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2008年6月28日 (土)

小学6年・中学3年の社会科(特定課題調査)テストの結果

 今年の春に公表された大学生・高校生の調査報告に比べれば驚きは小さい。先の大学・高校生にはいたが、自分が住んでいる国の首都・東京の位置すら地図上で分からないようなバカはいないようだからだ。

毎日新聞(6/28)から
 文部科学省国立教育政策研究所は27日、小学6年と中学3年を対象にした社会科テスト(特定課題調査)の結果を公表した。歴史上の人物と業績を結びつける問題(小6)では、ザビエルや雪舟は正答率が高い一方、伊藤博文や勝海舟は低いという意外な「認知度ランキング」が判明した。小6で全47都道府県の位置を正しく答えた児童は12・7%だった。

調査は昨年1〜2月、無作為抽出した全国526校1万6000人を対象に実施した。都道府県名から地図上の位置を選ぶ問題(小6)では、47都道府県の正答率が54・7%。福井県と徳島県の39・9%が最低だった。鳥取県を島根県の位置(誤答率18・7%)としたり、秋田県を岩手県の位置(16・6%)とするなど、隣接県と間違えるケースが目立った。47都道府県の位置は、来年度から先行実施される新学習指導要領で小3〜4年生で必ず学ぶようになる。

 名称から地図上の位置を選ぶ問題で正答率の低かった都道府県(%)
         小6     中3
  福井    39・9    47・7
  徳島    39・9    48・3
  宮崎    40・1     —
  島根    40・2    54・2
  岡山    41・3    54・5
  福岡    41・8    62・6
  山梨    43・0    56・4
  鳥取    43・5     —
  岐阜    44・2    58・0
  佐賀    44・5     —
   ([—]は出題なし)

 学習指導要領で取り上げている42人の名前に、業績を説明した42の短文を結びつける小6の問題では、ザビエルは正答率98・2%だったのに対し、伊藤博文は37・7%、明治天皇は37・5%だった。

近現代の人物ほど正答率が低く、同研究所は「同時代に活躍した人物が多いため」などと分析。明治天皇は「五箇条の御誓文を出した」が正解だが、「大日本帝国憲法をつくる仕事に当たった」の伊藤博文と混同した誤答が多かった。

一方、同時に実施した学校へのアンケートで、「人物年表や人物事典づくりなど表現活動を(指導に)取り入れた」と答えた教師の担当児童は正答率が高かった。

《教育政策研究所は近現代の人物に正答率の低いことの理由に、「同時代に活躍した人物が多いため」と低次元の分析をしているが、これには現在の教育の根本的な問題が見落とされているように思う。設問に並んでいる人物を見る限り、近代に活躍した人たちで占められており、敗戦後から現代までの歴史を築いてきた人たちが1人もいないことに気づく。すなわち、近現代といいながら、現代史が全く含まれていないのだ。憲法に触れられてはいても、明治憲法(大日本帝国憲法とまで書く)であり、明治維新から明治新政府を築き上げた元勲たちの名前が連なり、第2次世界大戦中から敗戦後の民主主義を歩んできた人たちは一切姿を見せていない。なぜか、

現代に触れれば戦前の軍国主義に触れ、侵略戦争に触れ、中国、韓国の問題に触れなければならなくなる。敗戦後には新憲法に触れ、自衛隊に触れることになれば、必ずそこには戦争放棄を謳った新憲法と、自衛隊の憲法違反の問題が疑問として浮かび上がるからだ。そのためには歴史は近代で止め置く必要があるのだ。歴史が現代に近づくほど触れたくない思惑が垣間見えるのだ。それとも小学校では現代史は教えないことになっているのだろうか。

小6にもなって学んでいれば、42名の偉人の数程度であれば、結びつける業績が列記されているような設問方式では、至極簡単に理解できるはずだ。決して多すぎる数ではない。》

 人物の業績を選ぶ問題の結果(小6)
  順位  人物名     正答率(%)
  1  卑 弥 呼    99・0   
  2  ザビエル     98・2
  3  ペ リ ー    95・8
  4  雪   舟    94・2
  5  野口 英世    92・9
  6  杉田 玄白    89・2
  6  足利 義満    89・2
  8  足利 義政    89・1
  9  聖徳 太子    86・9
  10  伊能 忠敬    85・8
  略 -----------------------
  37  伊藤 博文    37・7
  38  明治 天皇    37・5
  39  勝  海舟    28・4
  40  大隈 重信    28・1
  41  木戸 孝允    23・3
  42  大久保利通    19・9

