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2008年6月 5日 (木)

有害サイト規制、国は関与せず

中高生100万人以上が利用している裏サイトやプロフ(プロフィール)。文部科学省が今年1〜3月に行なった調査では、学校裏サイトは約3万8000件ある。その約2000件を抽出したところ、半数で「キモい」「うざい」など他人を中傷する表現があり、約3割で「死ね」「殺す」など暴力的な表現が含まれていた。また、中には犯罪を誘発しかねない自分の下着写真を載せた女子中学生、援助交際の温床にもなりかねない危険性を孕んだりもしている。メッセージのやり取りから、子ども同士のいじめや事件につながったケースもしばしばニュースを賑わす。

本来、家庭内で幼児のうちから入学させるまでの間に、相手を傷つけない他人とのつき合い方や、弱いものへのいたわりや、ものごとの善悪などが分かるように身につけさせておくことが、子を産んだ親が、子を学校に預けるまでに済ませておく家庭内教育であるべきなのだ。ところが現代風とでもいうのか、子育てすら託児所、保育所などにまかせ、親がおろそかにした基礎の教育は学校が、先生がするものと錯覚している。入学するや親から何も学ばなかったガキどもは、椅子にきちんと座ることもできず、先生の話を聞くこともできない。

いま、有害サイトを賑わしているのがこのような家庭から育ってきた子どもたちなのだ。悲しいことだが人の話など聞き分ける能力も、人の痛みが理解できる心など持ち併せてはいない。そして、大事なことだが親たちに彼やかの女たちを指導する力はない。一方、先生たちも続発する事件に追われ、これといった対策もないままに手探りの状態が続いているのが現状だろう。

毎日新聞(6/3)から
 自民党と民主党は2日、18歳未満の子どもをインターネットの有害サイトから守るための議員立法の共同法案の修正協議で合意した。両党の党内手続きを経て、今週中に衆院の「青少年問題に関する特別委員会」に委員長提案として提出し、今国会で成立する見通しとなった。

有害情報の選別をめぐり、「国の一定の関与が必要だ」とする自民党と、「民間の自主的な対応に委ねるべきだ」とする民主党の間で意見が対立し、調整が難航したが、最終的に国が関与せず、民間の第三者機関に任せることで自民党が妥協し、決着した。

背景には、ネット業界が「国による実質的な情報統制は、表現の自由との兼ね合いから問題だ」と強く反対を表明し、自主的に第三者機関の設立に動くなど、自浄努力の姿勢を示したことがある。自民党は当初、第三者機関を「国が指定する」など、規制強化の姿勢を示したが、民主党や業界の説得に応じる格好となった。結果、与野党が共同で法案を提出し、今国会で成立を図ることで実効性ある対策を目指す、とした。ただし、罰則は設けない。

自民党は当初、「青少年特別委員会」(委員長・高市早苗前少子化担当相)が出会い系サイトなど有害情報の管理や規制を強化する法案を検討。年齢ごとにフィルタリングの対象を定めるほか、有害情報の認定は国(内閣府)が行なうとしたが、党内で反対が強く、「第三者機関の設置」で落ちついた。

第三者機関への国の関与については、ヤフー、マイクロソフト、楽天などネット関連5社が4月23日、自民党の法案では事態が改善する見込みがなく、表現の自由や、ネット文化・産業の衰退を招くなど、いち早く反対を表明し、与党を牽制。

5社は、○これまでにも自主的に「有害」の判断基準を作成し、根絶に取り組んできた。○規制強化しても海外からの有害情報にはほとんど効果はない、などと指摘。

《根絶に取り組んだ結果が見ての通りだ。或いは海外からの有害情報には“ほとんど”規制効果はない、と「だから何も出来ない」と諦観の姿勢をはっきりと表明したことと変らない。手の打ちようがないからこれからも何も変らないのだ。》

ネット関連業界は「先手必勝」とばかりに、4月8日に携帯電話のサイトが健全かどうかを認定する第三者機関「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」を設立。同25日には携帯電話やパソコン向けの第三者機関「インターネット・コンテンツ審査監視機構」が設立を表明。業界代表や有識者が判断基準を作り、9月をめどに健全なサイトの認定を始める予定だという。

《民主党や業界自体の意見に圧されて民間の良識に任せる、ということになったが、果して民間の良識を信じていいものかどうか、施行されてからの経過を見てみなければわからない。法案は罰則もなく、何の歯止めにもならないフィルタリングですら徹底させることもままならず、海外からの有害情報は防ぎようがないと、放任される。現時点では一番規制効果が期待できる、せめて小中学生向けには通話機能だけの端末さえ作ろうとしない。その程度の企業の良識が認める民間の第三者機関など、おそらくは、後悔を残すことになるだけだろう。》

 ◆有害サイト規制法案の骨子
 ・保護者が反対した場合を除き、携帯電話会社に18歳未満の子どもへのフィルタリングサービス提供を義務づける
 ・パソコンメーカーにフィルタリングソフトの搭載を義務づける
 ・サーバー管理者に子どもが有害情報に触れないようにする努力を義務づける
 ・保護者に子どもがネットを適性利用できるよう教育する努力を促す
 ・有害サイトをめぐる関係閣僚会議を設置

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