モバゲー
年寄りには耳なれない言葉が次々に生まれて戸惑う世の中になった。11月15日、青森県八戸市のホテルで女子高生(16)が岩手県の無職の男(30)に首を絞められ殺害された。警察の捜査により2人が知り合ったのは、爆発的に会員数が増えているゲームサイト「モバゲータウン*」を通じてであることが分かった。
先ず、ちんぷんかんぷんのカタカナ語のことを調べることにした。
* モバゲータウン:株式会社ディー・エヌ・エーが運営する携帯電話向けのゲームサイト兼ソーシャル・ネットワーキング・サービス。「モバゲー」或いは「モバ」と呼ばれる。何の意味もないことがわかった。
2006年2月7日に始まったサービスだが半年後には会員数140万人、07年3月10日には400万人を突破。現在では813万人に成長。会員数の殆どが高校生を中心とする若年層であり、06年11月の時点で10代が6割、20代が3割、30歳以上は1割(07年3月)。
サイトとしてはmixiに似ているが、決定的な違いは携帯電話向けのサービスのためパソコン、PHS端末からのアクセスは一切出来ない。公式サイト**ではなく、いわゆる勝手サイト***の一種である。またメールアドレスや電話番号の交換は不可とされていて、単なる出合い系サイトとの差別化をはかっているようだが、現実にはそういったやり取りは防ぎ切れておらず、サークルや日記のコメントなどある程度オープンな場でも連絡先交換が行なわれているようだ。抜け道は幾らでもある、ということのようだ。
** 公式サイト:NTTドコモが用意した公式メニューである「iMenu」に登録された「ドコモ公認」のWebサイト
*** 勝手サイト:NTTドコモのiModサービスで閲覧可能なWebサイトのうち、公式サイトでないもの
会員同士が合うことが禁じられているが、交際目当ての入会も多く、出会い系サイト化する実態もあるようだ。サイトを運営する「ディー・エヌ・エー」は20日、メール交換を制限する新ルールを導入し、青少年の保護に本腰を入れ始める。
女子高生は下北半島の海沿いの町に住んでいた。事件の前日「友だちの家に行く」と家を出て、そのまま戻らなかった。彼女が通う高校の校長は「素直で挨拶をきちんとする普通の子。失恋のため夏休み後に不安定になり、事件の10日前から不登校だった」と話す。保健室も度々利用し、養護教諭にモバゲーについて話していたと言いう。
父親は「携帯電話は便利な半面、諸刃の剣。ああいうところがなければ、こんなことにならなかった・・」と漏らした。携帯電話は「友だちも持っている」と娘にせがまれ小学生の時に与えた。モバゲーは顔を知らない会員と会話を楽しむコミュニティー機能に人気があり、会員はアバターと呼ばれる漫画の化身を持ち、趣味のサークル作りやブログで友だちを増やしていく。
《子どもを失ってから嘆いても遅い。「ああいうところがなければ・・」は責任を他に転嫁する親のエゴだ。友だちが持っているから、だけで買い与え、危険な持ち物であることの教育を疎かにしてきた。失恋に不登校、何らかの信号は出ていたろうに、親が感知できなかった。娘は男とホテルに遊びに行くほど生活が荒れていた。》
運営会社は電話番号や住所の交換を禁じ、違法な書き込みがないか、100人体制で24時間チェッっしているという。ディー社は「事件がモバゲーで起きたのかまだ特定できない」としつつ、13歳未満の会員のメール通信を禁じ18歳未満はメール送受信の相手を前後2歳までに限ると決めた。また来春までに監視要員を300人に増やすことにした。
《年齢の確認は自己申告か身分証明のような書類が必要なのか、おそらく自己申告では何の防波堤にもならない。簡単に虚偽申告は可能だ。監視要員を何人増やしても意味はない。取締りに対する偽装のためでしかないだろう。大体小学生に一般常識を教え、身につけさせることもせずに携帯を持たせる情けない親がいるから運営会社も通信の禁止条項を入れなければならなくなる。何のために携帯を使用しているかのチェックもできない親は子どもに携帯は持たせるべきではない。》
「全国Webカウンセリング協議会」の安川雅史理事長の話
子どもはサイトの監視から逃れるすべを知っている。「援助交際」と言わず、「佐保(サポート)願います」と書き込む子もいる。モバゲームは50代でも10代と偽って(やっぱりだ、誤魔化しは簡単なんだ)登録が可能で、少女目当ての大人の男が多く入り込んでいる。自己申告なので(これもやはりだ)年齢チェックはできず新たな規制が功を奏するとは思えない。
《こんな運営会社を認可することことを規制しなければ、現在の親と子の関係の間では、この種犯罪はなくなることはないだろう。》
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