携帯サイトの悪口に、金属バットで殴打の応酬
23日午前0時半ごろ、千葉県柏市高田の公園「高田緑地」に男性が血を流して倒れていると、119番があった。消防から連絡を受けた県警柏署員が駆けつけたところ、同県流山市に住む中学3年の男子生徒(14)が頭から血を流して倒れていた。生徒は意識不明の重体。近くに金属バットが落ちており、緑地内にいた無職少年(17)が「自分が(バットで)殴った」と話したため、殺人未遂容疑の現行犯で逮捕した。
《少年少女たちの事件が起こる度に思うことだが、ことが起こるのは大抵が深夜前後を跨ぐことだ。一体彼らの保護者たちはわが子の深夜の徘徊をどのように捉えているのだろうか。》
調べでは、少年は携帯電話のサイトの書き込みを巡って生徒と口論になり、緑地内に落ちていた金属バットで生徒の頭を数回殴って殺害しようとした疑い。少年は「サイトに悪口を書かれ、頭にきて殴った」と話しているという。
2人は生徒が開設した携帯電話の自己紹介プロフィールサイト(プロフ)を通じて5、6カ月前に知り合ったとみられる。当初はメッセージなどのやり取りをしていたが、お互いが次第に悪口を書き込むようになっていった。その後のやり取りで2人に共通の知人がいることが分かり、この知人を介して直接あって話をすることになったという。2人はこの日が初対面だった。
事件当時、少年は共通の知人を含めた18〜22歳の男性ら計6人と一緒にいた。車2台に分譲して生徒を連れ出したという。6人は「『相手は中学生なんだからやめろ』と制止したが、少年は殴ってしまった」などと話しているという。
《(プロフ)については07年8月、“学校裏サイト、プロフィール”に少し詳しく書いたので参照してもらえればいいが、現在総会員数は400万人を超えるとされ、その多くが匿名のため、過激な意見が飛び交うことがある。》
高田緑地はJR柏駅の北西約1・5キロの住宅地にあり、遊歩道などを備えた公園で、24時間出入りができる。近くには中学校もあるところだ。近くに住む主婦(56)は「夜になると少年たちの溜まり場になっていて怖かった」と話した。
《45年ほども前の独身のころ、東京近郊の下宿先の子(男)が少年院に入っていた。姉が1人、妹が2人、末弟と、夫の戦病死後を緑内障で失明の姉の面倒をみながら必死に働いている女性の家族だった。居候を始めた半年後少年院から長男が出所して返ってきた。しかし、自宅には一日も居着かないまま一カ月ほどしてちんぴら同士の喧嘩、金属バットで後頭部を殴られて自宅に戻ってきた。警察の取り調べらしき動きもなく、病院にも入らず、3日3晩苦しみ、暴れ、うわ言にうなされ、突然立ち上がって部屋の隅で放尿を始める錯乱状態が続いて4日目に亡くなった。成人式を迎える直前だった。当時、荒川を挟んだ位置にあって、やくざの跳梁する町だった。》
下田博次・群馬大特任教授(情報メディア論)の話では、子ども同士のインターネット上のコミュニケーションの問題点には
1)誹謗中傷が起きやすい
2)猥褻な情報交換が容易に
3)暴力誘発情報の発生の危険
の3点がある。「匿名性が高い」ネットの性質から、過激な言葉や情報が行き交い、誤解を生みやすいことに問題発生の原因がある。いじめなどの問題で注目されている「学校裏サイト」も同じ構図だ。一昨年には群馬県で、プロフを介して知り合った少年同士が殴り合う事件も起きており、対策は非常に難しい、と語る。
《裏サイトやプロフが過激化したのは、第一には保護者の子どもへの無関心がある。携帯を持たせて置けば、いざという時安心できるから、などという何の歯止めにもならない機能を、コマーシャリズムに乗せられて、安全神話のように信じ込み、電話機能だけで十分なものに、不必要に詰め込んだ複合機能を有り難がる機運を煽り立ててきた。
メディアは事件や事故のデータを集めては騒ぎ立てるだけ。核心である家庭の子どもへの保護監督責任の喪失を捕らえる動きは全くみられない。家を空け、働きに出ることに専念し、わが子の育児責任は他人に任せきりだ。産み落としては、まだ乳飲み子のうちから他人に預け始めてからずっと、家族団欒は日本の家庭からは見られないものになった。父、母、子はぞれぞれ別々に食事をし、家族間の会話すら減少し続けている。辛うじてその間を繋いでいるのが携帯だ。こころの機微、情操、喜怒哀楽の感情の交わりようもない。夜中に子どもが家にいなくても気にも止めない。親の責任はもっと厳しく追求する必要がある。
厚生労働相だった柳沢がいみじくも口にした。「女は産む機械」あながち的外れではない、と思う。》
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