大きいことはいいことか、トヨタ生産世界一を
毎日新聞(2/2)から
トヨタ自動車が07年の自動車生産台数で世界一になったことが1日、明らかになった。米ゼネラル・モーターズ(GM)が同日発表した07年の生産台数が928万5000台とトヨタの生産台数に届かなかったためだ。トヨタは世界販売台数ではわずか3106の差でGMに及ばず、初の世界一は実現しなかったが、GMとほぼ肩を並べたことが改めて示された。
トヨタの生産台数は、子会社のダイハツ工業、日野自動車を含めて前年比5・3%増の949万7754台。トヨタは今年の世界生産を995万台、世界販売も985万台とさらに上積みする計画で、今年は販売台数でも世界一になる可能性が高まっている。
一方で、ハイブリッド(プリウス式の化石燃料と電気)とはいいながら、枯渇も間近い化石燃料を使い、地球温暖化を加速させることには違いはない車を増産することになる。二酸化炭素の排出量ゼロの電気自動車や太陽エネルギーなら世界一を喜ぶが、中途半端(いみじくもGMが先に口にしているが、今でも全くその通りだ)なハイブリッド程度では褒められることではない。暴論を言えば、生産台数を半減させる方が余ほど地球環境(人類のこのさき生存するための最低限必要な環境だが)にとっては喜ばしいことだ。
これには大都会と地方という問題が伴うことになるが、今後、交通網の発達した大都会には自家用車は必要なくなる。というよりは乗り入れ禁止の規制を掛けることが必要になってくるだろう。現在、急速に経済の発展を見せている中国で、この問題を検討しているところがある。中国沿岸部の広東省深?(パソコンに文字がない。土へんに川)市が、2011年をめどに小型自動車の使用を制限する方向で検討していることが明らかになった。(毎日新聞1/15)
中国で今後、急増が見込まれる小型車に規制の網をかけることで公共交通機関の利用を促し、環境対策につながる狙いとみられるが、自動車ユーザーやメーカーからの反発も予想される。
同市の許宗衡市長が最近、自動車業界関係者などとの会合で、地下鉄など軌道交通網の初期整備が11年に完了する見通しを表明。これに合わせて「公共交通の利用を奨励し、低収入家庭*には(自家用車ではなく)地下鉄を利用させる」と述べ、小型車の使用制限など複数の政策を導入する考えを示したという。《*低収入家庭に限る必要はない、全ての家庭を対象にすることだ。》
排気量で何ccを「小型車」と定義するかや、具体的な制限手段などは11年の規制導入までに詰めることになる。許市はこのほか、駐車料金の引き上げや市中心部で時間と場所に応じた「渋滞税」を徴集するなど、自動車全体の使用を制限することで環境対策につなげる意向も明らかにした。
中国では、環境対策や渋滞緩和を目的に燃料の悪い大型車ではなく小型車を規制するのは異例のことだ。
先進国間での京都議定書も看板倒れになりそうな気配の中で、許市長の発言は、勇気を持って誰かが言わなければならないことであったような気がする。科学は進歩しているように見えて、その実、地球を破壊するための学問でもあるようだ。野放図に生産台数を増やすことが、いいこととは決して思えない。企業の側の自己満足の理論でしかないのでは。
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