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2008年2月20日 (水)

不安を煽り立てるアンケート

毎日新聞(2/18)が、中国製冷凍ギョーザ中毒事件をきっかけにした消費者の不安の高まりに、火に油を注ぐようなアンケートを実施して活字化した。主要食品メーカーへのものであるが、アンケートに回答したこれら26社は、いずれも自社工場や委託生産、中国市場向け工場など、何らかの形で中国に生産拠点を持つ企業だ。

そうでなくても何かあると動揺の激しい日本人だ。その輪を大きくするようなアンケート結果だ。企業の不安が大きいことを知れば、日本の消費者の不安が一層広がるのは当然だろう。

中国の拠点の対応策を取った・・・27%
取る方向で検討中・・・・・・・・15%
対策を取っていない・・・・・・・12%
その他・・・・・・・・・・・・・46%

企業の無能がそのまま現れているようだ。どうしていいのか、企業側も途方に暮れている実態が見える。回答企業の半数以上が個別の回答で社名を掲載しないように希望し、「この状況では、答えることだけでリスクになる」と回答そのものを拒否する企業もあるなど、各社が消費者の反応に敏感になっていることを窺わせた。

敏感になっているのは企業以上に消費者だ。企業がこの体たらくでは中国製品に対する不安はますます広がることが懸念される。

中国製品への消費者の不安は
 現状程度の不安が続く・・・・・・・・・27%
 広がる恐れがある・・・・・・・・・・・12%
 一時的なもので時間とともに解消する・・8%
 その他・無回答・・・・・・・・・・・・12% と見ている。

実際に、事件を機に6社の売上げが低下しており、味の素冷凍食品は「深刻な影響がある」と回答した。一方で、中国からの生産拠点の移転について、「検討している」と答えたのは、カゴメなど2社のみ。「中国で製造しているから危険というわけではない。(4割を切る日本の)食糧自給率を考えると不安を早く解消し、安定供給体制を確保することが最も重要」との意見もあった。

アンケート回答企業(50音順。1社は社名掲載拒否)
アサヒビール、味の素冷凍食品、江崎グリコ、エスビー食品、カゴメ、加ト吉、亀田製菓、キッコーマン、キューピー、協和発酵フーズ、キリンビバレッジ、キリンホールディングス、サントリー、東洋水産、日清オイリオグループ、日清食品、日清製粉グループ本社、日本食研、日本水産、日本ハム、ハウス食品、不二家、ミツカングループ本社、明治製菓、明治乳業

末広がりに薬品の混入が発見されている。瑞穂の国の農業立国日本が、農業を捨てて減反に減反を進めて久しい。食糧自給率も39%まで下がり、輸入食糧に頼らなければ生きていけない国になっている。食の安全は緊急の対策を必要としている。企業は安全管理体制の強化を図りながら、現状の生産体制を維持して行くことを考えているようだが、しかし、問題の農薬の混入場所の特定もできていない。消費者の不安は一向に解消されてもいない。そこに輪をかけたアンケートだ、紙面の円グラフを目にした消費者の不安に一層の危機感を煽るものとして訴えかけてきた。まさに解決の糸口も見つからない渦中の問題を、メディアが不安を増幅させるような取り上げ方で果たしていいものだろうか。
 

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コメント

ブログ読ませて頂きました

私のオススメの本があります

参考になればと思い投稿させて頂きます


『心の癒し カウンセリング入門』小島崇誌著(文芸社)


日常見落としがちな事柄を簡単な語り口で書いてあります

共感できる部分も多いかと思います

是非一度読んでみてください

(おそらく注文しないと本屋に置いていないと思います)

投稿: アドレス | 2008年2月21日 (木) 09時33分

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