新入社員の意識調査
日本能率協会が23日発表した意識調査によると、「気に入った会社や仕事よりも就職することを最優先した」人が全体の約8割に上った。(毎日新聞 4/29)
08年入社組の就職活動は「超売り手市場」と言われたが、日本経済の先行きに不安が広がる中、若者たちの安定志向は強まっているように見える。
「どのような気持ちで就職活動に望んだか」を聞いたところ、就職最優先派は76・3%だった。能率協会は毎年、新入社員の意識調査をしているが、この設問を始めた04年以来最高となった。その一方で、「気に入った会社でなければフリーターになる」は8・8%、「気に入った仕事でなければフリーターになる」は12%だった。
「転職・独立志向はあるか」との問いには「定年まで勤めたい」が04年の24%から徐々に増え、今回は33・4%で最も多く、こちらも過去最高だった。新入社員の3人に1人は終身雇用を望んでいることになる。日本企業の特色であった終身雇用のかたちが崩れて久しいが、長い不況からやっと抜け出したかに見えたのも束の間、ニートやフリーター、失業など、生活基盤の脆弱さから学んだ先行きの不安は、再び終身雇用に目を向け始めたようにみえる。ただ一時代前と違うのは、企業に抱く帰属意識の差だろう。それは「一生お世話になります」からいつでも「フリーターになる覚悟」のある現代の若者との違いだ。「なるべく早く転職したい」と答えたものも2・6%いた。
「できればやりたくない風習・習慣」では
「転勤」が47%で最多
「残業・休日出勤」が43%
同協会では「会社に溶け込まなければと考えつつも、自分の生活は大切にするしたたかさもある」としている。
また、「上司との人間関係構築のために有効だと思うこと」(複数回答)には
「飲み会への参加」が89%で最多
「社員旅行」が70%
「運動会」が50%あった。
付き合いを深める方法として社員旅行をあげる人が7割もいたが、日本企業の成長期、社員旅行は大流行りだった。また、飲みニュケーションなる場に何らかの幻想を抱いているようだが、逆に人間関係をぎくしゃくさせる危険をも内包していることも知っておく必要がある。
同協会は「就職活動の中で企業業績が悪化するのを実感し、安定志向を強めていったのではないか」と分析している。
調査は能率協会の新人社員セミナーを受講した08年春入社の1334人を対象に今年3〜4月に行なった。
少し前、「自分に合った仕事」と言う人たちがいた。今「気に入った会社や仕事」を言う。就職したことのない人間に、或いは自分自身の可能性が未開の世代に、「自分に合った」、或いは「気に入った」は未知の世界のはずだ。その人の現在立っている小さな自分が基準で対象を眺め、判断しているに過ぎない。自分に合った仕事も、気に入った仕事も自分の成長と変革の中で見つかるものだと思った方が良い。自分に合った仕事も、気に入った仕事も自分を磨くことで見つかるものなのだ。自分自身が解らないでは自分に合った仕事も、気に入った仕事も永遠に見つかりっこないと思う。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント