無法都市福岡
昨年5月以来、会長人事に端を発した指定暴力団*同士(道仁会、九州誠道会)の分裂抗争は、それぞれに3人、計6人の関係者が死亡し、泥沼化の様相を見せている。
今年6月に佐賀県と熊本県で誠道会幹部が相次いで殺害された。8月には福岡市で道仁会会長が射殺された。そこから報復合戦の様相になり、全面戦争が危惧される事態になった。二つの措定暴力団は元は同一団体だっただけに互いの動向を把握しやすい上に、双方とも他の有力暴力団とつながりがあることから、抗争が広がることが懸念される。先日のように病院の敷地内が殺害現場になるなど、時と場所も弁えない犯行となり、市民生活が脅かされ、かつての惨劇の再来か、との怒りの声も聞かれる。
事件は道仁会絡みの抗争で、86年7月〜87年2月、福岡県内を中心に4県で77件の襲撃事件が起き、道仁会、山口組系双方の組員ら9人が死亡。大牟田署員が銃撃されて重傷を負ったほか、スーパーで射殺事件も起きるなど多数の怪我人が出たことがあった。
* 指定暴力団 ; 又は指定暴力団連合をいう。(暴対法「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」第3条:指定)
《何のことはない、この暴対法によって各都道府県公安委員会からの指定を受けた指定暴力団は、法人格こそないが、代表者や主たる事務所まで登録される法律に基づく組織なのだ。国が法律で犯罪組織を規定し、堂々と事務所まで構えることが出来る、言ってみればある意味では指定暴力団は何一つ良いことをしない合法的とも言える組織なのだ。取締りを厳しくすれば、組織は地下に潜る。警察の手が及ばなくなる。それよりは暴力団を法律上の反社会的団体として明確に位置づけることで、警察のコントロール下に置く、という日本の警察の考えだした世界に例のない独自の取締り方なのだろう。現在全国で指定を受けている暴力団は21団体、組員の数はほぼ4万人(平成18年4月1日現在)》
全国の暴力団等によるとみられる銃器発砲事件の発生状況の推移(平成18年度警察白書)
年次 平14 平15 平16 平17 平18
発砲事件数 133 136 104 66 36
死傷者 38 55 27 13 10
中でも福岡県内発砲事件は、3年連続で全国最多、暴力団の抗争が背景にあることがわかる。今年も10月末までに10件が発生し、全国で最も多いという。昨年から続く指定暴力団・道仁会と九州誠道会の抗争など、暴力団絡みの事件が背景にあるが、隠匿方法の巧妙化などで拳銃の押収数は横這いの状態という。
《それにしても、何年も事件だけは細かく報道される。何時どこで発砲事件が発生し、誰が死亡した、殺されたなどだが、データの数だけが増えてどのように対策が取られ、どう対処し、どのように市民生活が安らかになった、などの報告はない。データを数えるだけなら警察の存在する必要性はない。海外のマフィアのように、地下に潜られては警察の手が足りなくなるからと、「指定」の看板まで掲げさせておいて、明るいところでドンパチやらせるようでは市民は生きた心地がしない。現実に人違いで事件も起こしている。なのに警察は抗争を中止させることもしない、出来ないように見える。いっそ、抗争中の指定暴力団全員を無人島にでも集め、拳銃持たせて心行くまで殺しあいさせたら、或いは暴力団員の面子をかけた度胸試しのロシアンルーレットでもやらせ、引き金が引けない憶病者は足を洗わせれば、とさえ思う。警察も「指定」の合法性で悪をやらせておいて、指定に違反すれば指定を取り消して、狼を野に放すことを繰り返すだけでは弱い市民の味方ではなくなるだろう。》
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