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2008年4月 7日 (月)

タングステンランプと蛍光ランプ

毎日新聞の3月8日の「発信箱」に載った記事だが、そのうち書こうと思った切り抜きがある。解説室の青野由利が書いたものだが、「白熱灯」とある。

<要約>
彼女が一昔前の滞米中に聞いた話として紹介しているが、『夜、窓から蛍光灯の光が漏れていたら、それは日本人か中国人の家だ』と云われていたという。

欧米人が蛍光灯を使うのは主にオフィスで、家庭では温かみがあるということで白熱灯を使用するが、それも間接照明を好んでいる。その方が「文化的」というニュアンスがあったように思う、と書いている。

《わが家で蛍光灯は3灯だけ、他にある12カ所の光はすべてタングステンランプだ。理由はタングステンの柔らかい光を好むからだ。アナログ時代の人間には、真空管アンプが灯す明かりは何よりも安らぐ憩いの時間をもたらしてくれた(真空管の劣化が激しく現在休眠中)。壁の照明や天井のシャンデリアには照度の調節をつけ、気分によって明るさを変え、ゆっくりとスピーカーから流れる音楽を聴いて頭を休める。蛍光灯では味わえない至福を味わう。

湯舟に浸かり、天上のタングステン光のグローブをぼんやりと眺める。夜、帰宅すると玄関のタングステン光が優しく迎えてくれる。階段の光は柔らかく足元を照らして‘注意をしなさいよ’と呼び掛けてくれる。》

ところがである、
青野は続ける。日本電球工業会の調査によると日本の蛍光灯の割合は照明全体の6割強を占め、欧米の2割に比べると遥かに多い。それで欧米の文化度は高いと云われても困るが、確かに間接照明の良さはある。だから白熱灯は彼女の住まいでも結構使ってきた、と。

しかし、好き嫌いではなくなってきた。白熱灯は蛍光灯に比べ電力消費量が大きい。温暖化防止にとっては厄介なものとなった。欧州では、英国に加え、フランスでも白熱灯廃止の方向性を打ち出している。米国からも同様の声が上がっているという。

温暖化対策とは、省エネや自然エネルギー開発を求めるだけではない。ライフスタイルあもちろん、文化の転換まで迫るのだと思い知らされる。欧州の夜の景観が変っていくのかと思うと、化石燃料を急速に消費してきたしっぺ返しを感じる、と書き、振返って白熱灯の発明が、エジソンが探し求めた長寿命フィラメントを、京都の竹に行き着いた歴史を思い、消費電力が蛍光灯よりも少ない発光ダイオードも日本の貢献が大きいことを重ね合わせる。そして、その技術力で照明文化も保つことはできないか、事務所の眩しい蛍光灯の下で、ふと考える、と結んでいる。

この記事のあとおよそ1カ月経った4月6日、経済産業相が白熱電球をやめて蛍光ランプに入れ替える目標を打ち出した。
 甘利明経済産業相は5日、地球温暖化防止策の一環として、家庭などで使用される白熱電球を2012年までにすべて、電力消費量の少ない蛍光ランプに入れ替える目標を打ち出した。強制力はなく、国民に広く理解を求めるとともに、産業界に蛍光ランプの性能向上を要請するという。

北海道・洞爺湖で開かれた「地球温暖化問題に関する懇談会」で表明した。

蛍光ランプの消費電力は白熱電球の5分の1程度で、すべて入れ替わることで相当量の温室効果ガスの排出削減につながるという。

《強制力はないということだが、4年ほどで量販店の店頭からも白熱灯が姿を消しいていくことになれば、我が家も考えなくてはならない。しかし、普通の青白い蛍光灯のチカチカは目に悪く好きできない。第一に食べ物が不味く見える。赤いものは黒っぽくなり、赤み魚の刺身など腐ったように見える。今では棒状以外に白熱電球型の蛍光灯もあって、ソケットを取り替えなくても入れ替えは可能だが、交換用のタングステン灯も幾つか用意してある。暖かい赤い明かりに未練もある。

太陽光下で見るのと同じ、色温度を5000ケルビンに設定した色評価用の蛍光灯はあるが、1灯当たり白熱灯の十数倍の値段差がある(長時間耐用の利点はあるが)。しかし、地球規模の温暖化対策には好むと好まざるに拘わらず、蚊の涙ほども影響のないことだけれど、1灯づつでも取り替えていくことにしよう。》

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コメント

こうべいさんこんばんは。
欧州などでは既に白熱灯から蛍光灯に切り替わっている国もあるそうですね。絶対的な電力量を減少させて発電所を減らすというなら賛成ですが、昨今の温暖化を理由にしているのは少々うんざりです。
温暖化対策のウソを伝える本も増えて来たようで、レジ袋も多少の省エネも車が排出する二酸化炭素に比べると微々たるもののようで、その辺を問題にしないのが自動車メーカーに配慮してのことなのでしょうか。
温暖化のうさん臭さを感じながらも、罪悪感からマイバックを持ったり、スイッチをこまめに消している私です(^^;

投稿: BEM | 2008年4月 8日 (火) 00時11分

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