後部席ベルト、義務化 知らない運転手も
読売新聞(8/27)から
日本損害保険協会は、自動車の後部座席でシートベルト着用を呼びかけるステッカーを作製した。マイカーの運転席や助手席の背面に貼ることができる。シートベルトの着用率向上に役立ててほしいという。
後部座席のシートベルト着用は、今年6月施行の改正道路交通法で義務づけられた。シートベルトを絞めると、事故で死亡に至る割合(致死率)が約3分の1に減少し、車外に放り出される危険性も約7分の1になるという。
この日より前、8月10日の同紙に埼玉県警と日本自動車連盟(JAF)の行なった調査結果が発表になっていた。
車の後部座席の同乗者にシートベルト着用が義務づけられて2カ月余が経過した。県警は改正道交法が施行された6月1日以降、7月末までに違反点の付かない「指導・警告」を1361件出したが、摘発はゼロ。一定の周知期間を設けているためだが、着用率は依然低く、いまだに知らないドライバーも多い。県警は本格的な取締り開始を前に今月いっぱい、高速道路の料金所などで啓発活動を強化する、とした。
県警とJAFが2007年10月1〜16日、県内の一般道と高速道計20カ所で調べたところ、後部座席の同乗者のシートベルト着用率は一般道で14・3%、高速道路で16・0%だった。6月以降も「それほど上がっていない状態」(県警関係者)という。
改正道交法では、後部座席にもシートベルト着用が義務化され、高速道(自動車専用道を含む)で違反した場合は、運転手に違反点1点の行政処分が科される。運転席と助手席は、すべての道路で着用しないと違反点が科される。
タクシーの場合、運転手は乗客に着用を求めなければならないが、施行間もないためか、徹底されていないのが実情のようだ。
JR浦和駅西口で客待ちしていたタクシー運転手の男性(54)は「お客さんあっての商売なので、シートベルトしてくださいとは勧めにくい。警察の取締りもまだ本格化していないし・・」と腰が重かった。また別の男性(53)は「酔っ払った客相手にトラブルになるのが怖い。言わなくても着用する人はいる」と話す。
県警高速隊員4人は今月3日、東北自動車道・岩槻インターチェンジ料金所で取締りに当たった。後部座席にいた6歳の男の子がベルトをしていなかった。運転していた40歳代の男性に「書面による注意ですが、気をつけてください」と注意すると、男性は「知らなかった」と驚いた。
隊員の1人、千葉康弘巡査長(33)は「高速道路を走行中の車内で、小さな子どもが座席に立っていたこともある。義務化されたことを知らないドライバーもおり、まだまだ定着していない」と表情を曇らせた。
福島県の常磐自動車道で7月下旬、ワゴン車が横転し、児童ら7人が死傷した事故では、後部座席でシートベルトをしていなかった小学2年の男児が車外に放り出され、死亡した可能性が高いという。
県警交通企画課は「ドライバーに違反点が付くか付かないかの問題ではない。命に直結する問題であることを肝に銘じてほしい」と、全席シートベルト着用の重要性を強調している。
《酒を飲んで運転してはいけない、運転中の携帯電話はいけないと言われ続けてもなお、止まない。シートベルトの着用率は比較しようもなく普及するには時間がかかるだろう。県警の巡査長も見たように、親が親だ、長距離を移動する家族旅行の車内で、シートベルトに縛られて大人しくしているような子はいまい。それほど家庭教育はできていまい、躾けられてもいまい。
《知らなかったでは済まない。事故で命を落とす人間が増える前に、徹底した取締りが必要だろう。》
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