18歳成人
<ギリシャ神話>
美青年のナルキッソスに愛を拒まれたエコー(森の精霊)が、青年が、泉に映る自分自身の姿を見つめ続けるように運命づける。呪われたように虚しい情熱にとらわれた彼は、水に映る己の姿に恋い焦がれ、泉の傍らに横になったまま遂に憔悴して死んでしまう。神々は彼を憐れんで水仙の花に変えた。ナルシズム(自己愛、うぬぼれ、がそのまま花言葉になっている)の語源。
先に2月のブログで「18歳は成人か」を書いて、“とんでもない、成人とは呼べない”と評した。賛否は盛り上がらないままに僅かな記事が載ることがある。その中の一つだが、毎日新聞が3月1,2の両日実施した電話による全国世論調査で、成人年齢を18歳に引き下げることの是非について尋ねたところ、
反対 賛成
全体 60% 36%
女性 66%
男性 52%
年代別でみると、男性30〜50代は「反対」と「賛成」がほぼ拮抗していたが、
女性はどの年代も「反対」が6割を上回った。
18歳前後の子どもを持つ主な世代に当る40代女性は「反対」が73%で各年代でトップであった。
鳩山邦夫法相は先月13日、民法を改正し「成人」年齢を引き下げるかどうかについて法制審議会に諮問したが、国民の間では慎重論が根強いことを窺わせた。
反対の理由は
精神的に未熟だから ・・・・・・・・・・・・69%
18歳から飲酒・喫煙が認められるのが心配 ・・16%
親の許可なく消費契約を結べるのが心配・・・・14%
一方、賛成の理由は
若い人に自覚を促し、責任を持たせることができる・・62%
十分に責任を取れる年齢だから・・・・・・・・・・・29%
18歳成人が、欧米各国の主流だから・・・・・・・・ 9%
《現状遊びたいさかりの18歳に、責任を説いても無駄だ。18歳といえばまだ高校生だ。20歳を過ぎても親の金で大学を卒業していながら、卒業旅行に海外へでかけ、親の金を頼みの遊興に耽る。彼や彼女たちに責任や自立の自覚などあるわけもない。40代女性の73%が反対なのは娘、息子を観察しての実感だろう。逆にみれば、親の側の子離れができていないことが最大の原因であるように思える。可愛がるだけで何一つ躾もせず、自由の本質である責任など教えても来なかった。その子供たちが自立できるわけもない。「十分に責任が取れる年齢」とは何を基準にしてのことだろう。まして、欧米各国がそうだからは、裏付けにはならない。欧米各国にしても、昔からの慣例に過ぎないのだから。
1番よく分かっているのが当の世代だ。甘やかされるだけ甘えて育った幼児性を十分自覚しているのだ。一方では大人の世界の無責任さを反面教師として観察している。兎や角いうほど大人は偉いのか、だ。まだまだ遊びたい、大人にはなりたくないのだろう。
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コメント
やっぱり当人次第でしょうか。
私は高校卒業と同時に一人暮らしを始め、会社の研修に入ったので、今頃はもう社会人としての自覚をイヤでもしなければという時期でした。それでも自分の力で金を稼ぎたいという意識があったので、すごく充実していましたね。
まだ成人ではなかったけれど、選挙権を欲しいと感じたし、お酒はほどほど飲んで、タバコは吸いませんでした(笑)
大学生はさんざん4年間遊んで、会社に入る前には卒業旅行だなんて、私から見るといつまで遊びたいんだ?と思ってしまいます。
今、成人の免許証を作れば、合格できるのはどのくらいでしょう。
投稿: BEM | 2008年3月23日 (日) 10時36分
この親にしてこの子あり、なんでしょうね。
それと、大学を雨後の筍のごとく拵え過ぎました。国の首都も分からない大学生が通う中学校以下の大学があるのです。
戦前の貧乏な国日本は、余程の分限者でないと、働いても働いても子どもを大学にやれる生活はできませんでした。豊かになった日本は、少々の無理をすれば、こどもを大学にやれるようになったのです。学生の身分は親の脛をかじっていればいいのです。働く意欲など持てる道理はないでしょう。
まして“親孝行”というのは辛うじて字の上で残っているだけの、20世紀の遺物になったようです。
投稿: 小言こうべい | 2008年3月24日 (月) 00時04分