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2008年6月13日 (金)

膣カンジダ症

Moon0003_5 東南の空(17:45)に浮かぶ月

 ブログのタイトルとお月さん、こじつけた写真ではない。

タイトルは、不特定多数が目を通す新聞の記事(毎日新聞 6/10)にしては、女性性器を冠したそのものズバリのショッキングな見出しだ。昨今の中学生なら男児でも理解し、想像することもできるだろう。片や参院本会議で可決、成立した青少年への有害情報規制法(有害サイト規制法)に挑戦でもするような刺激的な読み物となっている。

『外陰部の強いかゆみと、おかゆ状のおりもの。どうしたらなおりますか。』で始まる質問への回答の形で構成されている。カンジダ症は男性外陰部でも発症する症状だが、特に膣と表現して女性に限った内容だ。若し、思春期の男児の目に止まったら、興味本位で読むことになるだろう。

今からおよそ30年ほど前になる。若かりし頃の笑福亭鶴瓶が、女性の生理用品・ナプキンのコマーシャルをやったことがある。1メートルほどもある黄色い月を象った一部に穴を開け、黄色い衣装を纏い、月の穴から顔だけ出した姿で夜の窓辺で読書(?)する女性に近づき「こんばんは お月さんです」「あら、お月さんまた来たの?」「遅れてゴメン」とやった。

最近のコマーシャルの言葉を借りれば、“女性の微妙なところ”を守るナプキン(ソフィ)をカリカチュアライズしたものだったが、始めて妻と並んでみた時、妻が堪らなく恥ずかしい思いをし、居たたまれなくなっていたのを憶えている。恐らく膣カンジダの記事は、男児を抱えた母親なら、絶対に目の届かないところに隠すだろうと思う。それとも私の世代、昭和一桁の時代遅れのアナクロ感覚なのだろうか。

そういえば、もっと激しい露骨な表現も最近は数が増えた。先日秋葉原の歩行者天国で女の子が足を開いて見せ、バカな男どもがカメラを構えた情けない姿は、そっくり同じものが放映されている。こちらは男性3人組が揃って片足を開いて高く上げた絵づらだが、「オレの股間はかゆい」とやっている。

ソフィのメーカーでは、最近はもっとどぎつくなったのもある。テレビから聞こえて来る。「生理中の微妙なところは、このようにむれて(画面はユラユラと湯気が立ち上るカット)かゆくなる」。

また花王の女性生理品(ロリエ)では「じとじと濡れる、ジメジメ濡れる」と遠慮会釈ない。

毎日毎日これでもか、と繰り返し流されるコマーシャル、ある種男性の劣情を呼び覚ましていることになるのではないか。

記事は、外陰部のかゆみについて進む。主な原因として、膣カンジダ症、ナプキンかぶれ、一般雑菌による膣炎、クラミジア、淋病、トリコモナス、ヘルペスなどを紹介、早めに産婦人科医での受診をいう。このうち、最も頻度が高いのが膣カンジダ症だ。膣カンジダはカンジダ属真菌(カビの仲間)に感染して起きる膣炎だ。症状は、他の膣炎や性感染症に比べかゆみが強く、おりものがおかゆ状または酒かす状に変化するのが特徴だ。

ロート製薬が07年、インターネットを使って女性3696人(20〜60歳代)に実施した調査によると、5人に1人が膣カンジダ症を経験していた。また、その8割が20〜30代の若い時期に発症し、経験者の半数以上が再発を繰り返していた、という。

これらの情報が、男性の劣情を刺激させるとの思惑は間違いで、逆作用としての効果を期待しているのだろうか。男性痴漢が感染を恐れ、手を出すのを逡巡、躊躇させることを狙ってわざと記事にしているのだろうか。一方、テレビはこれらコマーシャルの絵づらを垂れ流すことで、青少年の恥じらいの心を麻痺させることを狙ってでもいるのだろうか。いずれにしろ、一桁人間には現代性風俗は理解することが難しい。

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