〜5日にかけて世界乳幼児精神保健学会の世界大会が横浜市で開かれた。同学会の会長で、フィンランドの著名な児童精神科医でもあるトゥーラ・タミネンが読売の記者のインタビューに赤ちゃんと親が抱える問題に答えている。現在赤ちゃんと親との間の問題はどの国でも増大している。専門科が親たちと早い時期にかかわり、心のケアも含め支援して行くことの大切さを話している。

 「早期支援が大事であることは、母親が鬱で赤ちゃんの感情が不安定な重傷ケースでも、栄養接種や睡眠に小さな問題があるケースでも同じだ。
乳幼児期の問題を放置すると思春期に大きな問題となることが多く、解決に要する時間やコストもはるかにかかる。だから、フィンランドでは「子育て家庭を会社が支える」と法律で定め、すべての家庭を経済的、精神的に支えている。例えば、各地にある母子保健クリニックは健診や相談を無料で行なっていて、好評だ」と。

《このように書くと、“フィンランドではタダだ”とまたまた声高になるが、無料なのは税システムの違いからくるもので、日本では真似しようのないところだ。》また、続いて

 フィンランドでは「教育は7歳から」とし、それ以前は、すべての子が質の高い保育を受けられるよう保障している。赤ちゃんの時から情緒が安定していると、知性や認知の発達につながる。子どもの心の問題は増えているが、いい親子関係が築けるよう支援すれば、思春期に「なぜうちの子が」という問題にはならない」と。

続いて欧州に比べて日本で子育て支援策が拡充されない背景には、「今の親は甘えている」という批判があるというインタビューアの質問だが。

《「親は甘えている」という批判はあまり聞こえていないが、聞き手の榊原記者の誇大妄想だろうか。》

 「政治家や政策決定者が認識すべきなのは、変ったのは母親ではなく社会の側ということだ。社会が変化して昔の育児の方法が通用しなくなったのだから、社会が親たちを支えないといけない。そして日本でも、乳幼児の心の発達をや親子のメンタルヘルスの問題に通じた様々な専門科家を育てる必要があると思う。母親や父親は、周囲の言葉に惑わされず、自信を持って子育てをしてほしい」と話しを結んでいる。

《「社会が変化して昔の育児方法が通用しなくなった」とは多くの学者や識者の言うことだ。日本でも昔の育児を前世紀の遺物のように忌み嫌う説もある。フィンランドの昔の育児法を知らないし、昔と今の世の中の違いも知らない。彼女もどこまで日本の今昔の違いを理解できているのか知らない。でも、タミネンも自ら言うように、乳幼児時期にこそ情操教育の必要性が求められるものだ。日本で言う三つ子の魂百までが育まれる大事な時期になることに変わりはない。育児に昔と今を比較することは必要ない。昔と今の「違い」が「進歩」であることとはイコールではないと思うからだ。》

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