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2008年7月 5日 (土)

タクシー規制再強化

ダークリーフゼラニウム / トリトマ / ゆり
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 毎日新聞(7/4)から 
増え過ぎた台数の抑制など、タクシーの供給過剰問題への対策案を国土交通省が3日発表し、規制の再強化に踏み出した。運転手の賃金低下など放置できない問題が表面化したためだ。

「供給過剰と無理な運賃引き下げ競争が、運転手の賃金低下に跳ね返っている。規制緩和以前に戻ることはありえないが、何らかの対策が必要という点は共通認識になった」。国交省幹部は、タクシー問題を協議した交通政策審議会・作業部会の議論を振返った。

タクシー台数や参入は国が地域ごとに調整していたが、02年に大幅に規制緩和された。意欲と能力のある事業者の参入を促し、サービスを向上させる狙いだった。しかし、現実には台数の大幅増と運転手の待遇悪化など弊害ばかりが目立ってきた。

タクシーは、利用者がサービスの良い事業者を選ぶのが難しいという特徴がある。一方、運転手の賃金は歩合給が主流で、非効率な事業者でも賃金を下げれば利益を確保できる場合が多い。経営者がリスクを負わないため、自由競争を通じた淘汰が起きない構造になっている。30台以上を持つ全国の事業者を対象にした国交省の調査では、規制緩和を挟んだ01〜05年に、実動車輌1台1日当たりの収入は2592円(7・5%)減ったが、運総人件費もほぼ同額の2589円(10・3%)減った。収入減がそのまま運転手の賃金にしわ寄せされたことを示している。

作業部会では「(規制緩和で期待された)市場原理は働かなかった」「規制は悪、規制緩和なら善という風潮はおかしい」などの指摘が相次いだ。参入・増車の事前チェック強化や減車の仕組みの検討を盛り込んだ国交省の規制強化案は大筋で了承され、軌道修正への規制の再強化が固まった。

全国にさきがけて規制を再強化した地域がある。タクシーの過当競争で知られる仙台市だ。同市では02年の規制緩和後台数が急増し、路上にあふれたタクシーの違法駐車や、最低賃金以下の労働など、運転手の待遇悪化が問題になった。「安全性が損なわれる」として今年1月、国交省が全国で唯一、新規参入と増加を禁止する「緊急調整地域」に指定した。だが、「供給過剰は変らず、低賃金や収入減の事態は好転していない」との声が強い。

東北運輸局によると、仙台市のタクシー台数は、02年1月末の2653台から今年5月末には3690台へ約40%増えた。指定後、一部の事業者は自主的に減車したが、全体ではこの5カ月間で69台減にとどまっている。宮城県タクシー協会の藤島博行仙台地区総支部長は「減車や安全性の改善には今後も努めて行きたいが、業者の自助努力には限界がある」と語る。

運転手の平均年収は、規制緩和前の01年の280万円から07年の210万円へ急落し、その後も下げ止まったままという。仙台市の例は、規制緩和の見直し後も、すぐ問題が解決するとは限らないことを示している。

参院選での自民党の敗北後、規制緩和推進の動きは全体として弱まっている。医療や農業をめぐる規制緩和には反発が強く、昨年議論された農地の利用規制の緩和は先送りされた。雇用関連の規制緩和においては格差を拡大させたとの批判もあり、日雇い派遣は禁止される方向だ。一方、「まともな業者の参入まで排除するのは反対だ」など、規制の再強化の行き過ぎを警戒する主張もでた。

規制の是非に関する議論は、総論から各論に移りつつある。規制緩和や、強化の一辺倒ではなく、妥当な規制の水準、地域ごとの細かな対応など、丁寧な議論が求められている。

《いずれにしても、飽和状態を疾うに超え、増え過ぎたものは無情のようだが淘汰されるのが定めだ。時代を見通せない為政者たちの朝令暮改も必要だが、淘汰されないためには事業者は泣いていても仕方ない、自らで活路を見い出すことだ。》

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