私大47%が定員割れ
参照 私立短大6割以上が定員割れ 07/08/01
《昨年は短大を取り上げていたが、私大においても全く同様の問題はずっと抱えていた。今年もまた同じことの内容を記事にしたが、対策が取られた様子は伺えない。社会的背景も特に変ったことはない。現時点でどのように取り組もうと、決定的に多すぎる大学は淘汰する以外に抜本的な解決の手はないだろう。》
毎日新聞(7/31)から 《》内は私見
今年度の入学者が定員割れした私立大は全体の47・1%(266校)に達し、過去最多となったことが30日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。定員の半分に満たない大学も5・1%(29校)で、昨年度(17校)の1・7倍に急増してことらも過去最多。定員割れが進むと補助金の削減率が上がるため、文部科学省は「経営難に陥る大学が増える危険性が高い」と懸念している。
私立大565校の今年度入学定員は44万8580人で全年度比0・8%(3535人)増。志願者は延べ306万2825人(同1・3%)3万9138人増だった。一方、入学者は47万7918人と同1・4%(6997人)減だった。
大学の規模による二極化が顕著で、1学年の定員800人以上の大学では志願者が前年度比約6万7000人増えたが、地方を中心とする800人未満の大学は約2万8000人減った。全体の定員充足率は過去最低の106・5%で前年度比2・4ポイント減。定員割れした大学は前年度の222校から266校へと大幅に増えた。学部別では福祉系の低迷が目立ち、定員充足率は同7・9ポイント減の92・1%だった。入学者が定員の半数に満たなかった29校のうち、志願者数が定員を上回ったのは3校のみだった。逆に最も定員充足率が低かった大学は11・3%だった。
同事業団私学経営情報センターの堀敏明私学情報室長は「今年の18歳人口(124万人)は前年比約6万人の大幅な減少だったが、今後10年間はほぼ横這いの120万人前後で推移するとみられる。地方の小規模校はこの10年で経営改革を進め、収支を合わせていくことが重要になる」と話した。
同じ日の読売新聞は、全体的な私大の定員割れを評して弱肉強食の現実を反映した、とコメントを書いた。
定員割れの私立大はかつては年20〜30校程度だったが、1999年以降、急激に増加し、2006年には200校を突破した。少子化による志願者数の減少と規制緩和による大学数の増加が主な理由だが、定員割れが深刻化し、大学の経営破綻が相次げば、在学生への影響は嵌り知れない。
《少子化による大学余りが見えている中、規制緩和に踊らされて無謀にも大学数を増やすなど、定員割れを招くことは誰にでも予測は出来たはずだ。望めば誰でも入学が可能になった大学、全入時代の到来だ。偏差値なんてあって無きがごとしだ。》
毎日も書いているが、文部科学省では昨年度から定員割れの学部・学科を持つ大学への私学助成金の減額幅を増やすなど、大学側に経営の効率化を促している。しかし今回の調査では、昨年、定員割れした大学の半数近くが、今年はさらに状況を悪化させていたことが判明した。各大学がよほどの改善策をとらない限り、志願者集めは難しい実態も明らかになった。
一方、私立短大の定員割れも前年比5・3ポイント増の67・5%で過去最悪だった。定員割れの私立大が大幅に増えた原因について、同事業団は「18歳人口の減少に加え、大手有名私大が地方での出張入試などで志願者を集めているため、二極化に拍車がかかったのではないか」と分析している。
《定員割れの要員については推測どおりなんだろう。だかしかし、だからどうだっていうんだ。現状のままではますます定員割れに加速がつくだけではないのか。そこに歯止めをかけるには広げ過ぎたパイを小さくする以外にはないだろう。人口に見合った大学の数まで減らすことだ。学部・学科を増やし過ぎては経営効率を悪化させるだけだ。淘汰の仕方についてはそれこそ有識者集団が知恵を出し合えばいい、兎に角日本には大学が多すぎる。》
参考 多すぎる大学 06/06/06
続・多すぎる大学 06/07/25
大学進学資格 07/11/21
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