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2008年6月16日 (月)

子どもと携帯電話 - 2 -

「必要のない限り持つことがないよう保護者、学校はじめ関係者が協力する」とは、先月、教育再生懇談会が提言したことばだ。これまでにも散々言い古されてきたことだが、親たちは安心の道具として持たせているケースが多く見られるのだが・・・。

ほんとうに、子どもに携帯電話は必要なんだろうか。(《》内は私見)
神奈川県の主婦(45)は昨年、中学2年生の長男(14)が部活や塾で外出が増え携帯を持たせようと考えた。しかし、長男が自宅のパソコンでアダルト系サイトを見ていたことが分かり、考え直した。動画のダウンロードで高額な料金を請求された男子や、携帯の出合い系サイトにのめり込む女子の話を友人に聞いたのも一因だ。

結局、不特定多数の人への配布を求めるチェーンメールの煩わしさを嫌った長男が「要らない」と自分で決めた。主婦も「無数のサイトを取り締るのは無理。今は持たないようにするしかないんおでは」と思う。だが、小学生の次男がいて、彼は周囲に影響されやすい性格なので、我慢を続けられるか、考えると憂鬱になるという。

以上は具体的な例だが、07年の内閣府の調査で、携帯でインターネットを使う割合は
  小学生 27%
  中学生 56%
  高校生 95%。
電気通信事業者協会によると、有害サイトへの接続を制限するフィルタリングサービスの利用は
  06年9月  63万1000件
  08年3月  342万6000件 と普及した。

ただ、すべてのサイトを目で見て分類するわけではなく、塾の掲示板が制限対象になるなど、万能ではない。日本PTA全国協議会の昨年11月の調査では、フィルタリングを使う保護者は43%。使わない理由を聞くと、中学生の保護者の60%が「子どもを信頼している」と答えた。

《信頼しているはずの子どもが時として暴力を振るい、犯罪に走る。連絡さえあればそれで良しとする。友人の家に泊まると連絡があれば何も疑わない。その実子どもたちは夜の街を徘徊して回る。街角に屯(たむろ)して男に声を掛けられるの待つ女の子の多さも目立つ。このような光景が幾度テレビの画面を賑わしてきたことか。彼女たちは皆、“家には連絡してあるから大丈夫”とのたまうのだ。》

「携帯を使いこなす子どもの現実を親が知らな過ぎる」。警鐘を鳴らすのは、ネット上のマナーなど、情報モラル教育の模擬授業を各地で行なう東京都北区立西ヶ原小学校の野間俊彦副校長だ。

小中学校は来年度から、道徳の授業で情報モラル教育を行なうが、野間副校長は「ネットの匿名の世界で、いじめをしないなど自分を抑えられるかどうかは人間性の問題で、家庭の教育も不可欠」と話す。子どもとしっかり向き合って話を聞き、家族の一員として役割を持たせるなど、家庭に「心の居場所」を作るよう勧める。

《野間が言う「家庭の教育も」では生温い。「家庭の教育こそ」不可欠なのだ。乳児の頃から親は育児を他人に任せ、長じて学校に上がっては学校や先生に任せ、学童保育と称してまたまた他人に預ける。どこに保護者としての家庭の教育で大事な躾や善悪を教える時間があるのか。携帯電話など買い与えればお終いで、使い方など躾ける親がそうそういるとは思えない。逆に親自身の携帯のマナーの悪さは目に余るのが実情だ。》

安全生活アドバイザーの佐伯幸子は出会い系サイトなどで「お金をあげる」と誘われ事件に遭う子の多さを指摘する。「お金より大切なことがあるなど、親は普段から伝えているのか気になる。親も携帯を与える前に、情報に流されず本当に必要なことを考える時」と話す。

昨年1月、東京都内の中学2年生と母親311組を対象に、携帯電話と親子の意識を調査した。遅刻などの問題行動や「迷惑を掛けなければ何をしてもいい」などの規範意識を尋ねた。携帯の使い方による大きな差はなく、親との会話や信頼関係による差が大きかった。夫婦・親子の会話が活発な家庭は、携帯の通話やメールも親子の対話が盛んだ。

橋元良明・東大大学院教授(コミュニケーション論)の話
「事件につながるような行動は、親から受け継いだ価値観や家庭環境などが背景にあり、携帯は媒介として仲立ちしたに過ぎない。大切なのは与えっぱなしにしないこと。テレビの暴力シーンでも、親が「ひどい」と反応するのを見て子どもは社会的規範を学べる。携帯も、好きなサイトの話をしたり、バケット通信料が激増したら理由を聞くなど、親子で話題にしよう」。

《昔ながらの環境説(経験説とも)だが、正論でもある。与えっぱなしにしないことの指摘は将にその通りだ。ブログで携帯を取りあげる度に書くことだが、どのように使用しているかは親の保護下にある限り、親は必ずチェックする義務があり責任があり、そして権利があるのだ。それに何時も気になることだが、携帯にかかる通信料金だ。データとして調査した資料を目にしたことがない。自分の小遣いの中から本体は購入させているのか親が買い与えるのか、月額では幾らぐらいの通信料を支払っているのか、親が支出しているのか、またその割合は。小中学生或いは高校生で携帯を持つものの中の割合では支払い分担はどうなっているのか、などだ。まさか野放図に子どもが使用するに任せ、支出を続ける親がいるとは想像できないが、もしもいれば、子育てに無責任な親バカのバカ親というよりない》。

《私の持論ははっきりしている。親にチェックする能力があっても、小中学生には携帯電話は持たせるべきではない、不要なものだ》。

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