続、膣カンジダ症
5人に1人のうちの8割が20〜30代が経験する膣カンジダ症、それにまた経験者の半数以上が再発を繰り返している。昨日はその症状とコマーシャルについて書いた。後半は、その対処、処置について。
女性専用クリニック「イーク丸の内」(東京都千代田区丸の内2)の産婦人科医、長西美和子は「かゆみを訴えて、来院する女性の半数以上が膣カンジダ症だ。カンジダ菌はだれもが身体の中に持つ常在菌で、何らかの原因でこの菌が増えると発症する。女性は誰でもかかる可能性があり、珍しい病気ではない」と解説する。
発症の詳しい原因はよく分かっていないが、身体の抵抗力が落ちている時に菌が繁殖し、発症する傾向がある。また、女性に多く見られる膀胱炎などの尿露感染症にかかると、治療で抗生物質を服用する。これが、カンジダ症発症の引き金になることもある。
もともとは膣の中は、常在菌が強い酸(乳酸)をつくり、雑菌が繁殖しないような仕組みになっている。しかし、抗生物質の働きで、常在菌が持つ「自浄作用」の効果が弱くなるために、雑菌が増えて発症しやすくなると考えられている。疲れた時に症状を訴える傾向があることから、医師は「疲労を蓄積しないよう、規則正しい生活と栄養バランスの取れた食生活、ストレスをためないことが大切」と口を揃えていう。
石鹸などで外陰部を洗い過ぎないことが大切だ。膣の中の常在菌が少なくなってしまうからだ。できれば弱酸性のベビー石鹸を使い、軽く洗い流す程度がいい。抗生物質の使用後に発症した人は治療を受ける際に、医師に「カンジダ症になったことがある」と伝えることが必要だ。薬の量や投与期間を抑えることで、カンジダ症の再発を防ぎやすくする。
若い女性にとって、産婦人科医の敷居は依然として高い。性感染症と受け止める人もいて、余計に病院に行くのをためらいがちだ。だが、治療を受けるのが遅くなるほど症状は悪化し、治りにくくなる。女性だけのクリニックも全国各地に誕生した。抗真菌剤を使えば、かゆみは1〜2週間程度で治まる。
長西医師は「性交での感染は数%しかない。抵抗力が弱い幼児や高齢者でかかる人も多い。性交の有無にかかわらず、菌のバランスが崩れた時に症状が出てくる。恥ずかしがらずに早めに受診して欲しい」と話す。
今春には膣カンジダ症の再発治療薬が一般薬局でも販売され、医師の診療を受けずに済ませる人も増えそうだが、北村邦夫家族計画協会クリニック所長は「膣カンジダ症の陰に別の病気が隠されていることがある。自分で勝手に判断せずに、専門医を受診して欲しい」と注意を促している。
《私の妻(70代)の少女時代には、生理用品を購入するのに薬局に入るのにも、恥ずかしくて何度も店の前を行き来しなければ買うことができなかった、と聞く。今では日用品の雑貨と並んでスーパーでもコンビニでも選り取り見取りの状態で簡単に買え、何のためらいもなく買い物篭に入れてレジを通過することができる。奥ゆかしさの片鱗もない時代になった。時代の変化は性に対するタブーをなくしたのだろうが、殺伐として寂しい限りだ。
今回の記事は通読した限り、やはり一般紙向きの内容ではない。女性週刊誌のお得意のジャンルだろう。だが待てよ、女だけの知識ではなく、男にも知っておいてほしいの気持ちなのだろうか。ジェンダーばやリの昨今だ、男も女もない、とばかりにひょっとすると、来週辺りは続いて男性外陰部のカンジダ症を取り上げるつもりかも知れない。どちらにしても、「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」(世阿弥「風姿花伝」)の例えもあるのだが。》
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