食品値上げ続々
食品や日用品の値上げラッシュが続いている。輸入穀物や原油の高騰が要因となって、ガソリンや灯油も急騰して消費者の負担がじわじわと重みを増している。
6月1日 キユーピーがマヨネーズを17年ぶり値上げ
8月7日 イオンが食品など100品目を年内価格凍結
9月5日 日清食品が即席めん類の値上げを発表
10月1日 政府が小麦の販売価格を10%値上げ
10月31日 キリンビールがビール類の値上げを発表
11月20日 米国の原油先物相場が1バレル=99ドル台に
(毎日新聞12/28)より
年明け以降もビール、醤油、牛乳などの値上げが予定され、値上げ商品の裾野が広がり家計不安がさらに高まりそうだ。 小麦の販売価格は10%引き上げたが穀物相場の上昇は続いており、来年4月にも、大幅な引き上げが実施される見通しだ。このため、小麦が主原料のパンやパスタ、即席めんなどが再値上げされる可能性も高まっているという。
米国などでバイオ燃料の原料としてトウモロコシの需要が高まり、トウモロコシへの転作が進んだ大豆や小麦も需給が逼迫した。「エネルギー資源と食糧資源の奪い合い」(Jーオイルミルズの佐々木晨二社長)が、穀物の高騰をもたらした。これを受けて、メーカー各社は「コスト削減では対応できない」と、堰を切ったように次々と値上げに踏み切った。
イオンは年内の価格凍結を宣言。対象商品を一部入れ替えることで年内から来年2月末までの延長を決めた。ただ、中小スーパーやコンビニでは、マヨネーズやパンなどの店頭価格を引き上げる動きも徐々に出ている。原油高は包装資材の高騰を招いて食品の値上げ要因になったほか、ガソリンや灯油、ティッシュペーパーなど紙製品の値上げも引き起こし、影響の大きさは測り知れない状況になっている。
食用油トップの日清オイリオグループは、主原料の大豆の相場が約1・7倍に上昇し、「海上運賃などを加えると、今期のコスト増は300億円を超える」という。原料高がメーカーの収益を大きく圧迫しつつあり、値上げはやむを得ない状況にあるのは確かだ。
だが、給与は上がらず、社会保障費の増大にも不安を募らせる消費者にとって、値上げは深刻な問題だ。「メーカーは便乗的になんでもかんでも上げている」(小売り大手)との声も出ている。少子化で国内市場縮小する中、値上げが更に消費の減退につながる恐れもある。
《小売りが批判したくなるのも頷ける。毎年歳末市場は年を越しても値段据え置きでごまかせる程度に遠慮勝ちに値上げをするのが慣わしになっている。それを今年は、原油とバイオに罪を着せるように大手を振って値上げができるのだから、便乗するのは目に見えている。競争相手の中には偽装問題で市場に参画することができないものもいる。その隙を狙って儲けられればそんなうまい話はないだろう。正月が過ぎてもまだまだ値上げの理由は通用する。ほくそ笑みながら値上げを予定している各社、値上げの原因や上げ幅の根拠について、消費者が納得できるよう、より丁寧な説明をする必要があるだろう。
それにしても、バイオ燃料人気は農作物の転作だけではない、熱帯雨林の伐採で砂漠化を呼び、どんどん地球資源を痩せ細らせていく。ほんとうに現在のバイオ燃料は石油の代替燃料と考えていいのだろうか。》
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