元教え子が教師刺す
連日、刃物騒動が発生している。ただ、これまでは、犯行の相手は誰でもよかったのだが、今回は殺意の相手が絞られていたことが違っている。
毎日新聞(7/30)から
29日午後1時40分ごろ、愛知県知立市広見の私立知立中学校(沓名基嗣校長、747人)から「不審者に職員が刺された」と110番があった。県警安城署員が駆けつけたところ、校庭にいた男が「自分が刺した」と認めたため殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。同校教諭、神谷佳久(34)・同県安城市御幸本町が、胸や背中計3カ所を刺され、1カ月の重傷を負った。
逮捕されたのは同校の卒業生で知立市のフリーターの18歳の少年。調べに「中学時代に神谷教諭に激しく叱られて対人恐怖症になり、恨みがあった」などと供述している。少年は05年3月に同校を卒業後、高校に進学したがすぐに退学し、引きこもり状態だった。
調べでは、少年は同日午後1時半ごろ、同校技術棟2階の被服室で、神谷教諭の背中などを持っていたペティナイフ(刃渡り約13センチ)で刺し、殺害しようとした疑い。同教諭は中学2年の時の担任だった。
少年は技術棟の前の同校西門から侵入。被服室で顧問として吹奏楽部を指導していた神谷教諭の背中を刺した後、もみ合いになり、胸を刺したり、左腕を切りつけた。逃げる教諭を追いかけ、同棟を出たところでナイフを捨て、渡り廊下で座り込んでいたところを野球部顧問の教諭に取り押さえられた。
当時被服室には吹奏楽部員約50人がいたが全員無事だった。 その場にいた女子生徒(14)は「突然入ってきた男が先生の背中に何かしたと思ったら、シャツが血まみれになった。みんなパニックになり、半分ぐらいはすぐに逃げ出した」と怯えた様子で話したという。
《ブログでも折に触れて書いてきたが、甘やかされて育てられてきた子が、叱られることに免疫を持たないまま叱責に遭遇した時、当然強い反抗心や敵愾心をもつことは考えられる。しかし、昨日も書いた職場の叱責なども、叱る方の一方的な行為ではないことの方が多い。この少年も、叱られる原因が何かしらあったはずだ。考えれば叱られることは、無視されるよりは余ほど有りがたい。少なくとも指導者なり管理者の目がそのものに注がれていることを裏付ける行為だからだ。無視されることを恐れ、構って欲しさにわざと叱られるような悪戯を繰り返すことをしでかす子も多い。そうして自分と異なる他人との人間関係を学んで行くのだ。
しかし、今回の少年も、これまでの犯行を侵した人間たちと変らず、自己中心的な価値基準しか持ち合わさず、中学時代に折角叱ってくれた人がいたにも拘らず、自分を見つめ直すこともできずにただ受けた恨みだけを膨張させていった。その後進学した高校を中退したことの原因も、中学時代の教師に向けて一層激しい恨みを増幅させて行ったのだろう。
一報を聞いて勝手な想像を交えて書いたが、詳しい取調べはこれから行なわれる。訂正をしなければならない情報が報道された時は、改めて取り上げなければならない。》
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