大学進学資格
言葉は悪いがバカでもチョンでも大学に入れる時代になった。
とは言え箸にも棒にも引っ掛からないような学生では大学の名が廃る。特に一流が看板の大学は、国際的にも恥ずかしくない学問の府でありたいと願っているだろう。
貧しい時代の戦後の日本には「苦学生」と呼ばれる学生が多くいた。親の仕送りは多くを期待できず、自らアルバイトをしながら学資を稼ぎ、留年を繰り返すようにして卒業していった。現在留年があるとすれば、どうせ卒業しても就職にありつけるかどうかわからない、それならばのんびりと学園生活でも楽しんでいる方が・・・、となるだろう。
これでは困る、とばかりに政府の教育再生会議(野依良治座長)は20日、首相官邸で合同分科会を開き、大学進学志願者が定員以下となる「大学全入時代」の到来を睨み、大学進学者に一定の学力を担保(たんぽ、国会でもしきりに飛び交うが、どうも流行語になっているようだ)するため、「高卒学力テスト」(仮称)の導入に向けた検討を開始した。すべての科目に合格することを大学進学資格の受験とする方向で調整する。ただ、現段階では委員の間に消極的な意見が強く、12月の第3次報告に盛り込めるかどうかは微妙なところだという。
再生会議は、面接や小論文で選考するアドミッション・オフィス(AO)入試と推薦入試による入学者が今年度4割を超えたことや、昨年発覚した必修科目の未履修問題などを踏まえ、大学での履修能力が備わっていない学生が増えれば、大学への信頼が揺らぎかねないと判断した。6月の第2次報告で「大学入試の抜本的改革」として提言した。
分科会の構想によると、高卒学力テストは、国公私立を問わず大学進学志願者全員が受験し、学習指導要領上の必修教科・科目(保健体育、芸術、家庭、情報を除く)すべてに合格しなければ大学進学資格を認めない。高等学校卒業程度認定試験(旧大検)を吸収・一本化することも検討する。
しかし、この日の分科会では、町村信孝官房長官が「導入した場合、大学への『飛び入学』を認めることになるのか」と指摘したほか、「大学入試センター試験もあり、受験生に非常に負担になる」などの慎重意見が相次いだ。特定分野に秀でた生徒が進学できなくなることへの懸念も根強くある。
《「特定分野に秀でた生徒が進学できなくなる」との懸念は何だろう。屁理屈で言うのではない、それほど秀でているのなら、大学へ行く必要などさらさらない。現実、世の中には、大学へは行っていないが素晴らしい活躍をしている人たちが、どの分野にも溢れるほど満ちている。それにその特定な才能以外には能のないように「特定分野」とカッコで括られていない人たちが、どれほど学問で優れているのかは大いに疑問とするところだ。大学生と呼ばれていても、中・高生、いや、小学生レベルのものがいくらもいる。多くなり過ぎた学校は淘汰するのが一番だ。広くなり過ぎた関門を狭くすることで、ほんとうに何かを勉強したい人間だけが大学に進めばよいことだ。》
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