« 平泉 — 浄土思想を基調とする文化的景観 | トップページ | 学校給食費の値上げが続いている »

2008年6月 7日 (土)

男にも産休を

 いやー、驚いた、男も妻に代わって出産する時代になったのか、と錯覚した。本日の毎日新聞夕刊の記事見出しだ。「男性産休普及を」とあった。男の育児休業については散々叫ばれてきた。笛吹けど踊らない企業や男どもに、業を煮やしてこれでもかと喝を入れるための手を加えるようだ。

 政府の社会保障国民会議の「少子化・仕事と生活の調和に関する分科会」は6日、中間報告の骨子案をまとめた。少子化対策は「未来への投資」として、保育サービスの拡充に大胆な財政投入が必要と強調。「仕事と生活の調和」「子育てを支える社会的基盤の拡充」を訴え、育児期の勤務時間短縮など働き方の見直しや、男性の産休(パタニティー休暇*)《またまた、横文字のハイカラ気分で誤魔化そう企みか。》普及の必要性を盛り込んだ。

 * Paternity (父たること、父子の関係)休暇。これを無理矢理配偶者の産前産後の時期に男が取得する休暇のこととする。

《「大胆な財政投入が必要」と、何かと銭勘定が先に立った施策だ。銭さえ出せば金欲しさに子づくりが始まるとでも思っているのか。確かに銭金で動く現代人の心理を読んではいるが、事、子づくりとなると銭金だけではない問題があるのではないか。》

政府の「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」は昨年12月、子育てをしながら仕事を続ける女性への支援策拡充に年間1・5〜2・4兆円の追加財源が必要と試算したが、今回の骨子案は、施設整備やサービスの質の維持、向上などのコストは含まれていない、としている。

《「子育てをしながら仕事を続ける」とはいうものの、実際は預けられた託児所や保育所が母親の代わりに子育てをしているのと余り変らない他人まかせの大きい部分だ。数日前に漫画家・西原理恵子と経済評論家の勝間和代の対談が記事になった。二人のつながりは、勝間の主宰するワーキングマザー支援サイト「ムギ畑」の内容が書類化された際、表紙に「毎日かあさん」の漫画が掲載されたのがきっかけ。

《その表紙になったのが西原が描いた作品《紙上にはカットが掲載》で、働く女性が保育園に子どもを送り迎えする情景が描かれている。それに勝間が共感して「この話、すごく私たちが言いたいことだったんです。特に“こんな苦労が男にできるか バカヤロウ”というせりふが」と。

《現代の働く女性たちの傲慢さが如実に現れた勝間の言葉に、西原の漫画だ。本来自分がしている子育てを言うのなら男には返す言葉はない。例えば背中に子どもを背負って自転車を漕ぎ、掃除機をかけ、厨房に立って家事仕事をしているカットならだ。それを他人に育児を任せることに見栄を切ってどうする。そのうえ同じことは男性でもしている人は幾らでもいる、保育園の送り迎えは女性の専売特許じゃない。

《上げ膳据え膳は昔の男の専売特許であったが、長い間の男尊女卑の恨みを晴らすべく、今では女性の言い分を聞かない限り、何ごとも前には進まない。今や日本では女性の上げ膳据え膳の条件が整わないと、女性は子どもを産みたがらないことが当たり前になったのだろうか。》

|

« 平泉 — 浄土思想を基調とする文化的景観 | トップページ | 学校給食費の値上げが続いている »

コメント

なぜ男が産休をとらなければいけないのでしょう? 実際そんなことができるのは公務員か大企業だけじゃないのでしょうか。20人程度の中小企業でそんな事いったら、バカヤロー!帰ったら机がありませんね。
私は次男が生まれる2カ月前に会社が倒産して、残務整理や、仕事の引き継ぎで、家に帰れない日も。今思えば一生のうちで一番忙しかったかもしれません。でもしっかり妻は子育てしてましたし、夫はしっかり仕事をすれば良いと思っています。その後自営になり、幼稚園の送り迎えも結構できました。
家事と言っても全自動洗濯機に電子レンジ、紙おむつ。これ以上母親は楽をしなくてもいいのではないですかねえ。と言ったら怒られるのかな。
でも長男を産んで数ヶ月後に、妻がまた産みたいと言ったのには驚きました。あんなに痛がったのに。男には永遠に分かりません。

投稿: BEM | 2008年6月14日 (土) 01時08分

BEMさん、いつもコメントをありがとうございます。

大体、産休なる言葉が気に食いませんね。育児休暇ならまだ分かります。

でも、テレビなどで妻の出産に付き添い、はーはー、すーすー、と声を揃え、涙を流す夫を見ていると、男も出産休暇を願い出る人もいそうに思いますね。

私の場合、関西での妻の出産時は会社の吸収合併劇(される側の)のさなかでした。当然出産には立ち会いませんでした。第一、当時は男は産室に入ることは禁じられていました。

そして、おっしゃる通りです。私も家族のために仕事に精出しました。しかし、実家で赤子の沐浴を母上に任せていた妻は、我が家に戻ってきて首の座らない乳児を沐浴させることを怖がりました。

それからは子どもの沐浴は私の担当になりました。100時間残業は当たり前の時代です。それでも私は、時間こそ不規則ながら、毎日沐浴させる日が続きました。ついでに風呂場の掃除も、トイレの掃除もやってきました。

風呂場にトイレについては何度かブログでも触れましたが、兵役から復学した先輩から叩き込まれ、今も続けています。

私はわざわざ育児休暇など取らなくても、綿布の時代でもおむつの取り替えも含め、日常で十分子育てをすることは可能だったのです。

現在、国が進めようとしている男性の育児休暇など論外なこと、私はずっと反対の意見を綴っています。

子育ては長い時間人に預け、おむつは紙、洗濯は電動で、ご飯は電気が、では母親は一体何をすればいいんでしょう。

彼や彼女らは、そのことに考えが及ばないままに、家庭内教育もせず、躾けもできず、甘やかしただけのどうしようもないこどもたちを、世に送り出しているのです。

投稿: 小言こうべい | 2008年6月14日 (土) 22時58分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 男にも産休を:

« 平泉 — 浄土思想を基調とする文化的景観 | トップページ | 学校給食費の値上げが続いている »