 人物と業績との関係
 卑 弥 呼「邪馬台国の女王になった」
 ザビエル 「日本にキリスト教を伝えた」
 ペ リ ー「黒船で来航し開国を迫った」
 雪   舟「水墨画を完成させた」
 野口 英世「黄熱病の研究で世界的に活躍」
 杉田 玄白「オランダの医学書を訳した解体新書をあらわした」
 足利 義満「京都の北山に金閣を建てた」
 足利 義政「京都の東山に銀閣を建てた」
 聖徳 太子「十七条の憲法を定め遣隋使を送った」
 伊能 忠敬「全国を測量して日本地図を作った」
 伊藤 博文「大日本帝国憲法をつくる仕事に当たった」
 明治 天皇「五箇条の御誓文を出した」
 勝  海舟「新政府と話し合い江戸城を平和に明け渡した」
 大隈 重信「佐賀藩出身で国会開設に備え政党を作った」
 木戸 孝允「長州藩出身で幕府を倒し新政府の中心となった」
 大久保利通「薩摩藩出身で幕府を倒し新政府の中心となった」

 複数の資料から課題を見つけてまとめる力は、発表・討論などを含む「問題解決型」の授業を実施している学校ほど高い傾向が見られた。同研究所は「問題解決的な学習の経験を継続的に積ませることが重要」と指摘している。

《バカの一つ覚えのように「グローバル化」「英語」を唱え、小学校で学ばせることになるが、自国の歴史も満足に知らないでは、英語だけできてもグローバルな人間にはなれないし、まして国際舞台で活躍ができるなどとても考えられることではない》。

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コメント

歴史は現代から時代をさかのぼって学ぶのが最上かと思いますが・・・
文部省の石頭がゆるさないかもしれません。(>_<)

投稿: のびぃ太 | 2008年6月29日 (日) 15時45分

私の中学時代の日本史は酷い事に江戸時代までの勉強に時間を割き過ぎて、明治から現代は数時間でするこになり、しばらくはさっぱり分かりませんでした。
その後個人的に本を読んだりして流れがわかりましたが、全国的にも似たり寄ったりでしょうか。
中学の息子が問題を出して〜と教科書を持ってきますが、現在「奈良時代」のようです。
歴史は好きですが、墾田永年私財法なんてどーでもいいのでは?とも考えてしまいます。

投稿: BEM | 2008年7月 1日 (火) 10時01分

のびぃ太さん コメントありがとうございました。

ご挨拶遅くなりました。
おっしゃるように遡って原因を学ぶ歴史も効果的だと思います。

古い話ですが、明治100年(昭和43、1968年)を記念して全10冊の軽い読み物風の書籍が出版されました。ちょうど40年前になります。これがのびぃ太さんのおっしゃる1968年から遡っての100年間を通史で書き上げたものでした。今は手元にはないものですが、とても読みやすく、面白い内容でした。

10年刻みで、その時代がなぜこうなったのか、を把握しやすい内容だったのを記憶しています。

それにしても、戦後の日本人の歴史に疎いことは嘆かわしい限りです。戦争から敗戦への道のりが、余りにも大きい国家のトラウマとなって、歴史教育の核を見失っているせいでしょう。

投稿: 小言こうべい | 2008年7月 7日 (月) 11時00分

BEMさん いつもいつもありがとうございます。ご返事おそくなりました。

中学生の息子さんのお相手大変ですね。私は、息子がその頃にはほとんど顔を合わせることができないほど仕事に追われていました。

それにしてもご指摘の「墾田永年私財法」、私の旧制中学生(新制高校)時代は戦中と、敗戦後のどさくさで勉強どころではありませんでした。たしか、中央貴族や大寺社、富豪たちが財に任せて開墾し、現在以上の格差社会を築いて行く(荘園と貧農)ことになる法ではなかったでしょうか。

でも、つくづく思い返しています、勉強がいかに大切なものかを。私はそれに気づくのが遅すぎました。

勉強好きのご様子の息子さん、将来が楽しみですね。

投稿: 小言こうべい | 2008年7月 7日 (月) 11時28分

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