逆走防止装置設置
このところしばしば高速道での逆走車輌が認知されているが、栃木県日光・宇都宮道路の今市インターチェンジ(IC)に、高速道路での逆走を未然に防止するため、東日本では初めての逆走防止装置が設置された。同装置が設置されたのは下り線の同インターチェンジ入り口と出口のほぼ中間点になる。装置には二つの赤外線センサーがあり、逆走する車輌を探知すると、約50メートル先の警報装置が0・05秒で作動して、赤色灯とサイレン音で運転者への注意を呼び掛ける。電光掲示板には「止まれ! 逆走」と警告の文字が表示される。
県警によると今年、県内で11月までに、東北、日光、北関東3道で計34件の逆走車を認知している。死傷者は出ていないが、うち3件は、対向車と接触する物損事故を起した。確認されている逆走原因で多いのは、インターチェンジやサービスエリアから本線に合流する際の誤進入だという。中には、走行している道が高速道路だという認識がなかったドライバーもいた。背景には高齢者ドライバーの増加などもあるとみられ、県警と道路公社が対策を協議していたところだ。
全国的に逆走車による死亡事故も起きており、西日本高速道路九州支社は3月、中国自動車道の下り線、王司パーキングエリア入口に設置、広島や奈良県などでもすでに同装置が導入されている。東日本での設置は同県が初めて。今後、東北道でも設置していく方針だ。
警視庁によると、昨年高速道路で発生した逆走事故絡みの人身事故は31件。8人が死亡し、50人が負傷しているとのこと。(02年からの5年間で死者は48人、負傷者は264人に上る)インターチェンジを通り過ぎてから慌ててUターンし逆走する例や、パーキングエリアやサービスエリアの入口と出口を間違った事例が多いという。
《ますます高齢化が進む車社会だ。注意を喚起することも必要なことだが、抜本的な問題として、人間工学的に現在の高速道路網の設計自体に問題がないのか、基本に返って確認してみることも必要ではないだろうか。5年間で毎年ほぼ50人が死傷していることになる。少々の惚けや高齢を逆走の原因として片づけ、簡単に手っ取り早いセンサーや掲示板で問題が治まるとみるのは早計ではないだろうか。逆走の進入が不可能になるような対策が立てられない間は、問題の解決はないことが考えられる。》
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