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2007年11月30日 (金)

石油埋蔵量

テレビで喜劇仕立ての西部劇を見ていた。「テキサス」アメリカ映画、1966年製作。開拓時代のアメリカ西部、テキサスに展開する物語である。話の展開には興味はない。9・11とは関係なく中東におけるアメリカがひき起こしている争いの元とも見える石油の話だ。

面白かったのは、映画の背景になる時代だ。今日書こうと決めていたテーマにお似合いの内容だった。ちょうど1821年、メキシコがスペインから独立し、テキサスはメキシコ領テキサスとなった。メキシコ政府はテキサスの開発を進めるため、アメリカ人の移民を認めた。人口の増加に伴ってアメリカ人入植者とメキシコ政府との摩擦が起り、そのため、1830年アメリカ人の入植を禁止する。アメリカ人入植者達は1835年、テキサス革命を決めメキシコに対し叛乱を起した。1836年にはテキサス共和国として一方的に独立を宣言する。10年の独立国(ロンリースターと呼ばれる共和国)時代を経過した後、1845年12月29日、アメリカ合衆国の28番目の州として併合されるころの物語になっていたことだった。

因に、同じ年、メキシコ軍がアメリカ人入植者の砦・アラモを攻撃し、守備隊が全滅。テキサス独立軍はメキシコ軍と対峠してメキシコ軍を破る。アメリカに併合されてメキシコはアメリカに宣戦し米墨戦争が起きた結果、1848年アメリカは勝利し、現在のカリフォルニア州、アリゾナ州を獲得。1849年、カリフォルニアの金鉱の発見でゴルドラッシュがあり、1861〜1865年の南北戦争でテキサスは南軍連合に属し、1870年合衆国への復帰が認められた。

コマンチ・インディアン(ネイティブ・アメリカン)と戦い、話を展開して行くが、野性牛を慣らす秘策を知っているコマンチの策とは、「炎で驚かせて水場から遠ざけ、3日間全く水を与えなければ野性牛は人間に従う」と。ひょんなことで牛が飲めば死ぬ黒い水の池に向かって暴走しそうになる。開拓者達の町はどこを掘っても黒い水が湧くことは知られていた。牛の暴走を止めるため手に持った松明を黒い水の池に投げる。突然池が火の海になる。もうお気付きの事だろう、地表に出ていた石油の池だ。

話はいろいろあるが、最後には男2人の決闘(喜劇であることをお忘れなく)になる。どちらが死んでもいいが、道路のまん中に死体を埋める穴を掘り続けながら町びとは2人の決闘の行方を見守る。突然掘っていた穴から真っ黒い水が空高く吹き上がる。慌てて木の板を持ってきて真っ黒になりながら塞ごうとするが、吹き飛ばされる。町中の人間が全身に石油を被り、決闘を忘れて笑い転げる。町びとたちは、「こんな黒い水の出る町には居られない。コマンチよ、この町はお前達にやるよ」「おれたちだって要らねいやい」となってエンディングになる。

石油の枯渇が何年後のことかが計算される段階に来ている。発見されたのが1859年、ペンシルベニア州北部のタイタスビルの石油鉱床だ。その後あちことで掘削工事が始まり、その結果1861年4月には史上初となる日産3000バレルの生産が可能な自噴式油井が実現する。わずか146年前のことになる。

毎日新聞(11/30)から
石油鉱業連盟は29日、技術的・経済的に生産可能な世界の石油埋蔵量が05年末時点で1兆1138億バレル(1バレル=159リットル)と、現在の生産量ベースで37・6年分に相当するとの試算をまとめた。5年前の同じ試算に比べ約5年分増えたが、未発見分も加えた上で石油資源を採取し切ってしまうまでの期間を示す「枯渇年数」は68年で11年短くなった。ということは、今年辺り誕生した世代が老齢年金をもらう頃にはすでに石油は燃料としては無くなっていることになる。車は何を動力源にして走っているのだろうか。

生産可能な埋蔵量は、探鉱技術の進歩で資源が新たに確認されたため増加した。一方、未発見分を含めた「究極可採資源量」は3兆380億バレルで5年前と殆ど変わっていないが、新興国の経済成長などに伴って生産量が増えたため枯渇までの年数が短くなった。

ただ、石油の枯渇時期は今後の技術革新などによって変化するため、不確実要素も多い。また、試算に含まれない「オイルサンド**」などを加えれば、枯渇までの年数は約280年とも言われている。

