“もったいない”の勝ちか
消費期限偽装問題で営業を中止していた三重県伊勢市の和菓子メーカー「赤福」が6日、約4ヶ月振りに伊勢市内の直営3店で営業を開始した。
久し振りの「赤福餅」を求め、午前5時開店の本店前には、前日午後6時ごろから並んだ徹夜組を交えて、熱心なファンが開店前には200人以上が列を作って待った。開店後、同10時までに9000箱以上が飛ぶように売れたという。当面は、直営3店舗に絞って営業し、市外の直営店や依託販売の再開時期を探ることになる。9000箱以上とはそれ以上製造したことだろう。もったいない話だが、今後は売れ残ったものは廃棄処分するといったとおり、売れ残って廃棄処分したものが出ただろうか。
《メディアは鬼の首を取ったように騒いだが、腐ったものを売ったわけではなかった。誰一人身体の異常を訴えたものはいなかった。噂が出てから、‘そう言えば’と賢しら顔でもの言う人間は出るには出たが、元々赤福の評判は全国に轟くほどのものだった。消費者は4ヶ月、とにかく旨いものを食べたくて待ち望んでいたのだ。
しかし、赤福の側も姑息であった。多くのスーパーやコンビニが行なっていて、慣例のようになっている、売れ残りそうなもの、消費期限切迫のものを値引きして売ることもできたはずだ。スーパーなどでは値引きの時刻を見計らって集まる主婦たちもいて、好評な集客の一手段でもあるのだ。それでも売れ残れば値引率を一段と下げて売っていることは、赤福も使い回しせずとも知っていたはずだ。堂々と‘もったいない’をやれば良かった。》
毎日新聞(1/8)
「不二家、ミートホープ、赤福などの食品企業による自主回収は昨年一年間で756件、前年の約3倍。集計を取り始めた04年から過去最多だった。しかし、問題となった事例の中身を改めて見ると、食品として食べられるケースが多いのに驚く。食糧自給率が40%を割り、原油高騰など資源危機が迫る日本で、こんなモッタイナイことが今年もまた続くのかと思うとぞっとする。」(生活報道センター:小島正美氏)
以下<要約>
『氏は続ける。「モッタイナイの典型例が、昨年秋、福島と神奈川で発生した乳牛のケースだ。福島県ではブルセラ病(家畜伝染病で、流産などを起す)に感染した疑いの乳牛からの搾乳を、原料にした可能性がある製品約33万個が回収・廃棄された。しかし、最終検査で感染なしだった。神奈川県では同じく家畜伝染病のヨーネ病に感染した疑いの乳牛が出て、約30万本の牛乳が廃棄された。
だが、牛乳は加熱殺菌されており、たとえ乳牛が感染しても、牛乳自体は安全だ。農水省によると、ヨーネ病は西欧や米国で日本以上に大発生しているが、牛乳が回収されたことは一度もないという。
他にも、回収が不要と思われる例は多い。9月の滝沢ハムの生ハムロース。20グラム入りパックが自動重量計にごみが入って御作動した。実際の重量より1グラム程度少ない製品が出荷された。企業は数百パックを回収し、消却したが、実際に量目不足だったのは約20パック。これなどは消費者への告知と商品の交換だけで十分なはずだ。なぜ回収して捨てるのか。
11月の崎陽軒のシューマイ。法律で定められた原材料の重い順の表記に、問題があった。具体的にはタマネギよりも少ないホタテ貝柱がタマネギよりも先に表記されていた。この程度で回収して廃棄になった。消費者からは同社に「廃棄はもったいない」と意見が寄せられたという。
12月、敷島製パン。東京多摩工場で小麦粉の生地が軟らかいと判断した担当者が小麦粉を新たに加えたところ、通常より硬めのパンが製造・出荷された。お客から「硬い」と苦情があり、自主回収。配合ミスはあったが、消費者には健康危害が生じるわけではなく、告知と交換で十分だ。
12月、福島県のあんぽ柿。生産者が7ケタ連続の製造所記号を途中にハイフンを入れて印字した。こんな程度でも農協は県との相談で食品衛生法やJAS法違反を理由に、商品を回収せざるを得なかった。これを賛同する消費者はゼロだろう。
このように無駄な事例を挙げて行けば切りがない。食品の期限切れ問題に詳しい奥田和子・甲南女子大学名誉教授は「食べられるものを捨てないで生かすという発想がなぜ生まれないのか」と怒り口調で話す。
だが、国も企業も消費者団体も、沈黙を続ける。事なかれ主義なのか、回収・廃棄の嵐が過ぎ去るのをただただ松だけの今の状況は、「偽」というよりも「愚」という言葉がぴったりとくるように思える。要は、自給率の低い国なのに愚策としかいいようがない。』
《明らかな偽装もあるが、食糧用に栽培されていた農産物が、燃料に変ることで日本の自給率は一層厳しい実態を孕んできた。全ての食糧、食品の安全性のための食品衛生法、JAS法など、再検討するには今が絶好の機会ではないだろうか。》
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