子を見れば親が判る
埼玉県下に広く展開するディスカウントスーパー・ロヂャースの一つに日曜を承知で出かけた。(そうそう上の写真、たまたまのことだが、さくらそうは埼玉県の県花)出かける前に嫌な予感のようなものがあった。途中で立ち寄る店に必要な書類を忘れ、自宅まで取りに戻る失態をやっていた。
もとはボーリング場からスタートし、改装、新築して出来上がったスーパーだ。安いことでは髄一の評判の店である。年中無休なのに通常の曜日に行っても店内はごった返しの状態が多い。屋内外併せて600台以上の駐車スペースを持つ駐車場があるが、午前10時の開店時に少しでも遅れると駐車スペースを探すのに苦労するほどだ。今日は珍しく運良く目の前の車が用を済ませてスタートし、あとに入れることができたのだが、これで今日の運は使い果たした格好になった。
カートを準備して店内に足を踏み入れた途端だった。「きゃー!!」悲鳴に近い子どもの叫び声が響き渡っていた。「ママー、ママはどこ!」どこからか小学低学年らしい女の子が走りよって抱き上げた。「ママー、ママがいない」「うるさい」お姉ちゃんがたしなめて言った「パパがいるよ」。何のことはない、その子らの若い父親がカートを押してバカ面してニタニタと二人を見おろしている。「ママー、ママがいない」。私たち夫婦が買い物している間中、このやり取りが店内を移動しながら響き渡って追いかけてくる。母親が近くにいると静かだがすぐに「ママー!」。甲高い声に思わず首を回すと夫婦が顔を見合わせてヘラヘラだ。公共の場にいることの認識を持つ親は殆どいない。ぐずる子に、たしなめ言い聞かせる親の姿を目にしたことは先ずない。学級崩壊もあって当然、と想像できる。
この「ママー」は先のバカ親子だけではない。他にも3組4組が「ギャー、ギャー、ママ、ママ」と大声の較べ合いのようにけたたましい。また、ロヂャースのカートは普通のスーパーのものよりひと回りは大きい。これで通り道を塞がれては望みの場所に行くのに手間がかかる。しかし、気にする人は先ずいない。知り合い同士カートを並べて歩くのはどこのスーパーでもある風景だがここは余計に腹立たしい。
女の子を連れて甘いものを買いに来た母子。同じ棚のものを見たいのだが座り込んで動かない。直ぐ近くに立って待った。次から次に商品を手に取り、消費期限を確かめている。20個はあったものを一つ残らず手にした。その棚のものを買う気を失い、大きな声で「不潔極まる」(母子は上を見た)と一言残して買わずに去った。女の子を連れた母親が多い。小さな子どもがいなくなって久しい年齢には忘れ勝ちのことだが、学校が休みに入っていたんだ。道理で店内は走り回る沢山の子どもで溢れていた。
私同様迷惑をかえりみない人間には至って厳しい妻と、どうしようもなく苛立たしい気分になって逃げるように店を後にした。「いらいらして事故を起さないで」と祈るように言われながら車に乗り込んだ。
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