無水便器
読売新聞(7/23)から 要約
えっ!? 無水? 驚いたが男性用に限るものらしい。知らないのは時代遅れで、欧米では水資源の保全などの理由から、空港や商業施設などのトイレに広く使われているものらしい。日本でもここ数年で、駅やビルなどでの設置が広がってきたという。
南海電気鉄道(大阪市)は昨年度から主だった駅で設置を進め、難波駅など18駅に73台を設置。今年度も3、4駅に16〜18台設置の計画だ。グループ会社の南海フェリーでも今年6月から無水便器を導入。北海道・洞爺湖サミットの会場になったホテルにも設置された。
水を使わない男性用便器の設置が駅や商業施設などで広がっている。水の使用料を抑えることができ、二酸化炭素(CO2)排出削減につながるためだ。環境に優しいとの考えから、新たに無水便器を発売するメーカーもある。横浜市の京浜急行・上大岡駅に隣接する商業ビル内の、複数の男性トイレに計23台の無水便器が設置されている。水を流さないとにおいが心配だが、トイレの中は悪臭もなく衛生的だという。
便器の底に専用のカートリッジが組み込まれており、カートリッジ上部の特殊な液体が蓋の代わりになって尿を密閉し、においの発生を防ぐ仕組みになっている。清掃頻度は従来と変らないが、清掃時にも水を流さず、専用の洗剤で便器内の汚れを拭き取る。カートリッジは定期的に交換することになる。
男性用便器は、用を足した後、自動的に水が流れるものが一般的だ。節水型便器の開発が進み、一度に使用する水の量は、新しいタイプだと約1〜2リットルと、従来タイプ(約4リットル)の半分以下になってきている。無水便器などを販売する「省電舎」(東京)によると、無水便器ならカートリッジ一個で平均5000回分処理でき、従来型に比べ約20トンの水を節約できるという。節水は、浄水場や下水処理場で使われる電力の削減につながり、その結果、CO2の排出削減にもなる。
また、「自動水洗の場合は便器の表面が常にぬれているため細菌が増殖しやすい。水を流さない便器の方が表面が乾きやすく、細菌の増殖を抑えることができる。そのため、においや汚れの原因となるアンモニアの発生や尿の石灰化も抑制される」という。
住宅設備メーカーのINAX(愛知県常滑市)は、今年8月1日から男性用無水便器を発売する。公共施設や事業所向けで、掃除がしやすいように凹凸のないすっきりしたデザインになっているようだ。同者では「CO2排出削減のため企業の需要が増える」とみている。
日本トイレ研究所(東京)の加藤篤は「水資源の節約という点では効果的で、非常に興味がある。カートリッジのコスト、液体が自然界に流れた際の環境への影響などを総合的にみて評価したい。私たちが節水や水の安全性について考えるきっかけにはなるだろう」と話している。
《利用者の多い空港や駅など、時間当たり13〜14人(12時間利用可)で1カ月で交換となる。それ以上の利用者があれば耐用は当然短縮される。カートリッジの価格が不明だが、コストパフォーマンスは検討の余地がありそうだ》。
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