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2008年4月19日 (土)

スチュワーデス(大学・大学院生の就職志望調査から)

Dscf0004Dscf0008a_2孔雀さぼてん

今年も
しばらくの間
目を楽しませて
くれそうだ

働く女性があれほど忌み嫌うお茶汲みのようなサービス。面白い記事が飛び込んできた。毎日新聞(4月18日)の大学生・大学院生を対象にした就職志望調査をまとめたものだ。

大きく 全日空、首位返り咲き とある。大学生では昨年2位だった全日本空輸が、特に女子学生の高い支持を背景に首位に返り咲いたと報じた。この先、全日空とスチュワーデスにしぼって書いてみたい。

 <大学生就職 志望ベスト10>
 1(2)全 日 空
 2(3)三菱東京UFJ銀行
 3(1)みずほフィナンシャルグループ
 4(7)JR 東 海
 5(12)三井住友銀行
 6(4)トヨタ自動車
 7(20)バ ン ダ イ
 8(35)ソ ニ ー
 9(28)JR 東 日 本
 9(10)松下電器産業
 (カッコ内の数字は昨年の順位)

文系の大学生だけみると三菱東京UFJ銀行が首位で、理系ではトヨタ自動車がトップ。理系大学院生では昨年2位の松下電器産業が1位になった。

就職先選びでも最も重視する点では「自分を大きく成長させられる」が最も多く、雇用の安定や給与・福利厚生などの待遇の良さを選ぶ学生も増えており、リクルートは「安定志向はさらに強まっている」とみている。

調査は2月14〜3月3日、就職情報提供サイト「リクナビ」登録者約53万人を対象に実施し、1万5061人の回答を集計したもの。

《お茶汲み、配膳サービスの典型がスチュワーデスの仕事だ。何か事があればおちおちお茶など運んではおられないが、平穏無事なフライトなら、お茶汲み、配膳、片付けはメインの仕事になる。

女性の多くが望む一般事務、総合職などには時にはお茶のサービスも混じることもあるが、職場の花で済んでいた昔と違って現在ではメインは机に向かっての仕事になる。現在、スチュワーデスと同じ作業を例え上司でも、三菱東京UFJ銀行や、みずほフィナンシャルグループの会社内で命じようものなら、袋だたきに遇うだろう。なぜ、スチュワーデスたちはメインの仕事としてそれを行なうのだろうか。

そもそも日本でスチュワーデスが誕生したのは第二次世界大戦の敗戦(1945)後、まず戦勝国のアメリカの航空会社が営業を再開し、遅れて51年に日本航空が、52年に全日空(当時は日本ヘリコプター)が開業した。占領下にあった日本では、政府関係者や企業の業務出張者、留学目的、または外国人に限られていた。

50年代後半ごろから日本では女性の乗務員が大勢を占めており、男性はごく少数だった。当時は「エアホステス「エアガール」と呼ばれていたが、ホステスは水商売と紛らわしいということで改名された。

1964年4月1日、海外渡航が完全に自由化され、「ジャルパック」などの団体観光ツアーが発売された。しかし、海外旅行は一般層には手の届くものではなく、同時にスチュワーデスの仕事は高嶺の花の「ステータス」となるものであった。なぜ高いステータスでみられていたのだろうか。第1に、当時は外国語の素養がある女性に海外との縁がある1部の階層に限られていたこと、家柄が重視されていたこと、良い条件でハイクラスの結婚の相手と知り合う機会が多いと考えられていたことがある。

その後1980年代に海外旅行の大衆化が進み、海外旅行が特別なものではなくなったこと、外国語を修得する環境が整ったことのほかに、大型機が増え、乗務員の需要が増加したことと、女性の職場進出が目覚ましくなるに従って、良縁を得るためではなく、働くことに生き甲斐を求めるように変ってきた。それに伴ってスチュワーデスが特別ステータスの高いものではなくなり、外国語が話せて美人で、すらりとした見栄えなどは必須の条件である必要がなくなった。

初期に「エアホステス」「エアガール」、最近まで「スチュワーデス」(男性はスチュワード)の呼称が、1980年以降アメリカの「ポリティカル・コネクト」(性表現のない単語)の「フロアアテンダント」「フライトアテンダント」を和訳した『客室乗務員』という旅館かホテルの客室係のような名前を正式とするようになっている。

事実、業務内容は通常、機内配膳サービスや掃除、保安や緊急時の対応などが主業務になる。客室係としては主に飲食の配膳、片付けになり、緊急事態が発生しない限りには保安要員の要素は殆ど必要ない。当然、乗務した場合でも保安には女性より男性が適している(ハイジャック対応、酔っ払い、機内暴力など)が、日本の航空会社では女性客室乗務員はサービス要員ではなく、保安要員として労使間協議が持たれ、男性の増員を主張することはないようだ。男性の機内での職種は厨房や、力仕事に回されたりしていて、客室係に関する限り、男女機会均等法は実施されておらず、女性上位の職場になっているようだ。

思い返せばその昔、大企業の労働組合が、過激な左翼に煽動され、中小企業や、女性労働者のことを置き去りにしてきたことのしっぺ返しを喰らっているようにも見える。それだけではない。日本の大手航空会社の場合、現在契約客室乗務員の募集は表向き「男女双方」となっているが、男性が採用されるケースは皆無と言われる。

これらから、1999年4月1日の男女雇用機会均等法の改正時に、違法行為を提起したが、現在のところ厚生労働省など行政や労働組合に動きはない、という。

全日空を選ぶポイントが、何であったか不明だが、少なくとも一般企業では忌み嫌うお茶汲みのような配膳や、後片付けなどが主たるサービス業を、「自分を大きく成長させられる」と受け取る女性が本当にいるのか。るんるんで大学を卒業し、その記念に海外旅行に出掛けるような世代の女性たちだ。スチュワーデスの応募は身銭を切らずに海外旅行ができ、ブランド物が買い漁れるメリットが最大の魅力となっていると見ても間違いではないだろう。》

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