 ** オイルサンド—(Oil sand, Tar sands)とは、極めて粘性の高い油分を含む砂岩のこと。原油を含んだ砂岩が地表に露出、若しくは地表付近の地下水などと反応し、揮発性分を失ったことにより生成される。母岩が砂岩ではなく頁岩んお場合にはオイルシェール(Oil Shale)と呼ばれる。

世界中に埋蔵されているオイルサンド、オイルシェールから得られる重質油は5兆バレル以上と推定されており、将来、枯渇する石油の代替燃料として注目を浴びている。ただ、1バレルの重質油を得るのに数トンの廃棄土砂(産業廃棄物)が発生する。その処理には多額の費用がかかり、採算コストが嵩み、極めて厳しい採算状況にある。

いずれにしても、太陽の命がそれ以上あるとして、地球の寿命はまだ40億年とある。化石燃料の寿命が68年といい、280年といっても有限の資源であり、一瞬のものだ。バイオ燃料も経済バランスを崩すだけで代替燃料として継続性の確実なものではあり得ないだろう。

今またバイオ燃料としてサボテンを考える国が出てきた。メキシコのエスピノザ外相は26日、東京都内の同紙との会見で、サボテンの一種を原料としたバイオ燃料について研究中であることを明らかにした。これがトウモロコシなど穀物価格の上昇防止につながるものか注目されるところだ。バイオ燃料は温暖化対策の一環として注目されているが、メキシコではトウモロコシを原料とするバイオ燃料を促進しているアメリカのあおりを受け、主食のトルティーヤの価格が上昇しているという。

同外相は「消費者価格に影響を与えないバイオ燃料の原料を探す必要がある」と指摘し、「サボテンの一種がバイオ燃料の生産に適しているかどうか研究中だ」と述べた。

温暖化対策の一助となるし、当面は消費者価格に影響はないかも知れないが、砂漠化が進む地球に一層拍車を掛けることになるのではないか。それにサボテンが代替エネルギーとして途切れなく供給を続けられる資源かどうか疑問だ。それこそ寿命の短い研究室規模で終わるものではないだろうか。

8月のブログ「バイオ燃料は本当に切り札になるのか」でも書いたが、究極の代替え燃料には太陽熱を生かして行くことしかないだろう。それが最終的には地球に優しいエネルギーなのではないだろうか。

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コメント

「テキサス」という映画は残念ながら見た事がありませんでしたが、テレビ番組「じゃじゃ馬億万長者」とかジェームズ・ディ−ンの「ジャイアンツ」にも出てくるようにアメリカは石油の出る国なんですよね。
でもあれほど中東に介入して、全世界の二酸化炭素排出のほとんどを占めるアメリカ。もしかすると自国の石油は他国の石油が枯渇するまでとっておく予定かも?なんてふと思ってしまいました。逆にもうほとんど無いのかもしれませんが。

最後にこうべいさんがおっしゃった太陽熱利用というのは大賛成です。私もつねづね太陽光ではなく、太陽熱をもっと有効に使えないか素人ながら考えています。
現在のシリコンを使った発電も大切ですが、もっと住宅やビル建築に太陽光を取り入れ、昼間くらい電気を点けない生活とか、光ファイバーを使って光の届かない所に光を送るとか(これは実際に実用化、そういうものがあるそうです)太陽熱で給湯、発電とかまだまだ利用できる余地が残されていると思います。
北海道は灯油でお湯を作り雪を溶かしたり、ロードヒーティングで雪を融かしたりするというバカな事をしています。灯油高騰の今年ではスイッチを切る家庭もきっと増えるのじゃないかと思っています。

投稿: BEM | 2007年12月 1日 (土) 23時06分

周囲4万キロのチッポケな地球です。地上のものも、地底のものも、海底のものも、その資源の枯渇は目に見えて近づいていると思わなければならないでしょう。
そうでなければ遠からず人類の生存そのものが脅かされることになるものと思います。

人間の命はたかだか長生きしても100年未満でしょう。将来のため、とは言ってもその将来、誰一人、決して責任は取れないところに行ってしまっているのですから無責任でもあると思います。

それでもやはり、有限資源に変わるエネルギ源に何時切り替えるのかは地球、それに人類の寿命に深く拘わって来る問題だと考えます。

1リットルの油で無限運動してくれる車でもあれば少しは違いもあるのでしょうか。

投稿: 小言こうべい | 2007年12月 2日 (日) 22時57分

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