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2008年1月 5日 (土)

親にキレる日本のこどもたち

毎日新聞(1/5)から
小学生の人間関係を調査している創価大(東京都八王子市)の研究チームが、世界9ヵ国・地域で、こんな結果が浮かんだという。日本の子どもは親に切れ易く、反抗的と。例えば「親に注意されると、カッとなるか」や「親に乱暴な言葉使いをするか」との質問に、肯定する子の回答が最も多かった。

調査は06年3月から昨年9月、日本、韓国、台湾、英国、スペインなどアジア、ヨーロッパ、アフリカの9ヵ国・地域の小学5、6年生計8.712人を対象に実施した。日本では東京都内の公立小17校の2039人に聞いた。

 設問「親に注意されるとカッとなるか」
   日本 大変当てはまる  37%
      まああてはまる  37%
   南アフリカ      計52%
   スペイン       計40%
 設問「親に乱暴な言葉使いをするか」
   日本 大変乱暴      6%
      まあ乱暴     21%
   台湾         計18%
   南アフリカ      計14%
   韓国         計 7%
   英国         計11%
など、おしなべて高い数値であった。

研究チーム代表の鈎治雄(まがりはるお)教授(教育心理学)は「日本の子どもは人間関係を維持する力が劣っている。子ども同士が触れあう集団行動を重視する必要がある」と指摘している。

《大学の教育心理学が専門の教授や研究チームがわざわざ集めた資料だ。ただ設問ごとに数字を並べて遊んでいるような発表でよいのか。総括で「集団行動を重視する必要がある」とは東国原知事が言った「徴兵制」と重なる。両者ともに詳しい説明が必要だ。特に教育の現場に携わる人間が、「データは取った、こんな問題を内包しているから、後はお前たち考えろ」では何のための研究チームだ。

キレる子どもの問題は、今までに幾度もその子どもたちの躾のできない親の監督責任放棄の問題として取り上げてきた。勿論戦後の履き違えた民主主義の教育現場にも触れた。キレる子どもたちの問題は、親の世代の縮図でもある。メディアを賑わすキレる大人たちの醜い事件は毎日のようにメディアの報道するところだ。通り一遍の他国の子どもたちと比較した結果のデータだけの問題ではない。他山の石とする知恵もないのだろうか。

「三つ子の魂百まで」は前世紀の遺物のように扱われるが、子どもの躾は物心ついてからではもう遅い。物心がついているからキレる行動をとるようになる。親への反抗は、自我の発達とも係わりがあり、だからこそ必要になるのが躾であり、他者との協調や他者を理解することだ。とは言え、現在子どもを甘やかす親はいても、躾ができる親はいなくなった。また、教師もバカな親たちに遠慮して生徒を叱ることも出来ず、ますます子どもたちは放置される悪循環を繰り返す。

親への乱暴な言葉使いは悪しき民主主義の現れだ。長上への尊敬は見る影もなく廃れた。目上、目下関係なく“YOU”で通用する言葉に比べ、日本語の言い回しは複雑多岐に亙るが、そこにあった微妙な表現がもたらす人間関係は失われた。

しかし、折角研究チームが取り上げたテーマだ。なぜ親は権威を失い、なぜ日本の子どもたちがここまで親への尊敬を失うことになったのか、深く突っ込んでその根を探って欲しい。》

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